2023年不動産市況動向を予測!今後の見通しと価格に影響する要因

2023年不動産市況動向を予測!今後の見通しと価格に影響する要因

新型コロナウイルス感染症やロシアによるウクライナ侵攻は、不動産市況に大きな影響を与える可能性があるため、「2023年以降の不動産市況の動向はどうなる?」と気になっている人も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、2022年と2023年の不動産市況の動向を比較し、今後の動向について用途別に解説します。

不動産市況を予測する方法や影響を与える要因、不動産投資で注意すべき点についても解説するので、これから不動産売買をおこないたい人はぜひ参考にしてください。

※本記事は専門家の監修のもと作成しています。監修者情報はこちら。

専門家インタビュー

監修者 棚田さん 株式会社棚田リーガルホールディングスグループCEO
棚田行政書士さん
行政書士、宅地建物取引士、マンション管理士、管理業務主任者、賃貸不動産経営管理士などの資格を保有する専門家。チャンネル登録者数14万人となる「棚田行政書士の不動産大学公式チャンネル・宅建」のYouTubeを運営(2023年6月現在)。
YouTube詳しくはこちら

※J-Nav不動産メディアでは、専門家に直接取材を行い、意見を取り入れることで、信憑性の高い情報をお届けできるように取り組んでいます。

編集部:小原

本記事では、2023年の不動産市況について専門家の知見を得るために、不動産業界に精通する専門家にインタビューを実施しました。

インタビュー内容はこちら

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調査期間 2022/7/22~2022/8/26
回答数 308

不動産一括査定サイトアンケート調査結果

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関連記事:不動産一括査定サイトのおすすめランキング!不動産売却におすすめの人気16選を比較し選び方を紹介【2023年最新】

目次

2023年最新の不動産市況動向

2023年最新 不動産市況 動向

不動産市況の動向にどのような変化があったのでしょうか。2021年から2022年の動向を振り返ったうえで、2023年の動きを予想します。

【2021年】不動産市況の動向

国土交通省の「不動産価格指数」によると、2021年の不動産価格は全国的に上昇傾向でした。不動産価格は2013年から上昇が続いており、物件種別で比較すると、戸建てよりもマンションのほうが上昇率は著しいことがわかります。

特に首都圏では、年間を通して中古の戸建てや中古マンションの成約価格が大きく上昇しています。新型コロナウイルス感染症の影響で在宅勤務が増え、中古住宅の需要が高まったことが1つの要因といえるでしょう。

中古と同様に、新築住宅や新築マンションの価格も右肩上がりです。成約価格は上昇している一方で、供給戸数が減少しているため、購入したくても買えない投資家が多かったと推察できます。

“参考:国土交通省不動産価格指数」”

【2022年】不動産市況の動向

2022年以降の不動産市況も、2021年と同じく上昇傾向となりました。国土交通省の「不動産価格指数」によると、全国住宅総合の不動産価格指数は、前月比0.7%増の134.6(2022年12月時点)です。2021年12月時点の不動産価格指数は124.8だったため、2021年と比較すると9.8%増であることがわかります。

【2023年】不動産市況の予測

新型コロナウイルス感染症や、大手銀行の住宅ローン金利引き上げなどが、不動産に影響を与えることも考えられますが、いきなり不動産価格が下落することは考えにくいといえます。家で過ごす時間が増加している現在、住まいに快適性を求める人が増えたため、住宅需要がさらに加速していく可能性も高いといえるでしょう。

ただし、地域によっては不動産価格の動向に差が生じる場合があります。人口が増加している地域は価格が上昇しやすい一方、人口が減少している地域では価格も下落することが考えられます。よってエリアごとに不動産市況を見ることが大切です。

  • 中野香菜さん
    SUUMO、HOME'Sなどの不動産情報サービスでは、地域ごとの物件情報や価格データを提供しています。これらの情報を定期的にチェックすることで、市場の動向を掴むことができます。
  • 【住宅】用途別の不動産市況動向

    不動産価格は全国的に上昇傾向にありますが、住宅用の不動産市況はどのような動きになっているのでしょうか。不動産取引が活発な以下3つの用途について解説します。

    • 住宅地
    • 戸建て住宅
    • マンション

    下記グラフは国土交通省が発表した2008年4月~2023年7月の不動産価格指数の推移を表したものです。

    住宅の不動産価格指数推移

    “データ引用元:国土交通省不動産価格指数」”

