【初めての人必見】住宅購入の流れ10ステップを徹底解説!

【初めての人必見】住宅購入の流れ10ステップを徹底解説!

住宅購入は人生の中で大きな決断のひとつです。初めて経験することや検討するべきことが多く、全体の流れを把握していないとトラブルになったり、後悔の残るマイホームになったりするかもしれません。

そこで本記事では、住宅購入の流れについて10のステップでやるべきことを解説します。要点を押さえれば、住宅購入から入居までスムーズに進められるでしょう。注意点も紹介するので参考にして、住宅購入の計画を進めていきましょう。

監修者紹介
宅地建物取引士
中野香菜 さん
株式会社ジョンソンホームズ

宅地建物取引士。2007年にジョンソンホームズ株式会社に入社し、初めの8年間は住宅営業として活躍。その後営業からマーケティングへとキャリアをシフト。現在に至るまでの8年間マーケティング部門での仕事に携わる。
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住宅購入の流れ10ステップ

住宅購入で手続きが完了するまでの流れは次の10ステップです。

  1. 購入したい住宅の情報収集
  2. 資金計画
  3. 気になる物件の内見
  4. 購入申込み
  5. 不動産売買契約の締結
  6. 住宅ローン申込み
  7. 現住居の引き払い準備
  8. 引渡し前の内見
  9. 代金の決済・引渡し
  10. 確定申告

具体的にどのようなことをしていくのか、詳しく解説していきます。

ステップ1.購入したい住宅の情報収集

情報収集では、住みたいと考えている地域でどのような物件が売りに出されているのかを調べます。動産ポータルサイトなどを使い、地域や広さ、間取り、価格帯といった条件で絞り込むと、情報は集まりやすいです。

絞り込む条件に関しては、一緒に住む家族と話し合い細かなところまで洗い出しておきましょう。またすべての希望が叶う住宅が見つかる保証はないため、優先順位もつけておくとよいです。

実際に売りに出されている住宅の中には、Web上で公開されていないものもあります。不動産会社にも希望の条件で問い合せをしておくと、広く情報を収集できます。

ステップ2.資金計画

国土交通省の令和4年度住宅市場動向調査報告書によると、住宅購入に必要な資金の平均は以下のとおりです。

住宅の種類 平均資金
注文住宅(土地を購入した新築世帯) 5,436万円
注文住宅(建て替え世帯) 4,487万円
分譲戸建て住宅 4,214万円
分譲集合住宅 5,279万円
中古戸建て住宅 3,340万円
中古集合住宅 2,941万円

“参考:国土交通省令和4年度 住宅市場動向調査報告書」 ”

自己資金やライフプランに沿った収入・出費から、住宅ローンを組む際は生活に支障を出さない資金計画が必要です。住宅ローンは長いものだと50年で組めます。具体的な数字でシミュレーションをしておくと、返済後のトラブルを減らせます。

ステップ3.気になる物件の内見

気になる物件が見つかったら、内見の申し込みをしましょう。データやオンライン内見でもある程度はわかりますが、実際に見なくてはわからない部分も多いです。購入を決断する前に1度は現地へ出向きましょう。

内見では次の項目も確認しておきましょう。

  • 外壁や基礎部分のヒビ
  • 外からの室内の見えやすさ
  • 駐車のしやすさ
  • 防犯性
  • 建具や設備の不具合
  • 室内を歩く際の音
  • 収納の位置・広さ
  • コンセントの数・位置
  • 周辺の環境・施設

気になったことは遠慮せずに不動産会社の担当者に聞いて、納得できるまで確認をしましょう。可能ならば曜日や時間帯を変えての内覧もおすすめです。周辺の騒音や交通量、人通りなどが変わり、受ける印象が変わることもあります。

ステップ4.購入申込み

理想の住宅が見つかったら、購入の申込みに進みます。申込み先は主に物件を取り扱っているデベロッパーや不動産会社です。分譲の戸建てやマンションの場合は、先着順と抽選の2通りがあります。抽選であれば応募期間に手続きを済ませ結果を待ちましょう。

