山林に適した土地活用の方法12選!成功のポイントや注意点も解説

土地活用 山林

親から相続した山林の使い道がなくて困っている人はいませんか。山林を所有し続けるためには、固定資産材や管理・維持費用がかかるので、活用せずに放置しておくのはもったいないです。

そこでこの記事では、山林におすすめの土地活用を12パターン厳選して紹介します。山林を上手に活用するためのポイントや活用できないときの対処法についても解説しているので、山林の活用を検討している人は参考にしてください。

山林におすすめの土地活用12選

さっそく山林におすすめの土地活用を12パターン厳選して紹介します。

  • 林業の事業者に貸し出す
  • 農園として貸し出す
  • 企業に貸し出す
  • 太陽光発電
  • 林業を経営する
  • 農園を経営する
  • キャンプ場を経営する
  • レクレーション場を経営する
  • レストランを経営する
  • トランクルームを経営する
  • 産業廃棄物施設を経営する
  • 資材置き場を経営する

活用方法ごとの特徴やメリット、デメリットをチェックしていきましょう。

①林業の事業者に貸し出す

山林を林業事業者に貸し出して、賃料で利益を得る活用方法です。スギやヒノキが生えていたり、山菜が収穫できる山林であれば事業者からの需要が期待できます。

メリット ・山林を整備する必要がない
デメリット ・契約する山林事業者を探す手間がかかる
・重機が入らない場合は貸せない
・木材を伐採したあとは契約が終了する

山林を事業者に貸し出す場合は手入れが不要です。しかし、重機が入れない地形の場合は、木を切り倒せないため貸し手を見つけるのが難しくなります。

また、木材を伐採したあとは契約終了となるので、木材が生えてくるまで次の事業者に貸し出すことができないのもデメリットです。紹介してくれる場合もあるので、自治体や森林組合に山林を探している事業者がいないか問い合わせてみましょう。

②農園として貸し出す

農地を第三者に貸し出すことで賃料を得る活用方法です。貸し農園は、定年退職後の高齢者やファミリー世帯の需要が期待できます。

メリット ・栽培や管理が必要ない
・転用しやすい
デメリット ・貸し手を見つける必要がある
・収益性がそこまで高くない
・届出が必要

農園が広い場合は、区分けして複数の人に貸し出すことも可能です。山林を農園として貸し出すだけなので、設備や道具は利用者が準備してくれます。将来的に他の活用方法への転用もしやすいです。

収益性はそこまで高くありませんが、固定資産税の負担は賄うことができるでしょう。貸し農園を開業するためには、農業委員会からの承認が必要であることを把握しておきましょう。

企業に貸し出す

山林の土地を企業に貸し出すことで賃料を得る活用方法です。研修施設や、寮を建設できる土地を探している企業の需要が期待できます。

メリット ・長期間安定した賃料が得られる
デメリット ・企業探しの手間がかかる
・整備が必要

山林を土地として整備する手間や費用がかかりますが、施設を建設する企業が見つかれば、長期間安定した収益を得ることが可能です。

土地を借りたい企業を探すのは大変ですが、森林を有効に利用したいというNPO法人や市民団体が存在する場合もあるので、地元や近郊の団体に問い合わせをしてみましょう。

太陽光発電

木々を伐採したあと土地に太陽光発電システム設置し売電して利益を得る活用方法です。森林の土地が南向きの斜面であれば日照時間が長くなるので、太陽光発電に向いてます。

メリット ・山林活用の中では収益性が高い
・売電収入が得られる
デメリット ・定期的な整備が必要
・設置費用がかかる

天候に変化がない場合は、売電により一定の収入を得ることが可能です。森林に太陽光発電システムを設置するためには、樹木を伐採する必要があります。

伐採により地盤が脆くなると土砂崩れなどの危険性が高まるため、地盤補強の造成も必要です。屋根や更地に設置する場合と比較すると、森林への設置費用は割高になるでしょう。

関連記事:【2024年最新】太陽光発電の設置費用はいくら?設備ごとの価格相場やお得な設置方法を紹介

林業を経営する

山林で質の良い木材を生産し、木材や木材加工品を売って利益を得る林業を始める活用方法です。スギやヒノキが豊富な森林であれば林業経営に向いています。

メリット ・地域の資源として活用できる
デメリット ・定期的なメンテナンスが必要
・専門知識が必要

林業を起業するためには、手入れや経営管理などの専門的な知識が必要です。間伐、枝打、下草刈りなどメンテナンスも必要となります。多額のコストがかかるため、専門家に意見を聞きながら進めていくことが大切です。

農園を経営する

畑で果物や野菜などの作物を栽培し、自然農園で育ったものを販売して収益を得る方法です。日当たりがよく、周辺の道路が整備されている森林に適しています。

メリット ・季節に応じたさまざまな作物を栽培できる
・自然と触れ合うことができる
デメリット ・畑として活用するための整備が必要
・自然災害のリスクがある

斜面であれば段々畑、平地であれば休憩所やトイレ、駐車場を作ることが可能です。農作業体験や収穫体験などのイベントを開催することもできます。山林での活動になるため自然災害のリスクを考慮した整備が必要になるでしょう。