    それぞれの住宅価格の動きについてチェックしていきましょう。

    住宅地の不動産市況動向

    国土交通省が毎月公表している「不動産価格指数(2010年の価格を100とした場合の指数)」によると、住宅地の価格指数は2010年からほぼ横ばいで、2020年以降は増加しています。2020年7月と2023年7月時点を比較すると、16.1%の上昇です。

    下記グラフは国土交通省が発表した2012年12月~2023年7月のエリア別の不動産価格指数の推移を表したものです。

    エリア別 住宅総合 不動産価格指数

    “データ引用元:国土交通省不動産価格指数」”

    地域別に見ると、北陸・九州沖縄以外はすべて前月比マイナスになっています。

    北陸地方は前月比+6.7%、九州沖縄地方は+2.4%ですが、北海道地方は-8.1%、四国地方は-7.5%となっており、地域差が大きいことがわかります。

    “参考:国土交通省不動産価格指数」”

    戸建住宅の不動産市況動向

    戸建て住宅の不動産価格指数は、住宅地とほぼ同じ経過をたどっています。2020年から上昇傾向にあり、2022年においては住宅地よりもやや高い値に留まっています。

    2022年12月の全国の不動産価格指数は117.0で、前月比+0.6%です。地域別の前月比も多くがプラスの値となっていますが、北海道・北陸・中国・九州・沖縄地方はマイナスを記録しています。

    “参考:国土交通省不動産価格指数」”

    マンションの不動産市況動向

    マンションの不動産価格指数は、用途別のなかでトップの上昇率を記録しています。2013年から右肩上がりの傾向にありましたが、2020年以降はさらに上昇が加速し、2010年から2022年までの間に1.8倍以上となりました。

    2022年12月における全国の不動産価格指数は、前月比+0.3%です。地域別に見ると、前月比がマイナスになっているのは東北・四国地方です。

    “参考:国土交通省不動産価格指数」”

    マンションの不動産市況について詳しく知りたい人は、こちらの記事でも解説しているので、ぜひ参考にしてください。

    関連記事:【2023年最新】マンション価格は今後どうなる?地域別の価格や下落のタイミングを予測|宅建士監修

    【商業用不動産】用途別の不動産市況動向

    それでは次に商業用不動産の価格指数推移について解説します。ここで紹介するのは代表的な以下2つの推移です。

    • オフィス賃貸
    • 商業地

    商業地は店舗や事務所として利用される土地のことで、2008年4月から2023年7月までの価格推移を以下のようにグラフ化しました。

    商業用不動産の不動産価格指数推移

    “データ引用元:国土交通省不動産価格指数」”

    それぞれの動きに関して解説していきます。

    オフィス賃貸の不動産市況動向

    オフィス賃貸の不動産価格指数は、2013年から上昇傾向にありますが、上昇と下降を何度も繰り返しています。直近では2021年9月に大きく下がりましたが、2022年2月には一気に回復へ転じました。2023年7月時点では、全国の不動産価格指数は160.7で、前期比はー1.9%です。

    “参考:国土交通省不動産価格指数」”

    商業地の不動産市況動向

    商業地は、2019年から2020年にかけて不動産価格指数が10%近く下落しましたが、2021年の調査では下落前の水準まで回復を見せています。

    商業地の価格は、2010年から2020年までほぼ横ばいで、2021年以降に上昇がみられます。2023年7月時点の不動産価格指数は110となっており、2021年7月の103.1と比較すると、およそ+7の上昇です。

    “参考:国土交通省不動産価格指数」”

    正確な不動産価格を知りたい人は不動産一括査定サイトがおすすめ!