中古であれば、不動産会社に正式な仲介を依頼する媒介契約を結びます。仲介なしでも購入は可能ですが、手続きに専門的な知識が必要になるので依頼したほうがよいです。

物件によりますが、購入申込みの段階で費用を求められることがあります。金額は2~10万円程度で手続きが進めば手付金の一部となります。

ステップ5.不動産売買契約の締結

申込みが受領されたら、不動産売買契約の締結をおこないます。契約書には次の項目が記載されています。

  • 住宅の情報(住所、面積、構造など)
  • 住宅の金額
  • 支払い方法
  • 引渡しの時期
  • 固定資産税や都市計画税の負担時期
  • 住宅ローンの特約
  • 引渡し前に減失や毀損があったときの対処
  • 手付けや契約違反による解除の条件
  • 引渡し後に見つかった不具合への対処

不動産売買契約の締結前に、住宅の状態について詳細が書かれた重要事項説明書という書類の確認があります。重要事項説明書は、宅地建物取引士の有資格者による説明義務があります。契約書の内容も含めすべてに納得できたらサインをしましょう。

ステップ6.住宅ローン申込み

国土交通省の令和4年度 住宅市場動向調査報告書によると、住宅購入者の50%以上は住宅ローンを利用しています。

住宅ローン申込みの流れと、住宅ローン審査の内容について知っておきましょう。

関連記事:住宅ローンはどこに相談すべき?相談窓口の種類と相談する際の注意点

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住宅ローン申込みの流れ

住宅ローンの申込みは、主に次の書類を金融機関に提出して審査を受けます。

  • 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
  • 収入がわかる書類(源泉徴収票、確定申告書など)
  • 購入する住宅に関する書類(売買契約書、重要事項説明書など)

金融機関によっては、売買契約を締結する前に事前審査を求められるケースもあります。購入申込みの段階で、住宅ローンを組む金融機関も検討しておくとよいです。

住宅ローンを組む金融機関を選ぶ際は、次のポイントを確認して決めるとよいでしょう。

  • 選べる金利のタイプ(全期間固定、固定期間選択、変動)
  • 金利の低さ
  • 返済方法
  • 申込みの諸費用の安さ(保証料、事務手数料など)
  • 団体信用生命保険の内容

不動産会社によっては、提携している金融機関だと通常よりお得になる可能性があります。正式に申込む前に担当者に問い合わせておきましょう。

住宅ローン審査の内容

住宅ローンには審査があり、申込めば誰でも融資を受けられるとはかぎりません。審査の基準は金融機関で異なりますが、次の項目が重視される傾向です。

  • 住宅ローンを完済するときの年齢
  • 現在の健康状態
  • 購入する住宅の担保としての評価
  • 融資を受けるときの年齢
  • 申込みをする人の年収
  • 勤続年数の長さ
  • 連帯保証人の有無
  • 申込む金融機関の営業エリア内
  • 返済の負担率(年間の返済額は年収の何割か)
  • 雇用形態
  • 国籍
  • 住宅以外のローンやこれまでの返済履歴

総合的に判断されるため、年収が高くとも審査に通る保証はありません。返済の負担率を下げたり、他のローンを完済したりすることで、審査に通る可能性は高まります。

ステップ7.現住居の引き払い準備

金融機関の審査を通過できたら、賃貸物件に住んでいる人は引き払いの準備を始めましょう。賃貸契約書に記載されている退去予告の期間に従い、余裕をもってオーナーや管理会社に連絡を入れましょう。

また、購入した住宅ですぐに生活を始められるよう、入居日に合わせて電気・水道・ガス・インターネットといったライフラインの切り替えも必要です。引越し業者への依頼も早めに済ませておきましょう。

