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自家消費のため太陽光発電を導入したいとは考えても、設置費用やメンテナンス費用がかかります。長期的には電気代の節約や売電の収入が見込めても、投資の決断を迷ってしまうでしょう。しかしPPAモデルでの導入であれば、自社の負担なく大規模な設備を設置可能です。
本記事では、太陽光発電のPPAモデルについて、仕組みやメリットデメリット、事業者の選び方まで解説します。2023年現在は電気代の高騰が続き、負担の増額は経営にも影響が出てきます。太陽光発電を導入して、電気代の不安を解消しましょう。
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目次
太陽光発電のPPAモデルとは
PPA(Power Purchase Agreement)モデルは日本語で電力購入契約といい、太陽光発電を導入する手法の1つです。太陽光発電所を所有する事業者と電力を必要とする企業や消費者の間で、契約が結ばれます。
企業側は、自社の敷地内外にPPA事業者が設置した太陽光発電所の電気から、使用した分だけを支払います。PPA事業者は自己資金や投資家からの融資で運営を維持し、設備の設置や管理の責任を負うビジネスモデルです。
太陽光発電のPPAモデルの種類
太陽光発電のPPAモデルは、企業が電気を使うまでの経路で次の2種類があります。
- オンサイト型
- オフサイト型
それぞれどのような太陽光発電なのか詳しく解説していきます。
オンサイト型
オンサイト型とは、企業が所有する建物の屋根などへPPA事業者に太陽光発電の設備を設置してもらい、発電した電気を直接利用する方法です。一般的な送電網を介さず電気を使えるため、周囲では停電が起きている状況でも業務を続けられます。
発電量は設置スペースで上限が決まり、自社で使用する量をすべてカバーできるとは限りません。そのような場合は小売業者から部分供給を受け、不足分を補充します。
オフサイト型
オフサイト型とは、自社の敷地外にPPA事業者が太陽光発電の設備を設置し、一般的な送電網を使い小売業者経由で送電してもらう方法です。これまでの電力会社との契約と同様に小売業者経由ですが、送電してもらった電気は100%太陽光発電由来となります。
オンサイト型と違い送電網を利用するため、同じ太陽光発電所の電気を複数の事業所へ送電することが可能です。小さな事業所で、屋根に太陽光発電を設置しても使用量をまかなえないケースでも、オフサイト型なら設備は敷地外のため広い土地を使い不足を補えます。
PPAモデルで太陽光発電を導入するメリット
企業がPPAモデルで太陽光発電を導入するメリットは次の5つです。
- 導入や維持にコストがかからない
- 電気代が現状より安くなる可能性
- 自社のイメージアップ
- 停電への備え
- 太陽光発電の設備の無償譲渡
詳しく解説しますので、PPA事業者と契約を結ぶ判断材料にしてください。
導入や維持にコストがかからない
PPAモデルの太陽光発電では、どれだけ大規模な設備でも導入や維持のコストはPPA事業者が負担してくれます。もし自社負担で設置する場合だと、設置費用で15~20万円/1kWです。事業のため200kWの確保が必要な場合は3,000~4,000万円となり、即決は難しいでしょう。
維持費は、定期点検や掃除で年間5,000円/1kW程度はコストがかかります。もし台風や地震などで被害が出ると、資金不足ですぐに立て直しできないかもしれません。
コストが問題で太陽光発電の導入を迷っている企業は、PPAモデルの利用が向いています。
電気代が現状より安くなる可能性
PPAモデルで支払う電気代は、契約期間中は固定のため現状より電気代が安くなる可能性があります。特にオンサイト型ならば、小売業者を介さず送電網を利用しないので、オフサイト型より抑えられるでしょう。
2010年以降の電気代の単価は次のように推移しています。
画像引用元:経済産業省資源エネルギー庁公式サイト
2020年度は一時的に価格が下がったものの、2021年度以降は再度上昇傾向にあります。PPAモデルで太陽光発電の電気を利用していると、突然の値上げの心配はなく、節約できた電気代は新規の事業へも回せるでしょう。