キャンプ場を経営する

自然に恵まれた森林をキャンプ場として利用者に貸し出すことで収益を得る活用方法です。豊かな自然に囲まれた土地であれば、キャンプ場に適しています。

メリット ・整地なしで始めることができ
デメリット ・初期費用が高額
・オフシーズンは収益がゼロになる

キャンプ場の種類によっては、整地なしで経営をスタートさせることもできます。ただし、キャンプ場経営には資格や許可の取得が必要です。

キャンプ場は積雪や悪天候によって利用客が激減しやすいため、オフシーズンの収益がゼロになることも把握しておきましょう。

レクレーション場を経営する

山林をアスレチック施設やサバイバルゲーム場として活用し、利用料金で収益を得る方法です。駐車場や休憩施設が作れる広さがある森林に向いています。

メリット ・初期費用を抑えられる
・自然を活用することができる
デメリット ・集客が必要
・損害補償保険への加入が必要

アスレチック施設の遊具は生えている木を使って作ることができるため、材料費などの初期費用を大幅に抑えることが可能です。

ただし、利用者を集めるための集客が必要になります。インターネットなどを利用した集客に成功できれば、収益アップが期待できるでしょう。事故が起きるリスクがあるので、損害補償保険への加入は必須です。

レストランを経営する

地元の農家と契約して、地産地消がコンセプトの里山レストランを経営する方法です。SNS映えしそうな自然に囲まれていて、周辺に農家が多い場合に適しています。

メリット ・材料費が安く済む
デメリット ・宣伝費用が必要
・レストランの建築費用が必要

近隣農家から形が悪くて市場に出せない食材を安く仕入れることができれば、ランニングコストを節約できます。

レストラン経営が軌道に乗れば、土産物を販売したり、宿泊施設を建築したりすることもできます。知名度を高めるために、広告宣伝費用が必要であることを理解しておきましょう。

トランクルームを経営する

森林に設置したトランクルームの利用料で収益を得る方法です。市街地から遠いエリアの森林でも、利用頻度の低いものを置くスペースとして需要が期待できます。

メリット ・安定した収入を得ることができる
・複雑な地形にも対応できる
デメリット ・設備の設置や土地の整備が必要
・空室リスクがある

トランクルームの利用客が見つかれば、毎月安定した収益を得ることができます。コンテナを自由に組み合わせることができるため、土地の形状が複雑でも設置することが可能です。

ただし、木材を伐採する必要があるため、整備にある程度の費用がかかります。マンションやアパート経営と同様に空室リスクがあることを把握しておきましょう。

関連記事:貸倉庫経営の土地活用は儲かる?メリット・デメリットと稼ぐコツ

産業廃棄物施設を経営する

産業廃棄物施設を稼働して、利用する事業者から利益を得る方法です。近くに住宅街のない山林は、産業廃棄物施設を建てるのに適しています。

メリット ・収益性が高い
デメリット ・施設の建設費用がかかる
・産業廃棄物の設置許可がいる

産業廃棄物施設は需要があるのに不足しているため、高い収益性が期待できます。要件が厳しいためライバルも少ないです。

施設を建てるために木々を伐採し、土地を整備する必要があります。産業廃棄物施設を運営するためには産業廃棄物の設置許可が必要なので、時間と手間がかかることを把握しておきましょう。

資材置き場を経営する

整備した森林の土地を業者に資材置き場として提供することで賃料を得る活用方法です。近くで森林開発をおこなっている業者がいる場合に向いています。

メリット ・初期費用が安い
・転用しやすい
デメリット ・森林の整備が必要
・業者探しの手間がかかる

土地をそのまま貸し出すだけなので、定期的な整備や管理は必要ないです。契約が終わったら土地がそのまま返ってくるため、転用もしやすくなっています。

なかなか借主が見つからない場合は、資材置き場を必要としていないか建築会社や土木会社に問い合わせてみましょう。

山林を上手に活用するためのポイント

山林活用を成功させるためには、次のポイントをおさえておくことが重要です。

  • 規制やルールを把握しておく
  • 境界を明確にしておく
  • 造成費用の相場を把握しておく

山林活用のポイントを詳しくチェックしていきましょう。

規制やルールを把握しておく

山林の活用にはさまざまな規制が定められています。山林に関する主な法律を見ていきましょう。

  • 森林法
  • 建築基準法
  • 都市計画法
  • 都市緑地法
  • 宅地造成等規制法
  • 地滑り等防止法
  • 生産緑地法
  • 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律
  • 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律

