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近ごろ電気料金の高騰化が進み、太陽光発電の設置に興味を持った人もいるのではないでしょうか。
電気代の節約や省エネに繋がる太陽光発電ですが、設備費用や工事費用を合わせた初期費用は決して安くありません。費用の相場や内訳、設置費用が変動する要因を理解したうえで検討を進めることが重要です。
そこで本記事では、2024年3月時点で発表されている最新の太陽光発電の設置費用の相場や内訳について詳しく紹介します。設置費用を安く抑える方法や補助金制度、太陽光発電を設置するデメリットも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
名前 | Kさん | |
設置想定物件種別 | 戸建て | |
物件所在地 | 千葉県 | |
見積もり時期 | 2023年 |
※J-Nav太陽光メディアでは、ユーザーの生の声をお届けするために、商品・サービスの利用者に直接取材を行っています。
編集部:小原
おすすめの太陽光発電一括見積もりサイトランキングTOP3
調査概要 | 太陽光発電の一括見積もりサイトに関するアンケート |
調査方法 | web調査 |
調査項目 | 利用経験のある不動産一括査定サイトの以下項目を調査 ・利用したことのある太陽光発電一括見積もりサイト ・サービスを通じて紹介された業者の数 ・太陽光発電一括見積もりサイトの良かった点 ・太陽光発電一括見積もりサイトの改善してほしい点 ・利用した太陽光発電一括見積もりサイトの満足度 など |
調査期間 | 2023/1/25~2023/1/30 |
回答数 | 31 |
関連記事:太陽光発電一括見積もりサイトおすすめ6選を比較|アンケート調査でわかった人気サイトや選び方を紹介
目次
【2024年最新】太陽光発電の設置費用の相場
“引用:調達価格等策定委員会「令和6年度以降の調達価格等に関する意見」”
2024年2月7日に経済産業省の調達価格等算定委員会で使用された「令和6年度以降の調達価格等に関する意見」によると、2023年の住宅用太陽光発電の設備費用は、1kWあたりの単価が28万8,000円であったことが発表されました。
住宅用太陽光発電の容量は、一般的に4kW~5kWが多いため、115.2万円(4kW)~144万円(5kW)が太陽光発電の設置費用の相場となります。
新築で設置した方が工事費用を安く抑えられる
2020年から2023年の住宅用太陽光発電の設置費用を、新築と既築別で以下の表にまとめました。
2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | |
全体 | 29.2万円 | 27.5万円 | 27.4万円 | 28.4万円 |
新築 | 28.3万円 | 27.1万円 | 26.9万円 | 28.8万円 |
既築 | 31.1万円 | 28.3万円 | 28.5万円 | 27.8万円 |
※参考:経済産産業省/令和6年度以降の調達価格等に関する意見
表を見ると、2023年を除いて、新築時に太陽光発電を設置した方が既築よりも安い傾向にあることがわかります。内訳としては、パネルやパワコンなどの設備費は変わらず工事費用が安くなっています。
工事費用が抑えられるのは、太陽光発電を設置する前提で新築工事を進めることができ、電気配線や屋根での作業も新築工事と合わせておこなえるためです。
2024年の想定値は25.5万円/kW
経済産業省によると、2024年度の住宅用太陽光発電の設置費用は、1kWあたり25.5万円と想定されています。(参考:経済産業省/令和6年度以降の調達価格等に関する意見)
5kWの容量を持つ太陽光発電を設置する場合、127.5万円と想定できますが、太陽光発電は、設置容量によって単価が異なるため、あくまでも参考程度に利用することが重要です。
出力容量 | 設置費用 |
3kW | 76.5万 |
4kW | 102万 |
5kW | 127.5万 |
6kW | 153万 |
7kW | 178.5万 |
