世界にひとつだけの香りを届ける——南幌町のフレグランスショップ「gru」がつなぐもの

生活

#インテリア#おでかけ#カフェ

なかの2025.07.24

札幌から車でおよそ1時間。  

ドライブがてら、香りを楽しみに訪れる人、カフェでひと息つきに立ち寄る人——そんな日常の延長にあるのが、南幌町のフレグランスショップ「gru(グル)」です。 

このお店では、自分の「好き」を選び、調合して、あなただけの香りをつくることができます。 

さらにカフェは犬同伴OK。香りとコーヒー、そして犬との時間を一緒に楽しむことができる、少しユニークな空間です。 

  

世界に一つだけの香りをつくる体験ができるこの店は、元ジョンソンホームズのスタッフが独立し、立ち上げました。 

長年抱いていた「いつか自分のお店を持ちたい」という夢を、香りという軸で叶えた場所です。 

「いつか自分の店を」——夢と模索の日々

「いつかは自分のお店を持ちたい」。
その思いは、学生の頃からずっと心の中にありました。 

 

犬が大好きだったので、元々は「ドッグカフェをやりたいな」と考えていて。 

 

ジョンソンホームズで働いていた5年間も、その想いはずっと持ち続けていて、パン屋さんとか、いろんな選択肢をずっとあれこれ考えていました。 

 

そんな中でふと思い出したのが、旅行先で訪れるのが好きだったフレグランスショップのことでした。
自分の好きな香りを調合できるお店に行くのが楽しみで。こういう体験が、地元にもあればいいのになって、ずっと思っていたんです。 

 

その思いが、自分の中にあった「フレグランスが好き」という気持ちを改めて呼び起こしてくれて。
その幸せな香りの空間に、自分も包まれていたら、それだけで幸せだなって思ったんです。
そこから少しずつ、香りを軸にした店づくりへと気持ちが動いていきました。 

店のコンセプトと哲学「世界に一つだけの、あなただけの香り」

お店のコンセプトは、「世界に一つだけの、あなただけの香りをつくること」。
ブランドものの香水を買うのもいいけれど、私は「自分で選んで、つくる」という体験そのものに魅力があると思っています。
香りって、選ぶときの気分や季節、その日の体調でも感じ方が変わるからこそ、自分の「今」に合ったものを自由に選べたら、すごく豊かだなって思うんです。 

 

うちでは、今17種類の香りを用意しています。
ハーブ系、ウッディ系、甘め、シトラス系など、ジャンルはけっこう幅広くて、
「こういう香りが好きなんですけど…」と相談してもらえれば、提案もできます。 

 

でも、特にルールはなくて、「とにかく直感で選んでもらえたら嬉しいです」って伝えています。
というのも、どれを選んで組み合わせても絶対におかしくならないように、あらかじめ香りのバランスを設計してあるんです。 

 

最大で4種類まで香りをブレンドできて、その組み合わせは3,913通りもあるんですけど、
「失敗したらどうしよう」と思わずに、安心して自由に楽しんでほしくて。
「絶対いい香りになりますから、大丈夫です」って、お客さんにはいつもお伝えしています。 

デザインと空間へのこだわり

香りだけじゃなくて、ボトルやパッケージのデザインにもすごくこだわっています。
私は、買い物のときの「帰り道のワクワク感」がすごく好きで、「これ、持ち帰るの嬉しいな」って感じてもらえるようなものにしたいと思ったんです。
かわいいだけじゃなくて、手に取ったときに少し特別な気分になれるような、そういう「気持ちの上がる瞬間」もお土産にしてほしいと思っているんです。 

 

店内の空間も、木の温かみや色味を大切にしています。
オレンジをアクセントカラーにしているのは、男女問わず好まれる色で、なおかつ今っぽいニュアンスもあって。
来てくれた方が「なんか居心地いいな」「ここ、かわいいな」って感じてくれたら嬉しいです。 

 

フレグランスのお店ではあるんですけど、うちは犬も一緒に来られるので、店内全体に香りを強く漂わせるような演出はあえてしていません。
香水づくりのときに香りをしっかり感じられるようにしつつ、わんちゃんにも配慮した、ほどよいバランスを心がけています。 