    不動産の正確な価格を知りたい場合は、不動産一括査定サイトを利用し、複数業者から査定価格を受け取るのがおすすめです。物件情報を入力し、複数業者から見積もりをもらうことで、相場を把握して高価格での売却が可能となります。

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    また、上記3サービス以外の不動産一括査定サイトを知りたい人は、以下の記事もおすすめです。

    関連記事:不動産一括査定サイトのおすすめランキング!不動産売却におすすめの人気16選を比較し選び方を紹介【2023年最新】

    不動産市況を予測する方法

    不動産市況 予測 サービス

    不動産市況の動向は自分で調べることで予測できます。不動産市況を予測するときに活用できるサービスは、次のとおりです。

    不動産業界の動向を予測して、不動産投資のタイミングを見極めましょう。

    レインズマーケットインフォメーション

    レインズマーケットインフォメーションは、全国で取引のあった戸建てやマンションの成約価格を調査できるサイトです。国土交通大臣が指定している全国4つの不動産流通機構が運営しています。

    物件種別と都道府県、地域を選択することで、取引された不動産の価格を検索することができ、比較的簡単に利用可能です。データが毎月更新されるため、常に最新の不動産情報を手に入れることができます。

    不動産価格指数

    不動産市況の動向を読み取るために、本記事でも利用しましたが、不動産価格指数は、国土交通省が年間30万件以上の不動産の取引価格を参考に、不動産価格の動きを数値化したものです。不動産取引件数や取引面積もあわせて公表されています。

    不動産価格指数は、国土交通省のホームページで月ごとにPDFで公表されているため、ダウンロードすることも可能です。不動産価格指数を把握することで、不動産価格の動向を知ることができるでしょう。

    不動産ポータルサイト

    不動産ポータルサイトでは、不動産会社が売りに出している不動産の価格を調べることができます。価格の推移は調べられませんが、売り出し価格や最新の不動産市場の動向を推察することが可能です。

    ただし、売り出し価格が不動産の成約価格になるわけではありません。不動産ポータルサイトは、不動産市場の動向を大まかに判断するツールの1つであると認識しておきましょう。

    土地総合情報システム

    土地総合情報システムは国土交通省が運営しているサイトで、実際におこなわれた不動産価格の取引情報を確認できます。さらに、地価公示・都道府県地価調査の価格を閲覧することも可能です。

    不動産取引をおこなった人のアンケートをもとにしたデータのため、土地や建物、中古マンションなどの取引情報を検索できます。エリアによっては取引情報が少ない場合もあるため、必ずしも正確な値ではないと理解しておきましょう。

    公示地価

    公示地価は、国土交通省が毎年3月に公表する全国の標準値の土地価格です。一般人が土地取引の指標にするため、不動産鑑定士が評価した土地価格を用途ごとにわけて発表しています。

    公示地価は、国土交通省のサイトから都道府県単位で検索することが可能です。平成9年のデータまでさかのぼって閲覧できるので、土地価格の推移を知ることができます。

  • 中野香菜さん
    不動産ポータルサイトは見やすく、具体的な物件の価格や取引件数、売り出し価格を確認できます。
  • 不動産市況に影響を与える要因とは

    不動産市況 左右する 要因

    不動産市況は、経済・情勢変化・イベントなどの影響を受けやすい特徴があります。そこで、不動産市況への影響が心配される6つの要因について紹介します。

    不動産市況に影響を及ぼす可能性がある要因について、詳しくチェックしていきましょう。

    新型コロナウイルス感染症による影響

    新型コロナウイルス感染症の流行により、不動産業界は少なからず打撃を受けました。コロナ禍以前は、不動産価格は順調に上昇していましたが、緊急事態宣言中の2020年2月〜4月にかけて価格が一気に下落しています。

    一時は下落した不動産価格ですが、住宅需要の高まりにより現在は回復傾向にあります。新型コロナウイルス感染症が落ち着くことで、不動産価格の上昇にプラスの影響を与える可能性が高いでしょう。

    オリンピック後の影響

    オリンピック後も首都圏の不動産価格は、マンションを中心に上昇を続けています。投資家や不動産業界関係者の間では「東京オリンピックが終わったあとに不動産価格が下落する」という話も出ていましたが、大きく変化することなく終わりました。

  • 中野香菜さん
    低金利政策や経済成長、人口動態など、オリンピック以外の経済環境の変化も不動産価格に影響を与えていると考えられます。
  • 過去にオリンピックを開催したアトランタやシドニー、アテネでも不動産価格の下落は起きていないため、このまま大きな影響が出ない可能性が高いといえます。