8kW | 204万 |
9kW | 229.5万 |
※1kWあたりのシステム費用が25万5,000円であることも用い計算
10kW以上は産業用太陽光発電になります。産業用太陽光発電の設置費用相場は、2023年の実績によると1kWあたり23.9万円となっており、家庭用と比べると安くなっています。
【家庭用】太陽光発電の設置費用の内訳は?設備ごとに解説
“参考:調達価格等策定委員会「令和6年度以降の調達価格等に関する意見」”
1kWあたりの太陽光発電設置費用の内訳は、工事費用が7.6万円/kW、設備費が22.7万円/kWとなっています。
2023年における太陽光発電の設備ごとの平均費用は以下のとおりです。
設備 | 平均価格 |
ソーラーパネル | 14.7万円/kW |
パワーコンディショナー | 4.7万円/kW |
架台 | 3.0万円/kW |
接続箱 | 3万円~ |
発電モニター | 2万円~ |
※接続箱:パワーコンディショナーに含まれているケースあり
※発電モニター:取り付ける場合のみ
それぞれの機器が果たす役割や、設置費用について詳しく紹介するので参考にしてください。
ソーラーパネルの価格
ソーラーパネルは太陽光パネルとも呼ばれ、太陽光を電気に変換する機器です。2023年のデータを確認すると、1kWあたり14.7万円です。
目的の発電量を実現するには、ソーラーパネルが数枚~数十枚必要です。太陽光があたりやすい向きの屋根の面積が狭いと、発電量を確保するため想定より設置枚数が増えます。
メーカーによって、販売されているソーラーパネルの形は決まっています。正方形や長方形以外のものが豊富にあると、屋根の形によらず設置しやすいです。
おすすめのソーラーパネルのメーカーが知りたい人は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:【2024年】太陽光発電パネルおすすめ企業ランキング13選!選び方のコツも解説
パワーコンディショナーの価格
パワーコンディショナーとは、複数のソーラーパネルで発電された直流の電気をまとめて、家庭で使える交流に変換するための機器です。2023年実績で1kWあたり4.7万円となっており、この機器がないと発電した電気で家電製品を使えません。
できるだけ、変換効率のよいパワーコンディショナーを選んでください。どれだけ出力の高いソーラーパネルを採用していても、変換効率が悪いと実際に利用できる電気の量は減ります。1%の違いでも、10年や20年使い続けることを考えると、大きな差になります。
また費用は高くなりますが、自立運転機能が搭載されているものがおすすめです。災害などの停電時でも、パワーコンディショナーについているコンセントで、家電製品が使えます。AC100Vで1.5kWまでに対応しているのが一般的で、冷蔵庫や電子レンジ、スマートフォンの充電などが可能です。
架台の価格
架台とは、ソーラーパネルを屋根などに固定するための台です。架台にかかる費用は、2023年度実績で1kWあたり3.0万で、アルミニウム製よりステンレス製のほうが高額になる傾向です。
架台は、ソーラーパネルの高さや角度を太陽光が当たる最適な状態にするために必要です。積雪量が多い地域では、ソーラーパネルに雪の重みの負担をかかりにくくするため、架台の調節が重要になってきます。耐久性がないものも、積雪に耐えられないでしょう。
屋根に取り付ける場合に穴を開けるものと開けないものがあります。地面に設置する場合は、コンクリートの基礎の上に取り付けるか、杭を直接地面に刺します。どの方法が最適なのかを、太陽光発電の設置業者と相談して決めましょう。
接続箱の価格
接続箱とは、複数のソーラーパネルの配線をひとまとめにする設備です。最終的に1つの線にまとめパワーコンディショナーへ接続します。1個あたり3万円程度かかり、ソーラーパネルの枚数が多いと、複数個必要になってきます。
接続箱も、配線をまとめる過程でエネルギーのロスが発生します。多少費用が高額になっても、変換効率の高い機器を選んだほうが、発電量は無駄になりません。
