北海道の花粉症って?花粉の種類や時期、対策を専門家に聞きました!
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はれ暮らし編集部2022.07.29
春は花粉症の季節。
本州では、年明け早々から「花粉症シーズン」が始まりますが、北海道では雪解け後のこれからが本番です。
北海道立衛生研究所生活科学部薬品安全グループ主査で、花粉の飛散情報などの調査にあたる武内伸治さんに、北海道の花粉症についてのお話を伺いました。
■ 北海道立衛生研究所
住所:札幌市北区北19条西12丁目
011-747-2711(代表)
http://www.iph.pref.hokkaido.jp/index.html
北海道の花粉情報(北海道立衛生研究所サイト内)
http://www.iph.pref.hokkaido.jp/pollen/pollen_info.html
北海道の花粉症の原因と飛散時期とは?
花粉症といえばスギ花粉ですが、植生が違うため、北海道では別の植物が原因となることが多いそうです。
「花粉症の原因となる植物にはスギやシラカバ、イネ科植物などさまざまなものがあります。本州で多くの人が悩まされるのはスギによる花粉症。北海道では、スギの数はそれほど多くないため、スギ花粉で悩むケースは多くありません。主流となるのはシラカバやイネ科植物。中でも、シラカバの仲間であるハンノキが最も早く花粉を飛ばし始め、例年は3月上旬。早い年では2月末から飛散が確認されることもあります」と武内さん。
本州とは原因が違うものの、北海道にも花粉症があるというわけですね!
簡単に北海道の花粉症の原因となる植物と、その花粉飛散時期をまとめました。
- 2月下旬〜4月ころ ハンノキ
- 4月下旬〜6月上旬 シラカバ全般
- 5月中旬〜9月いっぱい イネ科植物(牧草、トウモロコシ、ネコジャラシなど)
- 8月下旬〜9月下旬 ヨモギ
思ったよりも早くから花粉は飛び始めているんですね!
研究所では屋上にこのような装置を設置して、毎年2月下旬から花粉の飛散状況を観測しているそうです。
ここに花粉が乗ることで、飛散状況をチェックできるというわけです。
北海道の花粉症の原因となる植物の特徴とは?
ハンノキ
2月下旬から4月ころにかけて飛ぶのがハンノキの花粉。
北海道の花粉はシラカバがメインですが、ハンノキはシラカバの仲間。
シラカバの花粉症を発症している人は、ハンノキでもシラカバ花粉症と同じような症状が出ることもあります。
▼ハンノキの葉
シラカバ
ハンノキに続き北海道で本命となるのは、シラカバ。
シラカバ花粉のピークは4月下旬~6月上旬です。
ひと言で「シラカバ」と言っても実はシラカンバやダケカンバなどいろいろな種類があり、それぞれ年によって花粉のピークが異なるようです。
例年、シラカバの花粉が飛び始めるのは4月下旬からだそうですが、桜の開花と同じように「春先が暖かければ早まり、寒ければ遅くなる」といった性質があるため、3、4月の気温次第で早まったり遅くなったりするとのことでした。
花粉飛散量の予測には日照時間などほかの条件も考慮する必要があって、「雄花序(ゆうかじょ。花粉を飛ばす雄花の房)」の花芽の調査結果も踏まえながら、随時予測修正を行っていくそうです。
▼シラカバの木
▼シラカバの雄花序
イネ科植物
そしてシラカバに次いで、北海道で多いのがイネ科植物による花粉症。
これには、牧草やトウモロコシといった「なるほど北海道だな」と思うような植物や、いわゆる「ネコジャラシ」など、幅広い植物が含まれます。
こちらは5月中旬~9月いっぱいにかけて花粉が飛び、ピークとなるのは6月中旬から下旬くらい。
ヨモギ
8月下旬~9月下旬にかけては、ヨモギによる花粉症が見られるそうです(ピークは9月上旬)。
ヨモギの花粉は重たくあまり遠くに飛ばないという特徴が。
そのため花粉症の原因としてはそこまで重要視しなくてもよいそう。
こうしてみると、北海道でも半年くらいは何かの花粉が飛び続けているんですね。
今回取り上げた植物以外にも、北海道で花粉を飛ばす植物はあります。
いつごろ、なんの花粉が飛ぶのかは、道立衛生研究所の花粉カレンダーもチェックしてみましょう。
北海道の花粉症も早めの原因特定&対策をするのが一番!
北海道でも発症する可能性のある花粉症。
できれば負担を軽くしたいもの。
そのための花粉症予防のポイントを4つご紹介します!
- まずは医療機関を受診し、アレルギーチェックを受ける
- 医療機関で初期療法を行えるかどうか相談する
- 飛散期間中はマスクや眼鏡を着用
- 外出から帰ったら家に入る前に花粉を払い落とす
どの時期に症状が出るかによって「自分が何の花粉のアレルギーなのか」はある程度は推測できます。
正確に知るためには、専門の医療機関(耳鼻咽喉科、アレルギー科)を受診して、自分が何に対してアレルギーを持っているか(抗体を持っているか)を検査してもらうことが必要だそう。
それが分かれば「警戒すべき時期はいつなのか」がより判断しやすくなるので、花粉症に悩んでいる方は一度専門医で検査を受けてみるのがよいようです。
また、花粉症の予防には、花粉が飛ぶ時期より前に病院で薬を処方してもらう「初期療法」というものがります。
症状が現れる前から薬を服用することで症状を抑えることができるそうです。
さらに飛散期間には花粉症対応のマスクや眼鏡を着用し、できるだけ花粉を吸わないようにすることが大切。
家の中に花粉を持ち込まないよう、外出から帰ったら、玄関に入る前に上着に付いた花粉を払い落とすのもいいみたいです。
北海道立衛生研究所の他の研究や展覧会も要チェック!
ところでこちらの研究所では、花粉以外にもインフルエンザやエキノコックス、山野草など、さまざまな研究を行っています。
毎年5月半ばの週末には種類豊富な山菜を一度に見られる「山菜展」が開催されるほか、5~9月には月1~2回「薬用植物園」の一般開放も行われるので、ホームページで情報をチェックしてみてくださいね。きっと興味深い世界に出合えますよ!
北海道には北海道の花粉症が。早めの対策が大切!
北海道には花粉症がないと言われることもありますが、北海道には北海道の花粉症があります。
同じように見える花粉症でも、地域によって原因となる植物は違います。
北海道で花粉症の原因となる植物は「ハンノキ」「シラカバ」「イネ科の植物」「ヨモギ」。
その年の花粉の量は前年の気候条件や花粉飛散量などによって変動します。
道立衛生研究所では、毎年花粉の飛散情報を観測し、随時発表しています。
今年はどうなんだろう…と気になったら、北海道立衛生研究所の北海道の花粉情報こちらをチェックしてみてくださいね!
本州でも北海道でも、早めの花粉対策が大切なのは同じ。
専門の医療機関で自分が何の花粉症を持っているのか検査をすれば、その花粉が飛ぶ時期にしっかりと対策ができますよ!
初期療法が行えるかどうかも相談してみましょう。
マスクや眼鏡をするといった対策も忘れずに。
早めの対策で少しでも花粉症の負担を減らしましょう!
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ぜひみなさんの生活の参考にしてみてくださいね。
- 記事を書いた人
- はれ暮らし編集部 ジョンソンホームズ
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