使わない田んぼの活用方法おすすめ8選!農地転用する流れも徹底解説

使わない田んぼの活用方法

相続した田んぼで農業をするつもりがなくて扱いに困っている人はいませんか。田んぼの活用には制限があるため、農地以外に活用したい場合は複雑な手続きが必要になります。また、田んぼを活用せずに放置するのは、デメリットが多いためおすすめできません。

そこで本記事では、農地として使う予定がない田んぼの活用方法を8つ厳選して紹介します。農地転用の基礎知識や田んぼを活用できない場合の対処法、田んぼの活用に関する疑問についても解説しているので、使わない田んぼを所有している人は参考にしてください。この記事を読めば、使う予定のなかった田んぼの適切な活用方法を見つけることができるでしょう。

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田んぼの活用には制限がある

農地法によって定められているため、田んぼを勝手に土地として整備したり建物を建てたりすることはできません。

ここでは、田んぼを農地以外で活用したい場合の、農地転用手続きについて解説します。

田んぼ以外で活用するなら農地転用

所有している田んぼを農地以外の方法で活用したい場合、農地を農地以外の土地にする農地転用と呼ばれる手続きが必要となります。都道府県知事か市町村の許可を得る手続きが必要です。手続きをしないままの状態では、建物を建てることもできません。無断で農地を転用した場合は、法律違反で3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられてしまうため注意しましょう。

農地転用の許可申請手続きには費用がかかります。自分で申請する場合は必要書類を集める費用だけで済みますが、行政書士に依頼する場合は8万円前後の費用が必要です。農地転用の手続きは難易度が高いため、行政書士に依頼する人が多くいます。

農地転用の申請は1ヶ月に1回までと定められています。書類の不備などで受理されなかった場合は1ヶ月待つことになってしまうため、自分で申請する人は十分に注意してください。

農地転用する流れ

農地転用の許可申請手続きを進めるときの流れは、次のとおりです。

  1. 農業委員会に農地転用を相談する
  2. 必要書類を用意する
  3. 農地転用許可申請書を提出する
  4. 農地転用許可証を取得する

農地転用許可手続き流れ

画像出典元:農林水産省農地転用の手続き

農地転用の許可申請をおこなってから、許可通知が下りるまで1ヶ月〜1ヶ月半程度かかります。一部の市町村では最大3ヶ月の期間が必要です。農地の種類や状況によって手続きにかかる期間が異なるため、農地転用を急ぎたい人はできるだけ早く手続きを進めましょう。

市街化調整区域なら農業委員会に申請書を提出

所有する田んぼが市街化区域内にある場合は農地転用許可の申請手続きは不要です。農業委員会に申請書を提出するだけで田んぼを農地以外の方法で活用することができます。

市街化区域とは市街化を優先的に進めていくことが定められた区域なので、田んぼが市街化区域内にあれば農地転用がとても簡単です。

田んぼのまま活用する方法2選

農地転用できなかった場合でも活用をあきらめる必要はありません。ここでは、田んぼをそのままの状態で活用する方法を2つ紹介します。

  • 農地集積バンクで田んぼの貸し出し
  • シェア田んぼの経営

田んぼを田んぼのまま活用する方法について詳しくチェックしていきましょう。

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農地集積バンクで田んぼの貸し出し

農地以外の方法で活用できない場合や代々受け継いてきた田んぼを残したい場合は、田んぼを他の農家に貸し出して賃料を得るのがおすすめです。農地の貸し手と借り手をマッチングさせるサービスを提供する農地集積バンク(農地中間管理機構)を利用すると、貸出先を見つけることができるでしょう。

農地バンク事業(農地中間管理事業)

画像出典元:農林水産省農地中間管理機構リーフレット

農地集積バンクを利用した田んぼの貸し出しのメリット、デメリットは次のとおりです。

メリット デメリット
・公的機関の安心感がある
・10年間安定した賃料収入を得ることができる
・借主を探す手間がかからない
・借り手が見つかる保証はない
・契約期間中の解約は難しい