設置するパワーコンディショナーに接続箱の機能が組み込まれているならば、別途接続箱の費用はかかりません。パワーコンディショナーを選ぶときに一緒に検討するとよいでしょう。
発電モニターの価格(取り付ける場合のみ)
発電モニターは、現時点でどれだけ発電や売電をしているのかや、自宅内での電力の使用状況をリアルタイムで確認できます。費用は2万円からで、メーカーによっては各種のデータ推移グラフをパソコンで見ることができます。
個別の家電の使用電力を把握したり遠隔操作が可能になったりするHEMS(Home Energy Management System)というモニターが代表例の1つです。高機能なものになると10万円を超え、月額料金が発生する機器もありますが、効率的に節電できるでしょう。
太陽光発電の設置費用の相場を知るなら「ソーラーパートナーズ」がおすすめ
画像引用元:ソーラーパートナーズ公式HP
- 3社に見積もり依頼をして比較できる
- 地元の自社施工会社のみを厳選して紹介
- 施工実績や保証など工事品質が高い会社のみが加盟
- 蓄電池セットの太陽光発電も見積もり可能
ソーラーパートナーズについて詳しく知りたい人は以下の記事も参考にしてください。
関連記事:ソーラーパートナーズの口コミ・評判は?特徴やデメリットを解説
太陽光発電と蓄電池セットで導入する際の設置費用
蓄電池を導入することで、太陽光発電システムで作った電気を蓄えられるようになります。日中に発電した電気を夜間に利用できるため、自給自足で補える電気が多くなるのがメリットです。
また、停電時でも蓄電池に蓄えた電気を利用できるため、災害時にも安心といえるでしょう。
ただし、蓄電池の導入には決して安くない費用がかかります。自治体や国が補助金を出しているケースもありますが、蓄電池をセットで設置する場合、太陽光発電の費用に加えて100万円~250万円ほどかかります。
ここでは蓄電池の例として3メーカーほど紹介するので、蓄電池を導入する際の参考にしてください。
メーカー | パナソニック | 京セラ | テスラ |
品名 | リチウムイオン蓄電池ユニット (3.5kWh・屋内) |
Enerezza リチウムイオン蓄電システム |
Powerwall |
品番 | LJB1235 | LBS-0500 | – |
容量 | 3.5kWh | 5kWh | 13.5 kWh |
機能小売価格 (税込み) |
1,144,000円 | 2,310,000円 | 1,419,000円 |
詳細 |
その他の蓄電池も知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
関連記事:蓄電池のおすすめメーカーとその商品10選を解説|選び方のコツや注意点も紹介
太陽光発電設置後に発生する費用
太陽光発電は導入時だけでなく、太陽光発電設置後も定期的にコストがかかることを知っておきましょう。定期点検や設備の交換・清掃費用など、メンテナンスで以下の費用も発生します。
費用の種類 | 相場 | 頻度 |
定期点検 | 3万5,000円/回(5kWの設備の場合) | 3~4年ごとに1回以上 |
パワーコンディショナーの交換 | 29万2,000円/回 | 15年程度に1度 |
ソーラーパネルの清掃 | 1~3万円/回 | 年に2~3回 |
“引用:調達価格等策定委員会「令和6年度以降の調達価格等に関する意見」”(一部)
定期点検やパワーコンディショナーの交換、ソーラーパネルの掃除は、いずれも発電量を維持するために必要な費用です。保険に加入した場合は、保険料の支払いも必要となります。
また、上記以外でも突発的な故障や機器の入れ替えが必要になる場合もあるでしょう。
ソーラーパネルの撤去費用も想定しておくことが重要
リフォームや引っ越しなどでソーラーパネルを廃棄する場合は、撤去費用がかかることを想定しておく必要があります。
また、太陽光発電設備には鉛やセレンといった有害物質が含まれているため、産業廃棄物として扱われる点も注意しておかなければなりません。撤去作業や処分を含めると10万円以上になることが考えられるため、まずは設置業者や解体業者に相談してみるのがおすすめです。
