【虫画像あり】チャタテ、カメムシ、クモ…。新築なのに虫!? 新築住宅に虫が出やすい理由と対策
掃除・お手入れ
#中古住宅#害虫対策#新築の家づくり
中村亜矢子2021.01.06

オーナー様とのお話を通じ「虫」に関するお悩みについてお聞きすることがあります。
お悩みを耳にする機会が多いのは、段ボールや古本、畳などで見かけるチャタテムシのほか、イヤなにおいを発するカメムシ、クモ、コバエなど…。
新築したばかりのおうちにお住まいのオーナー様から「新築なのにどうして!?」というお声をお聞きすることもあるのですが、実は新築住宅には「虫が出やすい」理由があります。
それぞれの虫の特徴や退治法、侵入対策とともに、新築住宅に虫が出やすい理由についてもご説明します。
ご相談の多い「アリ以外の虫」5選、特徴と対策について

新築住宅にアリが出やすい理由とその対策については、以前、別の記事(新築なのに家の中にアリが!?戸建て住宅でのアリ駆除方法)でご説明しました。
今回は、オーナー様からよくご相談を受ける「アリ以外の虫」について、特徴や対策を紹介していきます。
【チャタテムシ】
体長1~1.5㎜程度の茶色い虫で、ダニと間違われることがよくあります。家の中にいるダニ(イエダニ、ツメダニ)は基本的に肉眼では見えないので、「ダニが出た!」という場合のほとんどはこのチャタテムシです。
その特徴には、次のようなものがあります。
- どこにでもいる。
- ダニとは異なり、ヒトを噛んだり刺したりはしない。
- 湿気、高温を好む。
- カビを好んで食べる。
どこにでも出る虫ですが、湿気とカビを好む性質から、湿度の高い所、結露の周辺には特に集まりがちです。
具体的には家具の裏、押し入れ、そば殻枕、段ボール・古本、台所などで、特にシンク下の収納スペースに集まって、粉類、麺類、乾物、カツオ節、スナック菓子などに入り込むことがよくあります。
刺したり噛んだりはしなくても、死骸を吸い込んだり食品と一緒に食べてしまうとアレルギーの原因になるほか、気分だってよくありません。さらにチャタテムシをエサに、ダニが繁殖する可能性もあります。
小さな虫ですからいつの間にか家のなかに入り込んでしまい、「気をつける」といってもなかなか限界があるのも事実。「やれることをやるしかない」というのが実情ではありますが、次のようなことに気をつけるとよいでしょう。
- 風通しに気をつけ、湿気が溜まりがちな場所は乾燥させる。
- カビを見つけたら、パストリーゼ777などで除去する。
- 食品はジップロップなどで密封。粉物は冷蔵庫で保管を。
- 湿気を吸いやすい段ボール、本類は乾燥させるか、不要なものは早めに処分する。
チャタテムシの駆除は、虫よけスプレーが効果的。予防にも使えます。
大繁殖してしまった場合の最終兵器には、虫コロリアースなど、霧・スモークタイプの殺虫剤が有効です。
【カメムシ】
生命力の強いカメムシ。オーナー様や私の友人のなかにも「カメムシに悩まされている」という人は多いものです。
カメムシに関する相談を多く受けるのは秋から冬にかけて。特に10月前後に相談のピークがあるようです。というのも、どんどん気温が下がってくるこの時期、暖かい場所を求めるカメムシが家のなかに入ろうとします。
その結果、日の当たる網戸に張り付いていることも多く、お悩みの原因となるのです。
カメムシの体は硬い「よろい」のような殻でおおわれているため、網戸の端にあるゴムを押しのけるのも得意。2㎜ほどの隙間があれば、簡単に侵入してしまいます。
カメムシが嫌われる一番の原因はあのイヤな臭い…。
退治しようとしたり、外に追い出そうとすると「攻撃された!」と思って悪臭を出すので、まずは家のなかに入れないことが大切です。
- 家のなかに入る隙間を作らない。
- 窓・網戸に駆除剤をかけて、侵入を防ぐ。
この2点を心がけましょう。駆除剤・虫よけは、スプレータイプのほか、ドアや窓に引っ掛けるタイプでもOKです。薬がイヤな人は、ハッカ油スプレーを網戸に吹きかけるのも効果があります。
カメムシ対策で絶対に厳禁なのは「掃除機で吸い込む」「新聞紙でたたく」。どちらもしばらくの間、消えない悪臭に悩まされることになります…。