・再契約時に借り手が現れるとは限らない

農地集積バンクは農林水産省が管轄している公的機関ため、貸し手と借り手の双方が安心して利用することができます。また、農地集積バンクを利用した農地の貸し出し期間は原則10年と決まっているため、10年間は安定した収益を得ることが可能です。ただし、借り手が見つかる保証はありません。貸し出し中に農地を返してもらうことができないことを理解した上で利用してください。

シェア田んぼの経営

田んぼが都市近郊にある場合や1人では管理しきれない場合は、複数の非農家に農地を貸し出して賃料収入を得るシェア田んぼがおすすめです。借り手は月額数千円から田んぼのオーナーになることができます。オーナーのサポートや田んぼの管理は業者に委託することもできるため、農業をやったことがない人でもシェア田んぼを気軽に始めることができるでしょう。

シェア田んぼのメリット・デメリットは、次のとおりです。

メリット デメリット
・初期投資が少ない
・農地を農地として維持できる
・農業体験の機会を提供できる
・自分で管理する場合は手間がかかる
・オーナーを見つける必要がある
・業者に委託する場合は委託料がかかる

シェア田んぼでは都会で暮らす人に農業に携わる機会を提供することができます。田んぼを貸し出すことで農地を有効に活用できるため、借り手と貸し手の双方にメリットがあるのが魅力です。サポートを業者に委託しない場合はオーナー探しや管理の手間がかかりますが、業務委託手数料の負担がありません。自分に合った運営方法を選択しましょう。

田んぼを転用して活用する方法6選

転用の許可がおりた場合は、田んぼを農地以外に活用することが可能です。ここでは、田んぼを農地以外の手段で活用する方法を6つ紹介します。

  • 住宅用地として貸し出し
  • アパート・マンションで賃貸経営
  • 月極の駐車場経営
  • 太陽光発電
  • 資材置き場として貸し出し
  • 医療・介護福祉関連の施設を経営

田んぼを他の用途で活用する方法を詳しくチェックしていきましょう。

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住宅用地として貸し出し

田んぼのあるエリアに家を建てたいと考えている人がいる場合は、田んぼを整備して住宅用地として貸し出すのがおすすめです。

田んぼを住宅用地として貸し出す場合のメリット・デメリットは、次のとおりです。

メリット デメリット
・管理の手間がかからない
・固定資産税が安くなる
・ライフラインの整備が必要
・活用開始まで時間がかかる
・整地費用がかかる

住宅用地として貸し出す相手が見つかれば、管理の手間をかけずに賃料を得ることができます。また、住宅用地の特例により固定資産税を安くすることが可能です。

ただし、田んぼを住宅用地として貸し出すまでには、水道や電気などのライフラインを整える必要があるため時間がかかります。田んぼを宅地として造成する工事には1ヶ月かかることもあるため、田んぼを早く活用したい人には向いていません。

アパート・マンションで賃貸経営

田んぼの周辺に学校や商業施設、病院がある場合は賃貸需要が見込めるため、毎月居住者から賃料を得ることができるパートやマンション経営を始めるのがおすすめです。田んぼの面積が広い場合は駐車場のスペースも確保することができるでしょう。

アパートやマンションを建てて賃貸経営を始めるメリットは、次のとおりです。

メリット デメリット
・家賃収入を得ることができる
・税金が安くなる
・初期費用が高い
・活用開始まで時間がかかる
・空室リスクがある

アパートやマンションを建てるために建築費用がかかりますが、満室の状態が長く続けば多くの賃料収入を得ることができます。管理を賃貸管理会社に委託すれば手数料は発生しますが、働かずに収入を得ることができるでしょう。住宅用地となるため、固定資産税や都市計画税の節税も可能です。空室リスクがあるため、事前の立地調査を入念におこないましょう。

月極の駐車場経営

周辺に大型商業施設や娯楽施設などの人が集まるスポットがある場合は、毎月一定の賃料を得ることができる月極駐車場の経営がおすすめです。田んぼの面積が狭い場合や不整形地の場合でも、駐車するスペースがあれば駐車場として活用できます。