10kWを超える事業用の太陽光発電を設置している場合は、太陽光発電の放置や不法投棄を防ぐために、「廃棄等費用積立制度」が実施されています。
2022年7月から義務化されており、売電収入から差し引かれる形での徴収となります。
関連記事:【2024年最新】太陽光パネルを廃棄してくれる業者6選!会社の選び方や費用の目安を解説
太陽光発電の設置費用が上下する要因とは
太陽光発電の設置費用は、次の3つが要因で上下します。
これらが価格変動の要因となる理由について詳しく解説していきます。
太陽光発電の設置面積
設置面積を広げるほど、必要になる太陽光パネルや架台、接続箱が増えて、価格は高額になります。発電量が増える分だけ売電に回せて長期的には回収可能でも、初期費用の支払いは確保が必要です。
住宅向けに分類される10kW未満の限界まで発電しようとすると、200万円を超える可能性は高いでしょう。設置面積を増やしたほうが1kWあたりの費用は安くなる傾向にありますが、できる範囲で最適解を探しましょう。
屋根の形によって設置する向きが変わり、方角によっては発電量が落ちます。かかる費用や発電量で無駄のない設置面積を検討してください。
太陽光発電の足場の設置
太陽光発電の設置において、足場が必要かどうかで、10万円以上かかる費用が上下します。屋根にソーラーパネルなどを設置する場合は足場が必要で、庭に設置するならば必要ありません。新築時であれば、建築で使うものを流用できるため、既築と比べて費用は安くなるでしょう。
足場の設置が求められる場合、立地や家の形によってもかかる費用は変わります。3階建て以上では、2階建てのときより強度を求められる資材も使います。隣家との隙間が狭いといった、足場を組みにくい立地では、運搬や組み立てで時間と手間がかかり、費用が高くなる傾向です。
ソーラーパネルの設置工法
ソーラーパネルの設置工法は、大きく分けて次の3つがあります。
- アンカー工法:屋根に穴を開けて架台を固定
- 支持金具工法:専用の支持金具で架台と屋根を固定
- 支持瓦工法:一部の屋根の瓦を架台の固定用のものに変更
どの工法でも最低限の強度は確保されていますが、上記で数字が大きいほど強度があり費用は高くなります。
また、設置工事は実績のある会社に依頼したほうが、施工不良による雨漏りのリスクを下げられます。特にアンカー工法は屋根に直接穴を開けるため、防水加工の技術が業者に問われます。雨漏りが発生してしまうと修理でさらに高額な費用が必要になるでしょう。
太陽光発電の設置費用の推移は下がっている
2023年まで太陽光発電の設置費用は、以前より下がっています。どれだけ安くなっているのかや、なぜ下がったのかを見ていきましょう。
以前の設置費用
年 | 新築(万円/kW) | 既築(万円/kW) |
2012年 | 43.1 | 47.9 |
2013年 | 39.1 | 43.2 |
2014年 | 36.7 | 40.5 |
2015年 | 35.8 | 39.8 |
2016年 | 34.5 | 37.1 |
2017年 | 34.4 | 37.1 |
2018年 | 31.3 | 35.2 |
2019年 | 29.2 | 32.7 |
2020年 | 28.3 | 31.1 |
2021年 | 27.1 | 28.3 |
2022年 | 26.9 | 28.5 |
2023年 | 28,8 | 27.8 |
“引用:調達価格等策定委員会「令和6年度以降の調達価格等に関する意見」”
上記の表を確認するとわかりますが、太陽光発電の設置費用は年々下がっています。経済産業省の調達価格等策定委員会が発表している情報によると、2012年は1kWあたり43万1,000円(新築)でした。
2023年の新築における相場は1kWあたり28.8万円とされており、およそ14万円安くなっています。
設置費用が下がっている理由
設置費用が下がった理由として、主に次の3つの理由が考えられます。
- 大量生産による低価格化
- 製造工程や販売方法の工夫でコストカット
- 技術の進歩で低コストでの製造が可能