ステップ8.引渡し前の内見

正式な引渡し前に、住宅が契約書に記載された状態で間違いないかを確認するため内見をおこないます。売り主によっては催促が必要になるため、不動産会社の担当に相談しておきましょう。

特に注文住宅を購入する際は、事前に現物の確認ができていません。現地で品質を見て、契約書通りでなければ修正の依頼をかけてください。

ステップ9.代金の決済・引渡し

引渡し前の内見で異常がなければ、代金の決済と引渡しをおこないます。住宅の代金だけでなく不動産会社への仲介手数料も支払うので、事前に用意しておきましょう。振り込みの確認が必要なため、金融機関が営業している平日に引渡しがおこなわれるケースも多いです。

住宅を法的に自身のものとするため、所有権移転登記という手続きもします。追加で費用はかかりますが、司法書士に依頼しておくとスムーズに手続きを進められるでしょう。

ステップ10.確定申告

確定申告は、住宅ローン控除を適用させるため必要な手続きです。2023年現在、住民税や所得税を最長13年節税できます。どれだけ控除を受けられるかは、購入した住宅の種類や融資を受けた額で変わります。

確定申告は、購入した翌年の2月16日~3月15日(年によっては数日前後)に、住宅がある地域を管轄する税務署で手続きをします。

給与所得者の場合、2年目以降の控除は年末調整で対処可能です。税務署や金融機関から、次の書類が届くので勤務先へ提出しましょう。

  • 税務署:給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書 兼住宅借入金等特別控除計算明細書
  • 金融機関:住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書

住宅購入の流れで新築と中古の違う点

新築物件と中古物件では、住宅購入の流れに違いがあります。

新築の場合、ハウスメーカーやデベロッパーが大々的に広告を出す傾向があり情報収集をしやすいです。一方、中古物件は大々的に広告されることはないため、自分で探す必要があります。インターネットに掲載されていない中古物件もあるため、地位密着型の不動産会社に問い合わせることで、より幅広く物件を探すことができるでしょう。

また内見に関しては、新築の未完成物件の場合、引渡し前はモデルルームでしか内見ができないこともあります。中古の場合はすでに建物があるため、現地での内見が可能です。ただし新築と違い売主がまだ居住していることもあるため、日程調節が必要になることもあります。

関連記事:ハウスメーカーの選び方とは?自分にピッタリ合う探し方を紹介

住宅購入でかかる期間

実際に契約がまとまり入居できるまでの期間は、どれくらいかかるのでしょうか。新築と中古にわけて詳しく解説していきます。

新築の場合

建売ですでに完成している場合は、購入の申込みから最速で1ヵ月程度あれば入居は可能です。時間がかかる手続きは、不動産会社への物件探しの依頼や金融機関の審査ぐらいです。自身ですぐに購入先を見つけられるならば、早期に入居できます。未完成物件を契約する場合は、追加で2~3ヵ月かかると見込んでおくとよいでしょう。

注文住宅を購入する場合は、1年程度はかかると覚悟しておきましょう。土地探しから住宅の間取りやデザイン、細部にいたるまで決める項目が多く、こだわるほど時間はかかってしまいます。

中古の場合

中古で空き家の場合は、完成している建売と同様に1ヵ月程度あれば入居できます。まだ入居者がいる場合は、入居者の引越しを待つ必要があるため、最短でも2ヵ月程度はかかると考えておきましょう。

リフォームを視野に入れている人は、さらに入居までの期間はかかります。キッチンや浴室といった小規模なもので2週間程度、戸建てで間取りから変える大規模なもので2~6ヵ月程度必要です。実際にどれだけかかるかはリフォーム内容によるため、業者に問い合わせてみましょう。

住宅購入で注意する点

最後に住宅購入をおこなううえで注意したい点について解説してきます。

  • 売買契約成立後の解約では手付金は返ってこない
  • 売買契約前に住宅診断をおこなう
  • 複数の金融機関に住宅ローンの申込みをする
  • 長期的な視点で住宅探しをする
  • 利用できる補助金や助成金がある
  • 引渡し後には必ず設備の確認をする

