太陽光発電の屋根貸しをする方法は!デメリットまでわかりやすく解説

太陽光発電の屋根貸しをする方法は!デメリットまでわかりやすく解説

太陽光発電を始めると、電気代を節約できて売電による収入も期待できます。しかし設置費用は、マイホームの自家消費でも100万円以上かかるケースがあります。長期的に副収入があるとはいっても一時的な家計への負担から、導入を迷っていませんか?そこでおすすめなのが太陽光発電の屋根貸しです。0円で設置できメンテナンスにも費用はかかりません。

本記事では、太陽光発電の屋根貸しについて、仕組みやメリットデメリットをわかりやすく解説します。運用は長期にわたるため、自身にとって最適な太陽光発電なのかを判断し、これからの資産形成に役立ててください。

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回答数 31

関連記事:太陽光発電一括見積もりサイトおすすめ6選を比較|アンケート調査でわかった人気サイトや選び方を紹介

太陽光発電の屋根貸しとは

太陽光発電の屋根貸し

屋根貸しとは、自身が所有する建物の屋根を太陽光発電の事業者に貸し出し、賃料を得る仕組みです。事業者は太陽光発電による電気を電力会社に売電し、利益の一部から設置費用やメンテナンス費用、賃料を支払います。

建物の所有者が使用する電気は、これまでどおり電力会社から購入したものです。契約期間は、太陽光発電の事業者が投資額を回収する必要があるため、10~20年と長期になりやすいです。

太陽光発電の屋根貸しを始めるメリット

太陽光発電の屋根貸しを始めるメリットは、次の3つがあります。

メリットの内容について詳しく解説していきます。

賃料で不労所得が得られる

太陽光発電の屋根貸しによる賃料は、年間で1平米あたり100~300円が相場です。1階の床面積が30坪(約100平米)の家で平らな屋根の場合、隙間なく設置できると年間で1~3万円の収入になります。

屋根はデッドスペースになりやすく、契約するとメンテナンスも自身では不要な屋根貸しは、有用な不労所得です。事業者によっては、11平米あたり500円超えもありえて、契約面積を実際の設置部分ではなく屋根全体で計算してもらえると、想定より稼げるでしょう。

屋根の劣化を軽減できる

太陽光発電を設置していると、屋根に直接雨風や紫外線があたらなくなり、劣化を軽減してくれます。遮るものがなにもなければ、塗装は10~15年周期で必要です。放置していては劣化が進みいつか雨漏りもおきるでしょう。劣化が進まなければ、最終的に建物を解体するまでの塗装の回数は、太陽光発電なしより1~2回減らせるかもしれません。

また、屋根は強風でものが飛来して破損するケースがあります。太陽光発電をしていると、太陽光パネルの破損だけで済む可能性があり、修理の自己負担も避けられます。

契約内容によっては非常時に自家消費できる

太陽光発電の屋根貸しは、基本的に電気の自家消費はできません。しかし契約内容によっては、停電や災害といった非常時は、自家消費が許可されている場合があります。無償で非常用電源が手に入るため、屋根を自身でなにかに使う予定がないならば、貸したほうがお得です。

非常時に自家消費ができる契約でも、夜間の電気使用は期待しないでください。屋根貸しでは、夜間でも電気を使うための蓄電池を設置せず、自身での設置が認められないケースが多いです。非常時の備えは発電できる昼間のみと考えておきましょう。

太陽光発電の屋根貸しを始めるデメリット・リスク

太陽光発電の屋根貸しを、メリットだけに注目して始めるのは待ってください。次の4つのデメリット・リスクがあります。

思っていたより利益がない、契約をすぐに辞めたいと後悔しないため、詳細を把握しておきましょう。

売電による収入はない

太陽光発電の屋根貸しでは、売電による収入は0円です。発電した電気はすべて事業者のもので、自身の利益は賃料だけです。日々節電を心がけても、賃料だけで電気代をカバーするのは難しいでしょう。

売電による収入はありませんが、設置費用やメンテナンス費用はかからないので、どちらが得かは事前のシミュレーションで判断してください。

契約は長期で解約も気軽にできない

契約期間の目安は10~20年で長期にわたります。屋根貸しは、事業者が売電による収益で設置費用やメンテナンス費用、賃料を支払うビジネスモデルです。契約終了まででトータルがプラスになる設計のため、気軽に解約できません。

