太陽光発電でかかる初期費用はいくら?内訳の詳細と節約のコツ

太陽光発電 初期費用

太陽光発電を導入したいけど、「初期費用はどのくらいかかる?」「元を取るのに何年くらいかかる?」と費用が気になり導入を迷っている人も多いでしょう。太陽光発電の初期費用は、容量やメーカー、施工業者によって変わっていきます。

そこで本記事では、太陽光発電にかかる初期費用や相場、費用の内訳について解説していきます。価格帯ごとのパネルメーカーも紹介していくので、自分の予算に合わせた製品選びの参考にしてください。

太陽光発電の初期費用を抑えるには相見積もりが重要

太陽光発電の初期費用を抑えるには、複数の業者に見積もり依頼をおこない、比較して業者を決定することが大切です。初めから1社に決めてしまうと、相場よりも高額になってしまうことがあります。また、「とりあえず初期費用を知りたい」「相場を確認したい」という人にも相見積もりがおすすめです。

以下で紹介するサービスを利用すると、簡単に複数社に見積もり依頼を出せるため、太陽光発電の導入で悩んでいる人は利用してみてください。

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関連記事:太陽光発電一括見積もりサイトおすすめ6選を比較|注意点や選び方を紹介

【家庭用】太陽光発電の初期費用相場

【家庭用】太陽光発電の初期費用相場

家庭用の太陽光発電は、ソーラーパネルの枚数および容量や製品によって費用は異なります。2022年に設置された太陽光発電の平均初期費用は、26.7万円/kWでした。家庭用の平均的な容量は3kWから5kWなので、80.1万円から133.5万円が相場価格となります。

高額といわれている太陽光発電設備ですが、2012年は46.5万円/kWだったのが2022年には26.7万円/kWまでに下がってきています。そのため以前と比べると初期費用のハードも低くなり導入しやすくなったといえるでしょう。

“参考:資源エネルギー庁「太陽光発電について

太陽光発電の初期費用内訳10項目

太陽光発電の初期費用内訳10項目

次に太陽光発電の初期費用の内訳について解説します。

内訳の項目それぞれの費用相場やコストカットのコツを知っておくと、初期費用の節約につながるでしょう。初めから見積もりに含まれているものでも、システム自体には不要なものや、安いものに変更できるものもあります。

太陽電池モジュールや架台など細かく分けて解説していくので、ぜひ参考にしてください。

①太陽電池モジュール

太陽電池モジュール

太陽電池モジュールとは、太陽光パネルともいわれているものです。太陽電池モジュールの相場金額は1枚あたりで換算するものではなくkWで計算します。2022年12月の資源エネルギー庁の資料では、2022年の太陽電池モジュールの相場価格は11.9万円/kWでした。2013年に20.9万円/kWであったのと比較すると、約半分の価格にまで落ちています。

メーカーや製品によって価格が異なるため、初期費用を抑えたい場合は性能も見つつ価格の安い製品を選ぶとよいでしょう。

関連記事:【2024年】太陽光発電パネルおすすめ企業ランキング13選!選び方のコツも解説

“参考:資源エネルギー庁「太陽光発電について

➁架台

架台

太陽電池モジュールを置くための台を架台といいます。2022年の架台の相場価格は3.3万円/kWです。架台も太陽電池モジュール同様2013年と比べると価格は安くなっていますが、価格は毎年上下しています。

架台の素材はステンレス・スチール・アルミニウムの3種類あり、「スチール<アルミニウム<ステンレス」の順に価格は高くなります。素材により強度やサビにくさなどが異なりますが、費用を抑えたい場合は安価なスチールを選ぶとよいでしょう。

③パワーコンディショナー

パワーコンディショナー

パワーコンディショナーとは、太陽電池モジュールで集めた光を家庭内で使えるように、交流へと変換するための設備です。パワーコンディショナーの2022年の相場価格は3.0万円/kWでした。