関連記事:戸建て購入時に確認する17の注意点|新築・中古別にデメリットも紹介

売買契約成立後の解約では手付金は返ってこない

売買契約を締結すると、手付金として購入金額の5~10%を支払います。

契約成立後の一方的な解約だと、違約金として手付金を手放すことになります。3,000万円の住宅であれば150~300万円の支払いが必要です。

ローン審査に通過できず解約が必要になる場合は、住宅ローン特約があれば手付金が全額戻ってきます。

売買契約前に住宅診断をおこなう

住宅診断(ホームインスペクション)とは、建物の不具合の有無について専門的な知識をもった人がチェックすることです、売買契約前におこなっていれば、内見では見つけられなかった問題を把握できます。

中古住宅を購入する場合は、住宅診断(ホームインスペクション)をおこなうことをおすすめします。数万円かかるものの、あとで大きな欠陥に気づくとさらに修繕費が必要になってしまうでしょう。不動産会社によっては、サービスの一環として住宅診断をおこなっているところもあります。

複数の金融機関に住宅ローンの申込みをする

住宅ローンの事前審査や本審査は、通過できる保証はないため複数の金融機関で申込みましょう。住宅ローン特約があれば審査に落ちても手付金は返ってきますが、購入するチャンスを逃してしまいます。

審査の基準は金融機関によって異なるため、同じ条件でも一方では通過できても他方では落ちることがあります。ただし、本審査の事務手数料は個別に発生するため、いくつかの金融機関に絞って申し込みをおこないましょう。

長期的な視点で住宅探しをする

購入した住宅に何十年も住み続けたいなら、今後のライフプランを考えて住宅を探さなくてはなりません。子供の誕生や独立、両親の介護、自分たちの老後など、さまざまな状況を想定してみましょう。現状しか見ていなければ、早々に住み替えが必要になるかもしれません。

また住宅の立地に関しては、長期的に発展が見込める地域がおすすめです。過疎化が進んでいる地域だと、スーパーや病院といった生活に必要な施設がなくなってしまい、老後の生活が難しくなることも考えられます。そのような土地では売却の難易度も上がるため、住み替え資金の確保も困難になってしまうでしょう。

関連記事:土地を安く買う10の方法を徹底解説!土地探しから税金対策まで

関連記事:土地の価格の調べ方とは?目的別のおすすめ手法や計算式を紹介

利用できる補助金や助成金がある

住宅購入する際に利用できる補助金や助成金は、国や各自治体が用意しています。しかし要件を満たしていても、自動的に適用されることはありません。自分で手続きをする必要がありますが、100万円以上節約できるケースもあるため知っておくとよいでしょう。

2023年5月時点で、次のような補助金・助成金があります。

制度名 対象 補助金・助成金の上限
こどもエコすまい支援事業 子育て世代 100万円
ZEH支援事業 創エネ・省エネに優れた住宅 100万円
LCCM住宅整備推進事業 CO2の排出量に配慮した住宅 140万円

制度の詳細は年度によって変わり、予算の都合で早期終了もありえます。利用予定の不動産会社に聞いたり、自身でも最新情報を収集したりして申込みをしましょう。

引渡し後には必ず設備の確認をする

引渡し前の確認で問題がなくとも、引渡し後に改めて設備の動作確認をおこないましょう。一般的な売買契約では、引渡しから7日以内の故障や不具合であれば保証の対象となる可能性が高いです。契約書に記載されている設備表を見ながら確認しましょう。

まとめ

住宅を購入するとなると、やるべきことが多く手続きには数ヵ月かかることは珍しくありません。手探りでは時間がかかり、見落としがあると後悔は一生続くかもしれません。

本記事で紹介してきた住宅購入の10ステップの流れや注意点を把握していると、スムーズに購入から入居まで進めることができるでしょう。まずは情報収集をして、理想の住宅のイメージを固めてみてください。

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