技術の発展や需要と供給のバランスの影響は大きく、世界的な環境意識の高まりも、太陽光発電の設置を後押ししています。
設備費用が下がったことで、設置を諦めていた人も検討しやすくなりました。また発電効率の向上で、設置面積が狭い家や発電しにくい天候の地域でも、必要な発電量を予算内で確保できるでしょう。
太陽光発電の設置費用を安く抑えるコツ
太陽光発電の設置費用は、2023年にかけて安くなっているものの、4kW以上の設備では100万円を超えると考えられます。決して安い買い物ではないため、価格を抑えるコツを知っていたほうがよいでしょう。実践しやすいコツは以下の4つです。
それぞれのやり方を把握し、できるだけすべて実践して費用を抑えましょう。
複数の施工業者を比較する
同じ太陽光発電の設備を導入する予定でも、施工業者によって費用は変わります。今後のメンテナンスも請け負っているところはあり、トータルで安くなる施工業者を見つけましょう。
後付けの時と比べて、新築の時が安くなりやすいですが、新築の時でも相見積を取って比較することをおすすめします。住宅業者によっては大きく利益を取っていて高額になる可能性も高いためです。
効率的に比較したい人は、太陽光発電の一括見積もりサイトを利用してください。住所や設置場所などを入力するだけで、おすすめ施行業者をピックアップしてくれ、まとめて見積もりの依頼が可能です。
かかる費用の比較が容易で、サイトが独自に登録業者を厳選してくれていると、悪徳なところにひっかかるリスクが下がります。
おすすめの太陽光発電一括見積もりサイトは以下の記事で紹介しています。
関連記事:太陽光発電一括見積もりサイトおすすめ6選を比較|アンケート調査でわかった人気サイトや選び方を紹介
価格の安い設備の導入
設置費用の大部分を占めるソーラーパネルをメインに、価格の安い設備で目的の発電量を達成できないか検討してください。施工業者からおすすめされるままに高性能なものにすると、似たような発電量でも10万円以上高くなるケースが考えられます。
この際の注意点はメンテナンスも含めて、長期的にトータルで安いかどうかです。安くても耐久性がなければ、修理や交換で余計に費用がかかります。また、太陽光パネル1枚の価格が高くても、発電効率がよければ設置枚数や必要になる架台を減らせます。
ローンで支払う場合はソーラーローンを利用する
太陽光発電の設置費用を預貯金など自前で支払えない人は、ローンが選択肢に入ります。利用するなら金利が2~5%で安く抑えられるソーラーローンがおすすめです。お金の使い道の自由度が高いフリーローンやカードローンでは、金利が10%を超えるケースもあり、負担が重いです。
ソーラーローンは、太陽光発電や蓄電池の設置向けの融資で、銀行や信販会社、日本政府金融金庫などで取り扱いがあります。金利の安さや返済期間、担保の有無などで、利用しやすいものを選びましょう。完済まで安定した返済計画を立てたい人は、固定金利でソーラーローンを探してください。
太陽光発電の補助金制度を利用して設置費用を抑える
環境省が推進している戸建住宅ZEH化等支援事業では、太陽光発電の設置や断熱などで、年間の消費エネルギーの収支をゼロにできる住宅に、1戸あたり60~105万円の補助金を用意しています。
地域が独自でおこなっている補助金もあり、東京都の東京ゼロエミ住宅導入促進事業では、1kWあたり10~13万円受け取れます。
上記の補助金は2022年度のもので、年度によっては額も適用条件も変わります。予算の都合で、募集が早期に終了したり次年度は補助金の制度そのものがなくなったりするかもしれません。利用したいならば、最新の情報をチェックして、早期に申請しましょう。
一括見積もりサイトのソーラーパートナーズであれば、補助金対応が可能な地元施工店を紹介してくれるため、依頼先が決まっていない人や設置費用が知りたい人は利用してみるとよいでしょう。
補助金情報に関しては以下の記事で紹介しています。
関連記事:【2023年最新】蓄電池の補助金情報まとめ|補助金の種類と条件を解説
太陽光発電の設置費用を無料に!0円ソーラーとは?