容量が大きくなることで価格は高くなるため、容量の小さいものを選べば初期費用は押さえられます。

④接続ケーブル

太陽電池モジュールやパワーコンディショナーなど、機器をつなぐためのケーブルが必要です。

相場は1kWあたり4,000円~8,000円程度となっています。接続ケーブルは耐熱温度で屋外用と屋内用が分かれています。

⑤発電モニター・HEMS

発電モニター・HEMS

発電モニターとは、発電状況や使用量について確認するための機器です。HEMSとは発電モニターの上級版といわれており、発電したエネルギーを効率よく使えるようエネルギーをコントロールし、住宅全部のエネルギーを見える化できる機器となっています。

HEMSは基本的にはオプションなので、費用を節約したい場合や不要であれば見積りから外すことができます。パソコンやスマートフォンでモニターの代用をしたり、安い製品に変更したりすることも可能な場合もあるため、施工業者に相談してみましょう。

発電モニターの相場価格は5,500円HEMSは15万円から20万円が相場です。どちらも利用しないことで15万円ほど節約ができます。

⑥蓄電池

蓄電池とは、太陽電池モジュールで集めた電気を貯めておくための設備です。蓄電池がないと、電気を貯めることができません。

2021年定置用蓄電システム普及拡大検討会が発表している、2019年の蓄電池相場価格は18.7万円/kWです。5kWから7kWの一般的な容量では価格が93.7万円から130.9万円となります。補助金を利用したり、単機能型の蓄電池を選ぶことで、初期費用の節約が可能です。

関連記事:蓄電池のおすすめメーカーとその商品10選を解説|選び方のコツや注意点も紹介

“参考:定置用蓄電システム普及拡大検討会「システムの目標価格および導入見通しの検討」”

⑦接続箱

接続箱

接続箱とは、太陽電池モジュールで集めた電気を取りまとめて、パワーコンディショナーに送る設備です。それぞれの機器の配線を1つにまとめて、点検および保守時に使用するスイッチなども内蔵されています。

接続箱は1台3万円前後が相場です。パワーコンディショナーと一体になったものもあり、変換効率の高いものを選ぶことで変換ロスが少なくなります。

⑧システム取付工事費・電気工事費

人件費や機器の運送費などが含まれているのがシステム取付工事費・電気工事費です。2022年のシステム取付工事費・電気工事費は7.4万円/kWが相場価格でした。

依頼する施工業者や設置条件で費用は上下しますが、複数社から見積りをもらい比較検討することで、初期費用を抑えられます。

“参考:資源エネルギー庁「太陽光発電について

⑨自然災害補償

台風や集中豪雨などの自然災害に遭った場合、太陽光発電設備が故障または損壊することも考えられます。太陽光発電のメーカーや販売店、施工業者で補償が付いている場合もありますが、自然災害補償には加入していないこともあるため必ず確認しましょう。

目安としては初期費用の2.5%から3%が相場費用です。保険やプランによって対応できる災害は変わります。お住まいの地域で多い自然災害に合わせて保険に入り、不要な保険の加入は避けることで保険費用は下げられるでしょう。

⑩申請代行料や諸経費

紹介した内訳項目の他に、電力会社の配電線に接続するための接続費、設置する土地の条件によっては発生する土地造成費、設計費など含まれている諸経費などがあります。また、太陽光発電導入する場合の経済産業省への届け出や補助金申請のための手続きを代行業者に依頼する場合は申請代行料がかかります。

2.8万円/kWが申請代行料や諸経費の相場ですが、申請手続きなどできることは自分でやることで費用を抑えられます。

パネルメーカーごとの価格帯

パネルメーカーごとの価格帯

太陽光発電における初期費用の50%~60%を占めているのが太陽光パネルです。初期費用を抑えたければ、パネル選びが重要になります。

ここでは国内外のメーカーを、おおよその価格帯に分けて紹介していきます。ただし、同じメーカーの製品であっても、性能やシリーズによってパネルの価格は高額なものから安価なものまでさまざまです。あくまでも目安として参考にしてください。