    2022年問題の影響

    2022年問題とは、これまで生産緑地として指定され税の優遇された農地で、優遇がなくなり土地を手放す人が増えて、不動産価格の暴落の恐れがあることです。立地のよい広い農地であれば、ハウスメーカーやマンションのデベロッパーによる買いあさりがおきます。売れ残った土地では、手放すため相場より極端に安く売り出す人も現れるでしょう。

    極端に安い土地が売りに出されていると、これまで人気がなかったエリアでも注目されだします。そのため、価格を予測するのは困難になっていきます。

    大阪万博開幕閉幕による影響

    2025年4月13日〜10月13日に大阪万博が開催されます。オリンピックのような世界的イベントのため、大きな経済効果を期待できるでしょう。インフラ整備や周辺施設の充実により、大阪の不動産価格も上昇すると予想されています。

    需要の増加が見込まれるエリアは、湾岸エリアや夢州へのアクセスがしやすい路線沿線エリアです。大阪の不動産価格はもともと上昇傾向にあるため、大阪万博の開催によりさらなる高騰が期待できます。

    超低金利住宅ローンの金利上昇

    2013年に実施された日本銀行の金融緩和政策により、住宅ローンの金利は大幅に下がっています。住宅ローンが利用しやすくなったことによって不動産売買の動きも活発になり、不動産価格も上昇しました。

    大手銀行4社の住宅ローン金利の動き

    2022年から2023年の大手銀行の住宅ローン金利の動きについて以下にまとめました。いずれも10年固定金利の最優遇金利です。

    銀行 2022年11月 2023年04月 2023年11月
    三井住友銀行 0.93% 0.89% 1.29%
    三菱UFJ銀行 0.83% 0.95% 1.04%
    三井住友信託銀行 1.05% 1.19% 1.54%
    みずほ銀行 1.20% 1.20% 1.55%
    • 2022年12月:日銀が長期金利の変動許容幅を0.5%へ引き上げ
    • 2023年04月:植田日銀新総裁が金融緩和政策を維持すると発表
    • 2023年11月:日銀が長期金利の1%越えを容認すると発表

    住宅金融支援機構が実施する住宅ローン利用者の実態調査によると、2022年4月調査では変動金利の利用者が73.9%を占めています。

    10年固定が含まれる固定期間選択金利は17.3%にとどまっていることから、不動産市況に大きな影響はないと考えられますが、今後金利がいつ変動するかはわかりません。

    不動産市況を予測するためにも、住宅ローン金利の最新情報を追っておくことが大切です。

    【2023年11月最新】大手銀行4社が住宅ローン金利を引き上げ

    10月の金融政策決定会合では、日銀が長期金利の1%越えを容認することが発表されました。長期金利の上昇容認により、住宅ローンの金利も上昇傾向です。

    大手銀行4社の2022年11月と2023年11月の金利を比較すると、三井住友信託銀行が+0.49%と最も大幅な金利の引き上げとなりました。

    【2024年は変動金利上昇の可能性も】

    日銀が長期金利の上昇を容認したことで、マイナス金利政策の撤廃が焦点となってきました。

    2024年の春闘で、多くの企業の賃金引き上げが確認できれば、マイナス金利解除をおこなう可能性もあると憶測されているようです。

    マイナス金利が解除されると、変動金利の住宅ローンにも引き上げの動きがでてくると予想されます。

    少子高齢化問題

    日本では出生数の減少にともなう少子化により、高齢者の割合が多くなる少子高齢化問題を抱えています。高齢者が住んでいた家を売却することで供給量は増えますが、子供が少ないため不動産需要は落ち込むでしょう。

    不動産が売れなくなると価格は下落します。近年、出生数も減少しており、今後少子高齢化問題は本格化していく可能性が高く、戸建て住宅が売れなくなる時代に突入すると考えられます。

  • 中野香菜さん
    戸建て住宅の需要がなくなると、必ずしもマンションの需要も下がるとは限りません。それぞれ異なる市場、ライフスタイルニーズに対応しています。
  • 2023年の不動産投資で注意すべき点