画像引用元:環境省「再生可能エネルギー導入方法:0円ソーラー」
太陽光発電を導入するには決して安くない費用がかかるため、お得に導入できないか考えている人もいるでしょう。補助金制度を利用することも1つの手ですが、以下の方法を取ることで太陽光発電の設置費用を無料にすることが可能です。
0円ソーラーの利用には、それぞれ条件やデメリットがあります。利用可能なものがあるか、よく理解したうえで0円ソーラーを利用しましょう。
屋根貸し
屋根貸しとは、自宅の屋根を太陽光発電を設置する場所として、事業者に貸し出す方法です。屋根を貸し出すだけとなるため、太陽光発電の所有権は事業者となりますが、賃料を受け取ることができます。
賃料は年間で1平方メートルあたり100円程度と大きな収入とはならないものの、直射日光の遮蔽によるエアコンの効きの向上や、災害時の非常用電源確保などのメリットが存在します。
大きな収益とはならないものの、初期費用無しで太陽光発電の一部メリットの恩恵を受けられる点はおすすめできるポイントとなるでしょう。
関連記事:太陽光発電の屋根貸しをする方法は!デメリットまでわかりやすく解説
PPAモデル
PPAとは、「Power Purchase Agreement」の略で、日本語で電気販売契約を指します。PPAモデルでは、事業者の負担で太陽光発電を設置し、発電した電気を住宅の所有者が購入するというモデルです。
設置費用だけでなく、メンテナンス費用の負担、契約期間後の太陽光発電の譲渡もあるため、お得に導入できる方法の1つと言えます。また、通常の電気代よりも安くなる点もメリットです。
ただし、契約期間が10年以上と長くなるケースが多く、条件によっては契約できないケースもあるため注意が必要です。また、メーカーの選定や契約期間中の蓄電池の追加設置ができない点も押さえておく必要があります。
関連記事:太陽光発電をPPAモデルで導入!メリットデメリットを紹介
リース契約
リース契約とは、事業者が負担して太陽光発電を設置する代わりに、住宅の所有者は毎月リース代を払う仕組みです。発電した電気は自家消費や売電などに自由に使えるため、リース代分の費用を上回ることで、住宅所有者の利益となります。
メンテナンスや修理費用を負担する必要はなく、契約期間終了後は住宅所有者となる点もメリットの1つです。
ただし、注意しておきたいのは、毎月リース代の費用を回収できるとは限らない点です。その月の天候や電力の買取価格にも影響されるため、経済的なメリットが得られない可能性もあると認識しておきましょう。
太陽光発電の基礎知識
最後に太陽光発電を設置前に知っておきたい基礎知識を紹介します。参考にして、不安なくスムーズに導入の手続きを進めましょう。
太陽光発電の売電価格
売電による収入は、太陽光発電を設置するメリットの1つです。売電価格は発電量で決まり、2023年度は次のようになっています。
- 10kW未満:16円/kWh
- 10kW以上50kW未満:10円/kWh
- 50kW以上:9.2円/kWh
10kW未満は住宅用に分類され、自家消費しなかった余剰分が買い取りの対象です。10kW以上は産業用となり、発電した量のすべてを買い取りしてもらいます。
売電価格は10年間固定で、期間を過ぎるとそのときの新しいルールでいくらになるのかが決まります。直近の5年で毎年2~3円安くなっており、将来はさらに下がる可能性が高いです。
関連記事:太陽光発電の売電収入とは?仕組みやシミュレーション方法、稼ぎ方も徹底解説
太陽光発電の費用対効果は?費用の回収期間目安を紹介
2024年の想定相場(25.5万円/kW)で、5kWの設備を導入した場合、初期費用は127万5,000円です。 環境省の「各地の年平均日射量と年間予想発電量」によると、1kWの設備で年間1,215kWhを発電できます。
経済産業省のデータによると69.4%が売電となっていることから、7割(年間4,252.5kWh)を売電できると仮定すると、売電価格に単価16円/kWhを適用して、年間の収入は6万8,040円です。
残り3割(1,822.5kWh)を電気代の節約に回すと、2023年の5月時点で確認された電気料金単価である35円/kWhを加味して、毎年約6万3,787円の節約ができます。