高価格帯のメーカー

国内の主要メーカーであるシャープ・パナソニック・京セラ・東芝などは高価格帯のメーカーといえるでしょう。1枚10万以下の商品もありますが、1枚あたりの価格が20万円から30万円のパネルを主力商品としています。

中間価格帯のメーカー

カナダの太陽光発電モジュールメーカーであるカナディアンソーラーや、ドイツで設立されたのちに韓国のメーカーに買収されたハンファQセルズ、日本メーカーの長州産業が中間価格帯の太陽光パネルメーカーです。1枚あたり10万円から20万円以下が主力商品です。

低価格帯のメーカー

中国メーカーのトリナソーラー・インリーソーラー・アップソーラーなどは、太陽光パネルメーカーのなかでは低価格帯に位置づけられるでしょう。国内生産のパネルがよいと思う人はソーラーフロンティアという選択肢もあります。

太陽光発電の初期費用を節約するコツ

太陽光発電の初期費用を節約するコツ

以前より太陽光発電導入の初期費用は下がっているものの、まだまだ100万円を超える高額な設備です。

節約するための3つのコツを紹介しますので実践してみましょう。

  • 補助金制度を利用する
  • 複数の販売会社・施工会社から見積りをもらう
  • ソーラーローンを利用する

補助金制度の利用

地方自治体では太陽光発電に関する補助金制度があります。初期費用を抑えることができるためぜひ活用してください。補助金金額や公募期間・要件は自治体によって異なります。お住まいの自治体のホームページや窓口で確認してみましょう。

国の事業では、蓄電池とセットで太陽光発電を導入する際に利用できる補助金制度が用意されています。国と地方自治体の補助金制度は併用ができるものもあるため、それぞれ調べておきましょう。

関連記事:【2024年最新】蓄電池の補助金情報まとめ|補助金の種類と条件を解説

複数の施工業者・販売会社から見積りをもらう

1社からの見積りをもらっても算出された価格が妥当であるかがわかりません。価格が相場よりも高い可能性があります。

複数の施工業者・販売会社から見積りをもらう

そのため複数の施工業者・販売会社から見積りをもらうことをおすすめします。太陽光発電の初期費用を知るためには、複数の見積りを比較することが大切です。以下で紹介するサービスを利用すると、手間や費用をかけずに複数業者に見積り依頼を出せるため、太陽光発電の導入で悩んでいる人は利用してみてください。

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関連記事:太陽光発電一括見積もりサイトおすすめ6選を比較|注意点や選び方を紹介

ソーラーローンを利用する

日本政策金融公庫や銀行などの金融機関では、自己資金がなくても融資が受けられるソーラーローンがあります。

太陽光発電設備を導入する際に利用できるローンで、他のローンよりも低金利であることが多く不動産などの担保も必要ありません。太陽光発電設備を担保として借りるため、保証人や保証料が不要なことが多いです。変動金利の場合が多いですが、金利の上下によって返済額が変わるため固定金利を選ぶことをおすすめします。

融資期間は10年としているところが多く、その間に売電して得られる収入を返済に回すことで毎月の返済金を減らすことができます。

太陽光発電導入で注意したいポイント

太陽光発電導入で注意したいポイント

太陽光発電を導入しても、必ずしも思ったような成果が得られないこともあるでしょう。

後悔しないために、導入前に知っておきたい注意点を4つ紹介します。

  • 土地によって発電量が変わる
  • 売電で元が取れるとは限らない
  • 保証内容はしっかりと確認する
  • 定期的にメンテナンスが必要

土地の条件によって発電量が変わる

太陽光がよく当たるような場所とそうでない場所では、発電量は変わります。周りに高い建物がなく日差しを遮るような建物がない家や、一定の広さがある土地、晴天の多い土地であれば発電量は多いです。