月極駐車場経営のメリット・デメリットは、次のとおりです。

メリット デメリット
・安定した収入を得ることができる
・低い予算で始めることができる
・他の活用方法に転用しやすい
・収益性が高くない
・減税措置を受けることができない

月極駐車場は契約する車の台数によって収入が決まるため、収入に波があるコインパーキングと違って長期間安定した収入を得ることができます。

賃貸経営と比較すると収益性は高くありませんが、建物の建築が不要のため初期費用を安く抑えることも可能です。また、他の活用方法を思いついた場合の転用も容易におこなえます。

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太陽光発電

田んぼの周囲に遮蔽物がなく日当たりの良い場所にある場合は、太陽光パネルを設置して発電した電力を売却する太陽光発電がおすすめです。田んぼの面積が広ければ広いほど太陽光パネルを多く設置することができます。太陽光発電は次世代エネルギーとして農林水産省が導入を促進しているため、市町村によっては農地転用の手続きが簡略化されている場合もあるので確認してみましょう。

田んぼなどの農地で太陽光発電をおこなうメリット・デメリットは、次のとおりです。

メリット デメリット
・FIT(固定価格買取制度)が利用できる
・集客リスクがない
・収入が天気によって左右される
・定期的な点検・メンテナンスが必要
・初期費用がかかる

太陽光発電パネルを導入すると、10年間は固定価格での買取が可能となります。買取期間満了後も小売電気事業者に売電することが可能です。設置するだけで売電収入を得ることができるため、賃貸経営のような集客リスクもありません。天気が悪い日が多いと収入は下がってしまいます。数年おきに点検やメンテナンスが必要で、災害のリスクに備えて保険に加入する人も多いです。

資材置き場として貸し出し

田んぼの周囲に建築会社や土木会社がある場合は、工事で使用する資材置き場として土地を貸し出すことがおすすめです。田んぼの面積が広ければ広いほどたくさんの資材を置くことができます。

資材置き場として貸し出すメリット・デメリットは、次のとおりです。

メリット デメリット
・初期費用を抑えられる
・すぐに活用できる
・他の活用方法に転用しやすい
・管理の手間がかかる
・契約期間中は土地を自由に使うことができない

必要な準備は田んぼの造成工事だけなので、すぐに資材置き場として使うことができます。建物を建てたり、ライフラインを整える必要がないので初期費用を抑えることが可能です。別の活用方法を見つけたときも簡単に転用することができます。定期的に雑草やゴミなどの撤去が必要となりますが、業者に委託すれば管理の手間をかけずに賃料を得ることが可能です。

医療・介護福祉関連の施設を経営

田舎の山奥に田んぼがある場合は、医療や介護福祉関連の施設経営がおすすめです。周囲に何もない静かな土地は医療や介護が必要な高齢者に好まれます。特に田舎は高齢化が顕著なため、医療や介護福祉施設のニーズは高まっているといえるでしょう。

医療・介護福祉関連の施設を経営する場合のメリット・デメリットは、次のとおりです。

メリット デメリット
・収益性が高い
・税金の優遇措置を受けられる
・補助金が利用できる場合がある
・個人経営の場合は初期費用が高い
・転用性が低い
・委託する場合は事業者探しに時間がかかる

個人経営の場合は建設費用の負担が大きいため、事業者に土地を貸したり施設の管理を依頼したりすることも検討してください。事業を委託する業者探しには手間がかかりますが、信頼できる業者を見つけることが大切です。

また、施設を建設するときに国や自治体から補助金を受け取れることもあります。他にも、相続税や固定資産税の軽減措置を受けられるため、税金を抑えることができるでしょう。

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田んぼを活用できないなら売却を検討

活用しないまま田んぼを所有していることにはリスクがあります。ここでは、田んぼを放置するデメリットや田んぼの売却について解説します。

田んぼの放置はデメリットばかり

使わないまま田んぼを放置すると、次のようなデメリットが発生します。

  • 害虫の発生
  • 不法投棄
  • 固定資産税の負担
  • 管理費用の負担

害虫や不法投棄が発生すると周辺住民に迷惑がかかります。所有者は固定資産税や管理費用を負担し続けることになるので、活用方法を見いだせない場合は、田んぼを売却することも視野に入れましょう。