カメムシについてさらに詳しくは、こちらの記事もご覧ください。
【クモ】
クモは基本的に屋外に住む虫です。家のなかに巣を張る場合、よく観察すると「いつも決まった場所」ということが多いのではないでしょうか。
クモが巣を張る場所、それはその付近にアリやコバエなど、クモが好む小さな虫がいる可能性があります。あまり好ましくない見た目から嫌われがちなクモですが、実は害虫ではなく、益虫。
エサとなる虫を退治すれば、自然といなくなる場合がほとんどなのです。クモを退治する前に、スプレーなどでアリやコバエ退治をするのが先決です。
それでもやっぱり「クモはイヤ!」という場合には、クモの巣ジェットなど、クモ用の駆除スプレーを使いましょう。すでに張られた巣を退治する効果もありますし、壁・床をツルツルにして巣を張れなくする予防効果もあります。
【コバエ】
コバエ、と書きましたが、実はこれは正式名称ではなく、ショウジョウバエ、ノミバエなど小さなハエの総称です。出現場所によって、いろいろな名前がついています。
コバエがわきやすい場所は、生ゴミ、観葉植物の土など。カブトムシの土も非常にコバエがわきやすい場所です。
湿気が多いトイレ、洗面所、排水口、ペットゲージにも発生することがあります。
これらの場所は常に清潔に保ちましょう。生ゴミはこまめに捨て、生ゴミ以外のゴミも早めに処理、観葉植物の鉢に腐った葉などが残っていたらすぐに捨てる、なども大切です。
【カゲロウ】
以前、川の近くにお住いのオーナー様から「壁一面に緑色の虫が…」とご相談を受けたことがありました。
近所に川や水田など「水」があると、何かのきっかけで大量発生することがあるのが、カゲロウです。
カゲロウには光を目指して集まってくる性質があります。人体への害はなく、寿命も短い虫ですが、大量発生されれば気持ちのよいものではありません。
おすすめの対策は「発生場所から少し離れた場所にソーラーライトを置いて、気にならない場所に誘導する」というもの。ライトの下に桶を置き、その中に日本酒を入れておけば、カゲロウは桶に落ちて溺れてしまいます。
新築住宅に虫が出がちなのは、木材に含まれる水分が原因
こういった虫のお悩みは、家を建てたばかりのオーナー様からもうかがうことがあります。
「新築なのにどうして虫が出るの?」というお声も耳にするのですが、実は新築住宅には虫に好かれやすい特徴も…。つまり、
「チャタテムシをはじめ、虫のなかには湿気を好むものが多いこと」「新築住宅では、まだ木材が乾ききっていないこと」「コンクリートを加工してから日が浅く、水分を多く含むこと」。
これらの条件を合わせると、新築住宅はどうしても、虫にも「好かれやすい」環境となってしまうのです。
1、2年たって水分が安定すれば解決することがほとんどなので、水漏れなど明らかな異常がない限り、様子を見ていただくようお願いしています。
なお、チャタテムシの場合は「引っ越しの段ボールについてきた」ということも多いもの。荷物を早めに片づけ、段ボールを処分できるとよいですね。
こまめな除草や窓に防虫剤を置くことで、虫の侵入を防ぐことも大切です
室内の虫を減らすには「家のなかに入ってくる虫を減らす」ことも大切です。
そのためも、庭や家の周りの雑草はこまめに草刈り・草むしり、除草剤の散布を心がけましょう。
「隣が空き地で勝手に手を出すことができない」という場合は、窓や網戸に「虫コナーズ」のような防虫剤を置いて侵入を防ぐとよいですよ。
虫は、ほんのわずかな隙間からでも入り込むもの。
特に掃き出し窓(床までの引き違い窓)を半端に開けてしまうと、網戸とサッシの間に隙間ができることがあるので注意しましょう。
虫が入り込むのはある程度仕方ないと割り切り、「大量発生させない工夫」を大切にすることで、快適な生活ができるといいですね!
- 記事を書いた人
- 中村亜矢子 ジョンソンホームズ メンテナンス部 ジョンソンレディ
音楽大好きです。聴くのも演るのも好き。生活に潤いと幸せをもたらす音楽はなくてはならないものです。人と話すのも好きで、ジョンソンレディとしてみなさまのお役に立てたら…と思っています。