売電収入と電気代の節約を足すと、年間131,827円相当の経済的メリットとなることから、約9.7年で元を取ることが可能です。
実際にはメンテナンス費用や補助金などがあるため前後しますが、10年ほどかかるという認識を持っておくとよいでしょう。
また、経年劣化などで最終的に廃棄処分が必要です。撤去には住宅用で15万円程度かかるため、トータルで損をしないか設置前に計算しましょう。
太陽光発電はやめたほうがいい?導入のメリット・デメリットとは
太陽光発電は、設置場所や地域、天候によって発電量が左右されるため、確実に導入費用を回収できるとは限りません。そのため「太陽光発電はやめたほうがいい」という意見もあるでしょう。
太陽光発電を導入する場合は、メリット・デメリットをよく検討してから設置するようにしましょう。
太陽光発電のメリットとデメリットは次のものがあります。
メリット | デメリット |
・電気代の節約 ・売電による収入 ・停電中でも家電が使える ・エコ ・導入時に補助金 ・快適な室温を維持 |
・導入費用の高さ ・維持費が発生 ・発電量は天候次第 ・家によっては設置に向かない ・近所トラブルのリスク |
関連記事:太陽光発電設置の6つのメリット!デメリットや損をしないコツも徹底解説
太陽光発電を導入する流れ
太陽光発電の導入は次の5ステップで完了し、電気代の節約や売電の収入を得られます。
- 複数の販売店や施工業者に見積もり依頼
- 見積書を比較
- 正確な見積もりを依頼して業者を決定
- 補助金の申請
- 設置工事・電力会社と受給契約
計画作りでは、太陽光発電を設置できるのかや、どの程度で初期投資を回収できるのかなどをシミュレーションします。設備の販売店や施工業者に相談するとよいでしょう。
一括見積もりサイトをなど活用し依頼先が決まれば、あとは専門家のアドバイスに従いながら、補助金の申請や電力会社との受給契約を進めてください。
関連記事:太陽光発電一括見積もりサイトおすすめ6選を比較|アンケート調査でわかった人気サイトや選び方を紹介
すべてが完了するのに半年程度はかかります。早めに準備をしておかないと、補助金の募集が終了したり売電の契約が次年度にズレて安くなったりするかもしれません。太陽光発電の設置を決めた際は、早めに行動しておきましょう。
太陽光発電で後悔するパターンとその対策
自家消費や売電収入を得ることで、電気代がお得になるイメージがある太陽光発電ですが、設置状況や契約方法などにより後悔してしまうケースもあります。具体的には以下のようなケースが考えられます。
- 想定より発電量が少なかった
- 相場とかけ離れた価格で設置してしまった
- メンテナンス費用を想定していなかった
- 近隣住民とトラブルになった
太陽光発電を設置する際は、電気代の節約や売電収入に関してシミュレーションすることが一般的ですが、設置方法によっては想定を下回るケースも考えられます。
北向きに設置したことや障害物によって日当たりが悪くなるケースも考えられるため、メンテナンス費用なども想定した上で、詳細なシミュレーションを行っておくとよいでしょう。
また、訪問販売によって太陽光発電を設置した結果、高額な価格で契約していたというケースもあります。太陽光発電を導入する際は、悪質な業者を避けるために、複数社から見積もりを受け取って相場価格や担当者の対応を見極めて契約することが重要です。
近隣住民とのトラブル例として、周りの住宅に反射光が差し込んでしまうこともあるため、設置箇所や向きは十分に検討する必要があります。
【体験者インタビュー】太陽光の設置経験者にお話を聞いてみました
太陽光発電を導入しようと思ったきっかけはなんですか?
太陽光発電を導入する上で重要視しているポイントはなんですか?
会社によって見積もり価格に差はありましたか?
まとめ
2024年の太陽光発電の設置費用は、1kWあたりの設備で25万5,000円と予想されています。ただし、実際にかかる費用は購入するソーラーパネルの種類や依頼する施工業者、屋根の形、家の立地などで変わります。
2012年頃と比べると、1kWあたりで約14万円安くなっていますが、別途で毎年メンテナンスに費用がかかります。補助金やソーラーローンも活用し、トータルで初期投資額は回収できるかを長期的にシミュレーションしてから、設置を検討しましょう。