途中解約する場合、違約金の支払いや設備の買取を求められるケースがあります。契約終了前に住み替えをするから屋根貸しを辞めたいと思っても、違約金などでこれまでの賃料による利益がなくなることもあるでしょう。ライフプランを考え、長期で設置しても問題ないのかよく考えてください。

立地や屋根の形状・面積によっては設置できない

屋根貸しの事業者に申込みをしても、立地や屋根の形状・面積によって、設置を断られる可能性があります。事業者の判断基準は、売電による利益で投資資金を回収できるかどうかです。屋根が北向きであったり、周囲に背の高い建物が多く日当たりが悪かったりすると、設置は難しくなるでしょう。

断られる基準は事業者によって異なるため、不安に思っても自己判断はせず、まずは相談をしてください。本当は設置できるのに諦めていては、賃料を得る機会を失うことになります。

事業者の倒産で設備が放置される可能性も

契約終了前に事業者が倒産してしまうと、設備が放置され廃棄を自己負担で行わなければならない可能性があります。債権者が事業を継続して設備の管理をしてくれると良いのですが、資産価値がないと判断されるとその限りではありません。

太陽光発電による屋根貸しは、2024年1月時点でビジネスとしてはまだ歴史が浅いです。新規の事業者では、20年といった長期だと契約終了の実績がないケースもありえます。契約する事業者は厳選しないと、将来のリスクが上がります。

太陽光発電の屋根貸しとPPAの比較

太陽光発電の屋根貸しとPPAの比較

太陽光発電を設置費用やメンテナンス費用をかけずに導入する方法は、屋根貸し以外にPPA(Power Purchase Agreement)という仕組みがあります。日本語で電力購入契約といい、無償で屋根を貸して自家消費した電気代は事業者へ支払います。契約内容の違いを次の表にまとめました。

屋根貸し PPA
自家消費 基本的に不可
売電収入 事業者 事業者
設置費用 0円 0円
メンテナンス費用 0円 0円
家計へのプラス 賃料 電気代の節約分
契約終了後の設備の所有者 事業者 自身

利益にかかる家計へのプラスや設備の扱いについて、詳しく解説していきます。

家計へのプラスを比較

屋根貸しの場合は賃料が家計へのプラスとなり、相場は年間で1平米あたり100~300円です。契約段階で、契約終了までにいくらになるか計算をしやすいです。

PPAの場合は、事業者に支払う電気代と通常の電気代の差額が家計へのプラスとなります。2024年現在、燃料不足などで電気代が高騰しているため、屋根貸しより最終的にお得になる可能性はあります。

しかし、将来PPAでの電気代より通常の電気代のほうが安くならない保証はありません。プラスになる場合でも、どの程度になるかの正確な予測は困難です。

契約終了後の太陽光発電設備の扱いを比較

屋根貸しの設備の所有権は、契約終了後も事業者のままです。継続予定がなければ、太陽光発電の設備は事業者に撤去してもらってください。屋根は自由に使えるようになるため、これまでの利益を使って自身で設備を導入してもよいですし、PPAを始めるのもよいでしょう。

PPAの場合は、太陽光発電設備を無償譲渡してもらえます。契約終了後のメンテナンス費用は自己負担ですが、使用した分の電気代の支払いは不要で、余剰分は売電で収入も得られます。

太陽光パネルの寿命は長いもので30年以上です。PPAの契約が20年でも、10年以上は使い続けられる可能性があります。設置している建物を売却する際も、設備がある分だけ査定額は高くできるでしょう。

屋根貸しと太陽光発電を購入した場合の比較

屋根貸しは、太陽光発電を購入するより負担の少ない方法なのでしょうか?両者には次の違いがあります。

屋根貸し 購入
自家消費 基本的に不可
売電収入 事業者 自身
設置費用 0円 数十~百数十万円
メンテナンス費用 0円 ・点検で3万円程度(3~4年に1度)
・清掃で1回1~3万円(年2~3回)
・パワーコンディショナーの交換で約20万円(20年程度に1度)
家計へのプラス 賃料 ・電気代の節約分
・売電収入
設置後の所有者 事業者 自身