田んぼのままの売却する

不要な田んぼを売却すれば、デメリットを回避することができます。田んぼを農地のまま売却するのが最も手間がかからない方法です。田んぼは要件を満たしている農家にしか売ることができません。農地の売却は難しいので、最寄りの農業委員会に相談したり、知り合いの農家に打診したりして買主を見つけましょう。

転用後なら不動産会社に仲介依頼

農地を転用してから売却する場合は、転用した農地の売却に強い不動産会社に仲介を依頼すると早く売却できる可能性があります。売却の流れは、次のとおりです。

  1. 不動産会社に相談する
  2. 媒介契約を締結する
  3. 買主と売買契約を結ぶ
  4. 農業委員会に許可申請をおこなう
  5. 所有者移転登記をおこなう

田んぼを転用すると、農家以外の人にも売却できるようになります。田んぼのニーズを見極めてから、農地のまま売却するか転用後に売却するかを決めましょう。

関連記事:農地を売却する方法は?売却が難しい理由と流れ・税金と売買条件

不動産会社は一括査定サイトで厳選

田んぼをできるだけ高く売却したい場合は、一括査定サイトで複数の不動産会社の査定額を比較してください。一括査定サイトを利用すれば、自分の所有する田んぼの最新相場が把握できます。複数の不動産会社を訪問するのは大変なので、一括査定サイトで簡単に相場をチェックしましょう。

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関連記事:不動産一括査定サイトおすすめランキング16選を比較【2024年最新】売却の体験談を掲載!人気サイトの評判や選び方も

田んぼを活用する際の疑問

最後に田んぼを活用する際のよくある質問に答えていきます。

  • 田んぼから畑にできる?
  • 農地転用できないケースはある?
  • 田んぼの活用は相続前がよい?
  • 田んぼと宅地で税金はどちらが安い?

田んぼを活用する前に気になる疑問を解消しておきましょう。

田んぼから畑にできる?

田んぼを埋め立てて畑にすることは可能です。この場合は農地転用ではなく転換の届出が必要となります。毎月10日まで農業委員会に届出をおこなえば、受付した月の28日頃を目安に確認書が交付される予定です。畑に転換した場合は、誰でも気軽に農業を体験できる市民農園として活用することもできます。

農地転用できないケースはある?

農地転用を申請しても許可されないケースがあります。農地転用できないとされている農地は次のとおりです。

  • 農用地区域内農地
  • 第1種農地
  • 甲種農地

甲種農地とは農業機械による効率的な農業が可能な農地のことです。どうしても農地転用を希望する場合は、公共性の高い施設の建設であれば認められるケースもあるため、農業委員会や行政書士に相談してみましょう。

田んぼの活用は相続前がよい?

田んぼは相続人に相続する前に活用しておくのがベストです。相続人と同居していればそこまで手間はかかりませんが、相続人が遠方に住んでいる場合は、田んぼの活用方法が決まるまで放置されることになります。相続した後に考えるのではなく、相続する前に家族で田んぼの活用方法を話し合っておきましょう。

田んぼと宅地で税金はどちらが安い?

農地の固定資産税は農地区分よって決められるため、宅地として利用するよりも田んぼとして利用した方が固定資産税が優遇される場合があります。立地を考えずに農地転用で土地活用を始めてしまうと、固定資産税の出費が増えて損をするケースもあるので注意してください。

まとめ

相続した田んぼを放置してしまうと、さまざまなリスクや費用の負担が生じます。田んぼで農業を継続しない場合は、田んぼを農地として活用するべきか、田んぼを農地以外の用途で活用するべきか、すみやかに判断することが大切です。

田んぼの立地状況によって向いている活用方法が異なるので、事前調査をしっかりと実施して田んぼの有効活用を目指しましょう。

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