自社のイメージアップ
太陽光発電の電気を利用していると、対外的に環境に配慮した企業活動をしているとして、自社のイメージアップを図れます。国際的な潮流でSDGsの達成が注目され、太陽光発電はCO2を排出しないクリーンなエネルギーとして国からも導入を推奨されています。
また、2015年からは企業の評価として、ESGという基準も日本で使われるようになりました。ESGはEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(ガバナンス)の頭文字を使った言葉で、持続可能な社会を目指す取り組みです。ESGはスコア化され投資家の投資先の判断基準として使われています。太陽光発電を導入していると、ESGの評価が上がり、融資を募る際にプラスとなるでしょう。
停電への備え
オンサイト型で太陽光発電をしていると、自然災害などによる送電網の不具合で停電がおきている状況でも、電気を確保できて業務を続けられます。一時的でも、業務停止は経済的損失と社会的信用の損失に繋がります。
備えを強化したい場合は、蓄電池も設置しているとよいです。貯めておくと夜間でも発電していた電気を使い続けられ、梅雨などで発電量が落ちやすい時期でも不足を解消できます。
太陽光発電の設備の無償譲渡
PPAモデルで設置された太陽光発電の設備は、契約期間が終了すると無料譲渡してもらえます。メンテナンスは自社でおこなう必要はありますが、毎月の電気代の支払いはなくなり、余剰分は売電も可能です。
太陽光パネルの寿命は長く、メーカーの出力保証が25年のものもあります。契約終了後も十分に使い続けられるでしょう。契約終了後に長く運用できるほど自社にとってプラスです。メンテナンスは欠かさないようにしましょう。
PPAモデルで太陽光発電を導入するデメリット
企業にとって魅力的なメリットの多いPPAモデルの太陽光発電ですが、次の3つのデメリットもあります。
- 契約期間が長い
- 導入を断られる可能性
- 収支がプラスになるまでに時間
デメリットの内容や対策はあるのかを解説していきます。
契約期間が長い
PPAモデルでの太陽光発電は、契約期間が10~20年と長いです。PPA事業者は投資資金を企業からの電気代などで回収するため、契約期間が長くなっています。途中での解約は違約金が発生するため注意が必要です。
契約期間中に、事業所の移転や設置している屋根の改装などが予想されるならば、契約内容をPPA事業者と協議しておくとよいです。屋根の改装であればオフサイト型で対応でき、移転に関しては事業者が移転費用を負担してくれるならば問題となりません。
導入を断られる可能性
オンサイト型でPPAモデルの太陽光発電を始める場合、設置予定場所の日照量や設置用量が少ないと、導入を断られる可能性があります。また、契約終了まで運用をつづけてもらうため、企業の経営状態も審査の対象となります。PPA事業者は契約終了までに利益をプラスにする必要があるため、すべての企業で始められる方法ではありません。
自社で導入できるかは、実際にPPA事業者へ問い合せをして調査してもらわないと正確な判断はできません。問い合せ先によっても断る基準は異なるため、PPAモデルで太陽光発電をする際は複数社をピックアップしておきましょう。対応してくれるところが見つかる可能性が高まります。
収支がプラスになるまでに時間
PPAモデルでの太陽光発電は、契約終了まで売電収入がありません。最終的な廃棄にかかる費用まで考慮すると、通常の電気代との差額で節約できた額や将来の売電収入で最終的な収支がプラスになるまで時間がかかります。
自社で設置してすべての電気を太陽光発電だけでカバーできると、これまでの電気代の全額と余剰の分の売電が収入となります。発電量や売電価格によりますが、早ければ10年程度での回収も可能です。
PPAモデルで収支を早くプラスにしたい場合は、契約期間が短いPPA事業者を選択すると、売電収入を得られる時期を前倒しできるでしょう。
太陽光発電のPPA業者を選ぶポイント