全国どこでも同じ発電量ではありません。事前に、どの程度の発電量が得られる土地であるかをシミュレーションしてからの導入をおすすめします。

売電しても元が取れない可能性を考慮する

太陽光発電の利回りは平均で8%から10%といわれています。順調に発電して特にトラブルがなければ10年程度で元が取れるでしょう。これは安定して利益を保てる場合のみで、条件次第では元が取れるとは限りません。

太陽光発電のFIT制度により家庭用の買い取り価格が決まっています。2023年度にFITに認定された場合の買い取り価格は、16円/kWhです。10年間はこの価格で買い取ってもらえることが保証されています。しかし10年経つと買い取り価格は変わります。売電価格は年々下がっていることも知っっておきましょう。

保証内容を確認する

太陽光発電は、設置後も長く付き合っていく設備です。使用している間はさまざまなトラブルがあっても、対応できるように保証内容を確認しましょう。

太陽光発電のメーカー保証は10年以上ついていることがほとんどです。メーカー保証は出力保証や製品保証といったものがついています。販売店や施工業者ごとで保証内容はさまざまです。

保証が充実しているメーカーや販売店を選ぶことで、安心して利用ができるので契約前に必ず確認しておきましょう。

定期的なメンテナンスの実施と機器の交換

太陽光発電を安全に長く使用していくためには定期的なメンテナンスが欠かせません。法的義務はありませんが、国では3~4年ごとに1回以上点検をおこなうことを推奨しています。

定期的なメンテナンスの実施と機器の交換

もし定期的におこなわない場合、不具合や故障の発生に気付かない可能性があります。メンテナンスをせずにいたせいで、ボルトがゆるみパネルが飛んで他人に怪我を与えてしまうかもしれません。太陽光パネルなどの清掃も含めて、メンテナンスは定期的におこなうことをおすすめします。

一度つけた機器はずっと使えるわけではありません。故障だけではなく経年劣化により機器の交換が必要になる可能性があります。

太陽光発電の初期費用に関するQ&A

太陽光発電の初期費用に関するQ&A

太陽光発電の初期費用に関してよくあるQ&Aについて解説していきます。

太陽光発電の維持にかかる費用は?

維持にかかる費用はメンテナンス代や保険代です。

メンテナンスや清掃をしないでいると発電効率が落ちてしまうため、定期的に点検や清掃をおこないましょう。メンテナンス費用はパネルの枚数によっても上下しますが、1回あたり2万円前後かかることが多いです。

太陽光発電には一般的にはメーカー保証が付いています。しかし、すべての故障や不具合をカバーするわけではありません。そのため保証の範囲外となる故障や不具合が発生した場合は自費で修理や補修をおこないます。保険に入っておけば自費で支払う部分はなくなるかもしれませんが、年間あたりの保険料が必要です。

太陽光発電の初期費用が変動するのはなぜ?

太陽光発電の初期費用が変動するのはなぜ?

おもに以下の3つの理由で初期費用は上下します。

  • パネルを設置できる面積
  • 足場の有無
  • パネル固定工法

太陽光パネルは設置できる面積が広く、パネルの枚数が多くなるほど費用は高くなります。

太陽光発電は設置する場所によって足場の要不要が変わりますが、必要な場合は足場代が必要です。足場が必要な面積で費用は上下します。

太陽光パネルはおもに屋根に固定しますが、固定の方法はアンカー工法・支持金具工法・支持瓦工法など複数あります。支持瓦工法が高くアンカー工法が安いです。

まとめ

太陽光発電設備のそれぞれにかかる初期費用や費用を節約するコツについて紹介しました。

2022年の太陽光発電初期費用相場は26.7万円/kWです。以前よりも価格は下がったとはいえ、5kW前後の太陽光発電を導入する場合は100万円超かかります。また、蓄電池をセットで導入するとさらに初期費用が必要です。

補助金制度を利用したり、不要な設備や保証を外したりすることで、初期費用をおさえることができるでしょう。また、複数社に見積もりを依頼して初期費用やサービスを比較するなど、施工業者選びを慎重におこなうことで、太陽光発電の費用節約につながります。

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