    2023年 不動産投資 注意

    2023年の不動産投資を考えている人に向けて、失敗を回避するための注意点を解説します。

    ウクライナ侵攻など社会の情勢に注意する

    新型コロナウイルス感染症や2022年問題など、不動産市場に影響のある要因が山積みの日本ですが、ロシアによるウクライナ侵攻の影響も無視できません。日本の経済制裁でロシアからの輸入がなくなり、木材・原油不足に陥っています。

    そのため、建築資材の不足やエネルギー価格の高騰による不動産価格の上昇は避けられません。ウクライナ侵攻も含めた、社会情勢の動きに気を配る必要があります。

    ウッドショックによる影響の見通しがつかない

    ウッドショックとは、世界的な木材の価格高騰です。新型コロナウイルス感染症により増えた在宅勤務の影響で、快適な住環境を求めて戸建ての需要が増えたことが原因の1つとなり、木材の高騰がおきました。建築コストの増加で、予算不足の人が中古住宅に流れ、価格を押し上げています。

    “データ引用元:農林水産省木材価格統計調査」”

    農林水産省木材価格統計調査によると、2021年に木材の価格が高騰し始め、2022年も価格は高止まりの状態であることがわかります。2023年時点では、徐々に価格が落ち着いてきた印象もあるものの、ウッドショック以前と比較すると高いままです。

    国内の住宅に使われる木材の多くは輸入に頼っており、仕入れが困難なケースもおきています。生産には時間がかかるため、国内の木材へ簡単に切り替えもできません。

    売却を検討しているなら売るのもおすすめ

    2023年も不動産価格は上昇しているため、売却する絶好のタイミングといえます。不動産の売却を検討している場合は、価格が下落する前に行動するとよいでしょう。今後もマンション価格が上昇する可能性も考えられますが、時期を待ちすぎることで損する可能性も高くなります。

    2024年以降の不動産価格はどうなる?

    2024以降 不動産市況

    ここまで2023年の不動産市況について解説してきました。しかし、これから不動産投資を始める人や将来の売買を検討している人は、2024年以降の不動産価格も重要となってくるでしょう。

    不動産は高額な取引になりやすく、価格が1年で数百万円変動するのも珍しくありません。これから紹介するポイントも不動産売買の参考にしてください。

    2024年は世帯数の減少による影響が出る恐れ

    日本では、これまで核家族や高齢者の単独世帯の増加で、世帯数は上昇してきました。しかし2023年をピークに減少が予測されています。世帯数が減少するとそれだけ住宅の需要は下がり、売却を検討している人にとっては不利になります。

    単独世帯の高齢者が亡くなったり施設に入ったりして、空き家が増えているのも問題です。高齢者が多い地域では世帯数の減少はおきやすく、想定したよりも価格が下落する恐れがあります。

     2025年に開催される大阪万博に注意が必要

    2023年現在、2025年開催予定の大阪万博に向けて、周辺のインフラ整備が進んでいます。インフラが整備されると、周辺の不動産価格は上昇しやすくなります。また大阪万博を期に、インバウンドなどで周辺地域の経済成長が見込めると、不動産価格に影響がでます。

    2025年時点での、新型コロナウイルス感染症の状況を予測することは難しく、万博自体が経済にどこまでの影響を与えられるかも未知数です。しかし、少なからず不動産価格に影響を与える可能性はあるイベントのため、注意は払っておきましょう。

    不動産市況を予測するなら株価を合わせて見るのがおすすめ

    不動産市況に影響を与える要因は多く、全てを把握して予測するのは困難です。そこでおすすめなのが、株価や為替のチェックです。株価や為替は長期的にみて不動産に影響を与え、反映されるまで数ヶ月タイムラグがあるといわれています。

    チェックした時点で高騰や下落の兆候があるならば、不動産売買のタイミングを再検討するのもありです。判断材料を増やし、予測の精度を高めることが重要です。

    不動産を売るなら2023年がベストと言われる理由

    2023年現在、不動産価格の高騰は続き、住宅ローンの低金利状態が続いています。しかし、価格が暴落する可能性は低くとも、バブルともいえる状況でいつ弾けるかわかりません。そのため、不動産を売るなら2023年がベストといわれています。

    専門家でも正確な予測が困難という状況の中、利益を求めピークを狙うのはリスクが高いです。リスクを抱え続けるよりは、現状でお得に売買できる方法を模索したほうがよいでしょう。

    最新相場で売却するなら不動産一括査定サイト

    相場を知らず適当な価格で売りに出すと、高すぎて売れなかったり安すぎて後悔したりします。不動産一括査定サイトを利用すると、手軽に複数業者へ査定依頼を出せ、相場をすぐに把握できます。

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    【専門家インタビュー】近年の不動産市況について見解をお伺いしました

    【専門家インタビュー】近年の不動産市況について見解をお伺いしました

    2023年の動向として、どのような見解を持たれていますでしょうか?