金銭的な面に着目して、定期的に見込まれる利益や維持の費用について詳しく比較していきます。

太陽光発電による利益を比較

自家消費の電気をすべて太陽光発電でカバーすると、4人世帯で月に13,948円総務省による2022年の家計調査より)節約できます。また売電価格は、2024年時点で住宅向けが1kWhあたり16円です。2009年頃と比べて3分の1程度になっていますが、節電するほど売電による利益は増えます。

売電に関しては、契約更新時に価格が見直されます。将来は現在より下がると予想され、2030年ごろは1kWhあたり10円以下になるでしょう。

屋根貸しの場合は、居住用の住宅だと年間で数千円~数万です。利益だけを比較すると10倍以上の差が出ますが、それだけで屋根貸しを選ぶのは早計です。他の比較項目も検討してから、総合的に判断してください。

太陽光発電導入時の自己負担額を比較

住宅用の太陽光発電の場合、新築の家で1kWあたりの相場は、設備費が21万円、工事費が7.1万円です。5kWの設備の導入で、トータル140.5万円となります。依頼する業者の比較や、設備の厳選で負担はもっと抑えられますが、まとまったお金は必要です。

太陽光発電向けに各種の金融機関がローンを用意しており、金利は1.2~5%程度、返済期間は長いと20年以上のものもあります。フルローンも可能なため、売電収入や電気代の節約分を返済に充てると、貯蓄がない場合でも始めやすいです。

屋根貸しに関しては、設置費用は事業者が支払うため、自己負担を考えなくてよいです。現在の経済状況にかかわらず、事業者と契約できれば収入を増やせます。

設置費用の内訳や相場の調べ方に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:【2024年最新】太陽光発電の設置費用はいくら?設備ごとの価格相場やお得な設置方法を紹介

太陽光発電導入で使える補助金を比較

自己負担で太陽光発電を導入する場合、国や各自治体が補助金や助成金の制度を用意しています。住宅用の例として次の補助金があります。

制度名 推進機関 補助額
戸建住宅ZEH化等支援事業 環境省 60~105万円/1戸
東京ゼロエミ住宅導入促進事業 東京都地球温暖化防止活動推進センター 10~13万円/1kW
住宅における省エネ・再エネ設備導入支援事業補助制度 埼玉県 10~40万円/1戸
福島県住宅用太陽光発電設備等導入支援補助金 福岡県 4万円/1kW

提供条件はそれぞれで細かく決められており、予算の都合で申込み期間内でも早期に終了するケースがあります。年度によっても詳細は変わるため、最新情報を最寄りの自治体の公式サイトなどで確認し、利用できるか判断しましょう。

屋根貸しの場合は、太陽光発電設備の所有権が事業者のため、各種の補助金は利用できません。元々自己負担がないので、気にしなくてよいでしょう。

メンテナンスや廃棄費用を比較

太陽光発電のメンテナンスや廃棄には、次の費用が発生します。

費用の種類 相場 頻度
定期点検 約3万円/回(5kWの設備) 3~4年
太陽光パネルの清掃 1~3万/回 2~3回/年
パワーコンディショナーの交換 約20万円/台 20年に1度程度
廃棄費用 5,000円/太陽光パネル1枚 故障時・廃棄時

自己負担で設置した場合は全額支払う必要があり、利益を貯蓄していないと、日常生活で困るかもしれません。屋根貸しではこれらの負担がないため、維持や契約終了でお金の不安はありません。

設置を依頼した業者によっては、定期点検を一定回数無料で対応してくれます。業者選びの段階で、廃棄までの収支に1万円単位の差が付いてきます。

太陽光発電の屋根貸しサービスの例

実際に屋根貸しの事業者は、どのようなサービスを提供しているのでしょうか?設置したい地域の最寄りで探す際の参考に、例を2社紹介します。

サンジュニア

画像出典元:サンジュニア公式HP

サンジュニアがおすすめな人
  • 工場や倉庫を所有している人
  • 将来の撤去費用の不安を解消したい人
  • 長期で運用を予定している人

サンジュニアは、長野で住宅向けや法人向けに太陽光発電に関連した事業をおこなう企業です。屋根貸しでは、工場・倉庫・市場・店舗・事務所を対象に、設備を設置してくれます。将来の撤去費用や原状回復費用までサンジュニアが負担してくれるため、賃料は自社の事業に回せます。