山林活用には許可や申請が必要ケースもあります。山林を活用したい場合は、これらの法律について勉強しておくことが重要です。

境界を明確にしておく

山林の境界をはっきりさせておかないと、隣接する山林の所有者からクレームがくる可能性があります。通常山林の境界は尾根や谷に沿って定められていることが多いですが、公図を確認してもわかりにくいケースが多いです。活用する前に必ず境界線を明確にしておきましょう。

山林の境界を確定するためには測量が必要になります。土地家屋調査士への依頼と所有者同士の立ち会いが必要です。山林を境界確定することで土地の価値が守れるので、忘れずに境界確定をしておきましょう。

造成費用の相場を把握しておく

山林を利用しやすくするためには造成工事が必要です。工事の種類ごとの造成費用の相場を見ていきましょう。

工事の種類 相場
整地 600円~700円/㎡
伐採・防草 1,000円~1,100円/㎡
地盤改良 1,500円~2,500円/㎡
土盛 6,600円〜7,000円/㎡
土止 69,300円〜72,900円/㎡

造成費用の相場は住んでいる地域によっても変動します。予算が足りなくなって困らないように、山林活用にかかる造成費用の目安を把握しておくことが大切です。

山林を活用できない場合の対処法

山林を活用できない場合は、次のような対策を検討しましょう。

  • 仲介業者に売却を依頼する
  • 業者に直接買取を依頼する

売却と買取のメリット・デメリットをチェックしていきましょう。

仲介業者に売却を依頼する

山林の売却を専門に取り扱っている仲介業者に依頼して、森林の買主を探してもらう方法です。一般的な不動産会社では受け付けていないケースが多いため、相談する前に山林の売却の実績があるかを確認しておきましょう。

メリット ・相場に近い価格で売れる
デメリット ・仲介手数料が発生する
・売却まで時間がかかる

山林の価値は低いですが、仲介による売却で森林が必要な買主が見つかれば、相場よりも高く売却できる可能性があります。ただし、山林の売買取引は宅地建物取引業法の対象とならないため、仲介手数料の上限もありません。高額な仲介手数料が請求される場合もあるので、事前に確認しておくことをおすすめします。

関連記事:【2024年】不動産仲介の売買実績ランキングTOP12!信頼できる大手不動産会社の特徴を徹底比較

業者に直接買取を依頼する

山林買取業者に直接買い取ってもらう方法です。業者に直接買い取ってもらえば、買主を探す手間が省けます。山林買取は、インターネットから申し込みを受け付けている業者もあるので便利です。

メリット ・仲介手数料がかからない
・短期間で売却できる
デメリット ・価格が安くなる

使い道のない山林の買取を依頼する場合は高値での取引が期待できません。買取費用は低くても山林をできるだけ早く処分したい人に向いています。

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山林の土地活用に関する注意点

山林の土地活用には、次のような注意点があります。

  • トラブルの責任は所有者にある
  • 固定資産税は毎年負担する必要がある

山林の土地活用で困らないように、注意事項を把握しておきましょう。

トラブルの責任は所有者にある

山林には山火事や土砂崩れ、不法投棄などのリスクがあります。これらのトラブルが発生し周辺地域に被害を及ぼした場合は、森林の所有者がすべて責任を負う必要があるので注意が必要です。

樹木の伐採や地盤補強などトラブルを防ぐための適切な対策が必要となります。問題が起きてから対策するのは遅いです。損害賠償保険への加入も検討しておきましょう。

固定資産税は毎年負担する必要がある

土地や住宅と同じように山林の所有者にも固定資産税が課せられます。宅地と比較すると山林の固定資産税は安いですが、何年も払い続ける場合はそれなりの金額になってしまうため注意してください。

課税評価額が30万円に満たない山林の場合は非課税となります。所有する山林の固定資産税を把握しておきましょう。

山林の土地活用に関するQ&A

最後に山の土地活用に関するよくある質問に答えていきます。

  • 山林が売れない場合は?
  • 土地活用の方法が思いつかない場合は?

疑問点を解消してから森林の土地活用にチャレンジしましょう。

山林が売れない場合は?

山林の使い道がなく買い手も見つからない場合は、自治体や個人、法人に寄付することもできます。自治体によって寄付できる場合とできない場合があるので、まずは市町村の窓口に問い合わせてみましょう。寄付する相手によっては税金が課せられるので注意しましょう。

土地活用の方法が思いつかない場合は?

森林の活用方法がわからない場合は、土地活用のプランを一括で請求できるサイトを利用しましょう。土地活用業者が提供している複数のプランを比較すれば、自分の森林に適した活用法を見つけることができます。

まとめ

今回は、森林におすすめの土地活用13選を紹介しました。森林は上手に活用すれば収益化することができます。所有しているだけで維持管理費用がかかるので、活用せずに放置するのはおすすめできません。

森林活用を成功させるためには、ポイントや注意点を把握しておくことが大切です。活用できない場合は売却や買取も検討してください。自分の森林に合った活用方法を見つけましょう。

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