  • J-Nav不動産メディア編集部
    2021年、2022年と不動産価格は上昇傾向にありますが、2023年の動向として、どのような見解を持たれていますでしょうか?
  • 棚田行政書士さん
    今以上に大きく上昇することは考えにくいですが、現状維持はすると思います。賃金が上がっていない状況でこれ以上の価格上昇は、正直考えたくないですね。金利が上昇し始めれば、価格は下落傾向に転じると思います。
  • 2023年の価格変動の要因として抑えておくべきポイントはありますか?

  • J-Nav不動産メディア編集部
    2023年の価格変動の要因として、ウクライナ進行やウッドショックの影響などを記事に取り上げているのですが、こちらは現段階でも注目すべきポイントと言えますでしょうか?他にも抑えておいたほうが良いポイントなどありましたら合わせてお伺いしたいです。
  • 棚田行政書士さん
    建築資材や半導体不足などは不動産価格の高騰に大きく影響します。東日本大震災の直後も同じようなことが起きました。ただ今後一番のポイントになるのは、やはり金利だと思います。低金利政策をどこで転換させるのか、そのタイミングが一番注目されます。
  • 不動産の価格の動きを一般的な方が把握する上で、どのようなサイトや情報を見るのがおすすめですか?

  • 棚田行政書士さん
    スーモやホームズなどのポータルサイトで、希望するエリアで物件を閲覧することでだいたいの相場はわかると思います。あとは、自分に返済可能な月額返済額から買える物件の金額を逆算して計算することは大切です。たとえローン審査が通ったとしても、毎月の返済が苦しくなれば物件を手放すことになってしまいます。物件を気に入ってからローンの試算をすると、無理な返済計画でも申し込みをしてしまうケースがあります。まずは自分がいくらの物件なら買って大丈夫なのかを、住宅ローンのシミュレーションサイトなどで確認することをおすすめします。
  • 2024年以降の不動産市況が変動する要因として、注目しているポイントなどありますか?

  • J-Nav不動産メディア編集部
    2024年以降の不動産市況が変動する要因として、「世帯数の現象による住宅需要の低下」「2025年開催の大阪万博」「湾岸2024年問題」などが挙げられることがありますが、注目しているポイントなどありますでしょうか?上記3つ以外にも気をつけたほうが良いポイントなどがありましたらお伺いしたいです。
  • 棚田行政書士さん
    何をおいてもまずは金融政策です。現在の価格高騰は低金利政策が前提としてあるので、金利が少しでも上昇を始めれば一気に冷え込む可能性が高いと思います。それが一番注目です。個別のイベントは多少の影響はあると思いますが、思ったほどの影響は考えにくいです。あとはリニア開通予定地の周辺の土地の価格上昇などはあるかもしれません。また、世帯数の減少や長期優良住宅などによって、昔のように25年くらいで建て直して新築する時代は終わり、いい家に長く住む時代が来ると思います。となると、今後は中古市場やリフォーム、リノベーションに注目が集まる時代が来ます。また、国が普及を後押ししているSI住宅「スケルトンインフィル住宅(躯体部分をそれ以外と完全に区分することでリフォームしやすくする構造体の物件)」の動向も今後注目です。
  • まとめ

    常に最新の不動産市況を確認することは、不動産投資を成功させるために必要不可欠です。不動産価格をチェックできるサービスやツールを活用して、不動産市況の動向を把握するようにしましょう。

    2023年の不動産価格は、さまざまな要因が重なり上昇を続けていますが、不動産価格に悪影響を及ぼす数多くの問題が存在するのも事実です。今後の状況を冷静に注視しながら、不動産投資の成功を目指しましょう。

    監修者情報

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