支払いは毎年あり、契約期間は20年です。どれだけ賃料がもらえるかは、現地調査の結果で決まります。まずは問い合せをして、事業の詳細説明から受けましょう。

運営会社 株式会社サンジュニア
本社 長野県須坂市須坂1595-1
設立 1981年9月1日
資本金 2,000万円
事業内容 太陽光・熱システム関連機器の設計・開発・製造・施工など

ソラーレ

画像出典元:ソラーレ公式HP

ソラーレがおすすめな人
  • 静岡ガスグループのガスを利用している人
  • 将来の購入も検討している人
  • これからも静岡で暮らし続ける予定の人

ソラーレは、静岡鉄道と静岡ガスが共同で運営する、太陽光発電の屋根貸しサービスです。利用するにはSHIZGASでんきへの加入と静岡ガスグループのガス供給が条件ですが、発電した電気は自家消費できます。

契約期間は10年と上記のサンジュニアより短く、契約終了後の売電を静岡ガスと契約すると、設備を無償譲渡してもらえます。契約終了前に購入もできますが、10年待ってからの無償譲渡は魅力的です。11年目以降に蓄電池を設置すると、夜間の電気代節約もできます。

運営会社 静岡鉄道株式会社・静岡ガス株式会社
本社 静岡鉄道株式会社:静岡市葵区鷹匠一丁目1番1号
静岡ガス株式会社:静岡県静岡市駿河区八幡1-5-38
設立 静岡鉄道株式会社:1919年5月
静岡ガス株式会社:1910年4月16日
資本金 静岡鉄道株式会社:18億円
静岡ガス株式会社:62億7,900万円
事業内容 静岡鉄道株式会社:鉄道、不動産事業など
静岡ガス株式会社:都市ガスの製造販売、発電および電力の販売など

太陽光発電の屋根貸しをする際の疑問

太陽光発電の屋根貸しをする際の疑問

太陽光発電の屋根貸しは、自己負担なく気軽に始められる不動産の活用法です。しかし契約期間は長く、契約終了前に辞めるのは出費をともないます。疑問は解消して、すべてに納得してから屋根貸しを始めましょう。

屋根貸しと相性のよい投資はあるか?

太陽光発電の屋根貸しは、賃貸経営と組み合わせるのがおすすめです。自宅の屋根を貸す場合と比べ設置面積を広く確保しやすく、マンションのように平らな屋根では、方角による発電量の低下を心配しなくてよいです。

管理も事業者がおこなうため、賃貸管理の委託もしていると、遠方の土地でも手間をかけずに不動産を有効活用できます。屋根の劣化軽減も考慮すると、利回りは上がり早期の投資資金の回収も望めます。

リースのほうが太陽光発電は儲かるか?

リースのほうが儲かるかどうかは、契約内容や今後の売電価格によって変わります。リースでは、リース料を支払う代わりに発電した電気は自由にでき、自家消費での電気代節約と売電で利益を狙えます。しかしリース料が高額では、マイナスになるかもしれません。それぞれ次の項目の合計で、プラスが大きい方を選ぶと良いです。

リース 屋根貸し
・リース料
・節約できる電気代
・売電の収入
・メンテナンス費用の負担の有無
・賃料
・設備撤去の負担の有無

電気代や売電価格は変動するため、比較する際は幅を持たせて計算しましょう。

まとめ

太陽光発電の屋根貸しは、建物でデッドスペースになりやすい屋根を収入源にする有用な不動産活用です。設置費用やメンテナンス費用はかかりませんが、売電による収入はなく立地によっては設置さえできません。

太陽光発電の設置方法には、PPAや購入といった選択肢もあります。どれを選んでも運用は10年や20年続きますので、長期的な視点でどれだけ利益を期待できるのかを比較するとよいです。実際に事業者へ問い合わせをして具体的な数字を把握しておくと、後悔するリスクは下げられます。

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