お店の名前は「gru(グル)」って言うんですけど、これは、接着剤の「glue(グルー)」から少しもじってつけました。 

 

人と人をつなげたり、思い出や記憶と香りをつなげたり——
そうやって、いろんなものを繋ぎ合わせるようなお店になれたらいいなと思ったんです。 

香りを通してつながる、地域と人とのご縁

お客さんの層は、本当にいろいろなんです。
学生さんから50代くらいの方まで、年齢もバラバラで。
地元の南幌の方はもちろん、札幌、岩見沢、苫小牧、江別あたりからもよく来てくださいます。 

香りをつくりに来る人もいれば、カフェを利用しに来る方もいて、モーニングの時間にふらっと寄ってくれる方もいます。 

 

お店を朝8時から開けているんですけど、私は朝の時間が結構好きで。
北海道の人たちも、もっと「朝カフェ文化」みたいなのがあったらいいのにって思っていて、
「会社に行く前にコーヒーと朝食を買いに寄る」みたいな、そういう日常の一部になれたら嬉しいです。 

 

あと、朝は近所の外国人の方が来ることが多くて、店内で英語しか飛び交っていないときもあります(笑)。 

香りと犬、いっしょに過ごせるちょっと変わった空間

カフェでは犬も同伴OKにしています。  

 

看板犬は私の家の犬たちで、全部で4匹いるんですけど、おとなしい子をローテーションで出勤させています(笑)。  

 

それ以外にも、仲良しのトリマーさんや魚屋さんの犬を預かり看板犬としてお迎えすることもあります。
だから、日によって出勤しているワンちゃんが違うんです。
それを楽しみにしてくれている方もいて、「今日はどの子かな?」って感じで通ってくださる方もいらっしゃいます。
「ここに来たら、犬と戯れられる」って思っている方もいるくらいで、香りを楽しむだけじゃなく、いろんなワンちゃんとのふれあいを目的に来てくれるのも、すごく嬉しいです。 

忙しくても、香りの中にいる毎日が好き

ありがたいことに、たくさんの方に来ていただいていて。
その分どうしても、混み合ってしまう時間が多くなっています。 

 

一応、InstagramのDMからのご予約も受け付けているのですが、特に土日や祝日は、タイミングによっては1時間ほどお待ちいただくこともあります。 

 

駐車場の台数にも限りがあるので、お車でお越しの方には一度別の場所で待機していただいて、順番が来たらお電話でお呼びするようにしています。 

 

フレグランスの調合は、香り選びの時間も含めて20〜30分ほどかかることが多いので、ご来店の際はぜひ、時間にゆとりをもって来ていただけたら嬉しいです。 

 

お待たせしてしまうこともありますが、それぞれのお客さまにちゃんと向き合って、その方だけの香りづくりを大切にしたいなと思っています。 

香りを通して、人と人がゆるやかにつながっていく

香りをつくる場所であり、コーヒーを飲める場所であり、犬とふれあえる場所でもあるgruですが、活動は店の中にとどまりません。
南幌町で行われる地域イベントやおまつりにも積極的に関わり、自らもフェスの企画運営を行うなど、お店を軸にしながら、まちと人とを結ぶ役割も担っています。 

 

香りと人。日常と記憶。そして、誰かと誰か。
それらをそっと「接着」してくれるような空間が、南幌町の一角で、今日も穏やかに香っています。 

どの香りにしよう…直感で選ぶのも楽しみのひとつ。

作ったフレグランスには「レシピカード」が付いてくるので、次回の楽しみが広がる。

カフェではホットドッグ、ポキボウルやコーヒーなどのメニューが。テイクアウト可

gru Fragrance Labo 
北海道空知郡南幌町北町3丁目3-12 
営業日・営業時間はInstagramでご確認ください 
Instagram 

記事を書いた人
なかの ジョンソンホームズ マーケティング本部

自然に囲まれた田舎で暮らしています。
休日は屋上で猫とのんびり、家から一歩も出ずに過ごすのが最高。

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