無落雪屋根のメンテナンス。ダクトの点検と清掃は積雪前と雪解け後に!
修理
#ダクト#冬#屋根#設備
石和 亮平2023.04.01

無落雪の屋根。
読んで字のごとく、建物の周囲に雪を滑り落とすことがないため落雪の心配が少なく、管理が簡単なイメージがありますが、でもちょっと待って、屋根から落ちなかった雪はどこへ…?
そう考えた時に重要な役割を果たすのが「ダクト(=排水用の溝)」。
適切なお手入れを怠ると、屋根に水が溜まって雨漏りの原因にもなりかねません。
年に2回はご自身で屋根に上ってダクトのお手入れをしましょう。
無落雪屋根から雪や雨水を流すダクト。葉っぱや「カラスのプレゼント」は大丈夫!?
無落雪屋根(陸屋根)、つまり「M」字型の屋根を用いた住宅では、屋根の中央にたまった水を流す排水用の溝がついています。
この溝がダクト。三角屋根のように建物の周辺に雪や雨水を落とすのではなく、ダクトから建物中央の樋を伝って排水溝へと流すのが無落石屋根の住宅ですが、実はこのダクト、意外と詰まりやすいのです。例えばこんなふうに……。
ダクトが詰まってしまう主な原因は、風で飛んできた葉や砂、ゴミなど。
家の周囲に木々や林がある自然豊かな環境に住まれている方は特に注意が必要です。
そして侮れないのがカラス!カラスは何でも持ってくる強敵です。
これまでに当社のメンテナンススタッフが住宅点検時に遭遇した実際の写真をご紹介しましょう。
(1)近隣の松の枝、落ち葉
(2)トウモロコシの芯
(3)サランラップの芯
(4)ペットの食器
このほかに、キラキラ光る缶や丸くてつかみやすいテニスボールなどが発見される例も多く、ダクトを詰まらせる原因となっています。
もちろん、犯人がカラスだという100%の証拠はありませんが、まず間違いないでしょう……。
気がつかないうちに、大事な住まいの屋根の上にこんな物が乗っているだなんて、ビックリしてしまいますね。
無落雪屋根のダクトが詰まらないためには定期メンテナンスが大切!
ダクトに物が詰まってしまった場合、どんなことが起こるのでしょうか?
構造上、どんな住宅でも屋根には「鉄板の継ぎ目」があります。
ダクトから適切な排水が行われず、プールのように水が溜まってしまうと、水が屋根を傷めるのはもちろん、建材の継ぎ目から水が住宅の内部へとしみ込んでいくことに!
その結果、雨漏りが起こり、天井からリビングやキッチン、お部屋の中へと水がしたたるようなことが起こったり、壁や柱、クロス(壁紙)にしみこんで住まいを傷めたり……。
雪解けを迎える春先、台風、雨の多い時期には特にトラブルが起こりがち。
特に、ダクトが詰まった状態で屋根の上に雪が積もってしまった場合、春先に屋根の上で解けたり再び凍ったりを繰り返す雪解け水は、屋根に急激な膨張と収縮を行わせ、深刻な凍害をもたらす場合があります。
これによって屋根の鉄板がめくれてしまい、そこから雨漏りが発生することもあるんです。
こういったトラブルを未然に防ぐためにも年に1、2回、できれば雪が降る前と雪解け後に行っていただきたいのが「ご自身で屋根に上り、ダクトの状態を点検、清掃する」ということ。
これだけでも大切な住まいの状態をかなり良好に保つことができます。
1シーズンだけでも何トンにも及ぶ堆雪を支えたり、夏の直射日光や高温にさらされたり、想像以上に過酷な環境にさらされる屋根。
ダクトの点検・清掃を行うとともに、ダクトと集合煙突の継ぎ目に異常はないか、カラスをはじめとする鳥たちの糞による腐食箇所はないかなどのチェックを行えばさらに安心です。
ちなみに専門業者に清掃を依頼した場合の費用は1回1万円前後。
自分で上るのが大変になってきたら、業者さんを利用するのもよい方法だと言えますね。
雪解け後の外回りの掃除については、こちらの記事で紹介しています。
「春の大掃除がおすすめ!外回りなど冬じまいに掃除したい場所13選」
- 記事を書いた人
- 石和 亮平 ジョンソンホームズ メンテナンス部
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