メリットデメリットを把握し、自社で太陽光発電をPPAモデルで導入することが決定したら、次は依頼する事業者の選定です。明確な基準なく選んでしまうと、あとから魅力的なところを見つけ後悔するかもしれません。次の3つの選ぶポイントについて、詳しく見ていきましょう。
- PPA事業者の運営体制
- 設置場所の審査基準
- 契約の内容
PPA事業者の運営体制
運営体制に問題がないかは、これまでの実績から判断できます。PPAモデルでの太陽光発電は、システムの計測や遠隔操作、データ解析などで、事業者に自家消費とは異なる運用が求められます。ノウハウが蓄積されていなければ、電気を利用している企業側に支障が出るかもしれません。
また、問い合せをして運用の説明を受ける際、監視体制やトラブルの対応、メンテナンスの計画などの詳細まで示してもらえると、信用できるでしょう。こちらから聞いても答えてもらえない場合は、見送った方が無難です。
設置場所の審査基準
どれだけ安定した運営をしているPPA事業者でも、自社の予定地でPPAの太陽光発電を始められる保証はありません。審査基準によっては断られてしまいます。気になるPPA事業者を複数ピックアップして気軽に問い合せをしましょう。
また、審査基準の詳細は事前に把握できないため、PPA事業者の公式サイトの実績を参考にしてください。掲載されている場所や出力などから、自社が希望する出力や設置環境で似た実績があれば、対応してくれる可能性が高まります。
契約の内容
契約内容は次の項目に注目して、複数社を比較しましょう。
- 契約終了までの期間
- 支払う電気代の単価
- 蓄電池の設置の有無
- 故障した際の修理の対応
- 契約終了時の対応(譲渡・PPAの契約継続・撤去の請負など)
- PPA事業者が活用した補助金の企業への還元の有無
必要であれば交渉もして、自社の希望に近いかたちで契約ができるかどうかで判断します。どれも収支に関わるものばかりです。1社への問い合せでは妥当なのか見分けにくいので、複数社での比較をおすすめします。
太陽光発電のおすすめPPA事業者3選
実際に選ぶ際の参考になるよう、全国展開しているおすすめのPPA事業者を3社紹介します。問い合せや資料請求をして、自社の希望を満たせるのか検討してみましょう。
Looop
画像出典元:Looop公式HP
- PPAか購入かで迷っている企業
- 小規模で太陽光発電を導入したい企業
- 補助金の恩恵を受けたい企業
Looopは「Zero-Roofs」というサービス名で、PPAを全国で展開しています。購入の相談も可能で、投資の回収目標は5年からです。太陽光発電の導入方法をまだ決め切れていない場合は、相談すると自社にとって最適な手段を決められるでしょう。
サービスの提供は60kW以上を想定し、比較的小規模でも始められます。蓄電池の併設にも対応し、企業としてのBCP対策がはかどります。
Looopでの太陽光発電は、過去に環境省の「グリーン社会の実現のためのオンサイトPPA等による地域の再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業」という補助金制度を活用できました。導入時点でPPAに関する補助金があれば、適用できる可能性があるので確認しましょう。
運営会社 | 株式会社Looop |
本社 | 東京都台東区上野3丁目24番6号 上野フロンティアタワー15階・22階 |
設立 | 2011年4月4日 |
資本金 | 40億9,400万円 |
実績 | 神奈川県伊勢市:63.24kW 長野県佐久市 520.8kW |
NTTアノードエナジー
画像出典元:NTTアノードエナジー公式HP
- 広い設置スペースを確保できない企業
- 大規模な運用実績があるとろこに依頼したい企業
- 安定した資本がある事業者を利用したい企業
NTTアノードエナジーのPPAはオフサイト型を採用しています。自社には広い設置スペースがない場合でも、必要な量の電気を太陽光発電で確保可能です。
現在進行形でセブン&アイ・ホールディングスと20年契約し、セブンイレブン40店舗分とアリオ亀有という施設へ電気を供給しています。オフサイトでの発電だけでは電気不足になったときに備え、NTTアノードエナ自身でも発電所を複数運営し、不足分を補ってくれます。
設立は2019年と、2023年時点で5年を経過していませんが、社名からわかるようにNTTグループの会社です。長期の契約も安心して結べるでしょう。
運営会社 | NTTアノードエナジー株式会社 |
本社 | 東京都港区芝浦3丁目4番1号 グランパークタワー |
設立 | 2019年6月3日 |
資本金 | 79億2,000万円 |
実績 | セブン&アイ・ホールディングス:40店舗分 福島県環境創造センター:506kW |
大林組
画像出典元:大林組公式HP
- 太陽光発電の設置スペースを確保できる企業
- 屋根に設置する際の重量が不安な企業
- 工場の定休日でも収入を得たい企業
大林組は創業から100年以上継続している大手のゼネコンです。2023年からオンサイト型のPPAを始めました。工場の屋根などを活用したい企業は大林組に相談してみましょう。
メイン事業が土木建築のため、構造の計算などは信頼できます。太陽光パネルの重量による倒壊のリスクを下げながら、発電量を最大限増やしてもらえると、売電収入に期待が持てます。定休日は発電量の大半を売電に回せるため、積極的に検討してください。
運営会社 | 株式会社大林組 |
本社 | 東京都港区港南2丁目15番2号 |
設立 | 1936年12月 |
資本金 | 577億5,200万円 |
実績 | 埼玉県ふじみ野市:103kW |
PPAモデルで太陽光発電を導入する際の疑問
最後に、PPAモデルで太陽光発電をする際に抱きやすい疑問について解説していきます。太陽光発電はPPA以外でも導入する方法はいくつもあります。また契約してしまえばすぐに解約はできませんので、疑問は解消しておきましょう。
PPAモデル以外でコストを抑えた導入方法は?
大規模な太陽光発電でも、PPAモデル以外でリースや補助金・助成金を活用した自社での設置で、導入コストは抑えられます。それぞれのメリットデメリットは次の表のようになっています。
リース | 自社での設置 | |
メリット | ・設置費用は無料 ・メンテナンスはリース業者が負担 ・余剰分は売電が可能 |
・補助金・助成金制度が多数 ・導入当初から売電で収入 ・融資でも始められる ・いつでも辞められる |
デメリット | ・リース料の負担 ・契約期間は長期 |
・設置やメンテナンスで負担 ・資産として計上する必要あり |
リースはPPAと同様に設置費用は無料でメンテナンスの負担はなく、売電も可能です。電気代の節約額と売電の利益がリース料を上回れば、電力会社と契約を続けるより収支はプラスです。
自社での設置でも、実はコストを抑えた導入方法は多数あります。補助金・助成金によっては、設置費用の3分の1程度を負担してくれるものがあります。融資を受ければ手持ちの資金に余裕がなくても始められ、電気代の節約額と売電の利益を返済に充てると追加の支出は避けられるでしょう。
太陽光発電の導入を相談できる機関はある?
太陽光発電の相談を事業者にすると、営業視点の説明をされてしまうかもしれません。営利が絡まない相談先として、次の2つがあります。
相談先 | 電話番号 | 文章での相談 |
資源エネルギー庁 | 0570-057-333(9:00~18:00(土日祝、年末年始を除く) | なし(文章での問い合せに未対応) |
太陽光発電協会 | 0570-003-045(9:00~12:00、13:00~17:00 土日祝日・JPEA所定休日を除く) | 公式サイトのお問い合わせフォームを利用 |
どちらも土日祝日は未対応です。
まとめ
PPAモデルは、コストをかけずに太陽光発電を始められる方法の1つです。自家消費と売電が可能で、契約終了時には設備の無償譲渡もしてもらえます。契約期間は長く、導入を断られる可能性はありますが、魅力のある選択肢です。PPA事業者は運営体制や契約内容などで厳選し、自社にとって利益がでやすいところで導入をしましょう。
PPAモデルでの導入を最終決断する前には、リースや自社での設置も具体的な数字を過程して試算してみるとよいです。特に自社での設置は、補助金・助成金や融資の活用で思っていたより負担を減らせるかもしれません。