人にも犬にも、やさしいごはんと場所を。 「beercat&harbdog」で描く、人と動物の新しい暮らし方
たべる
なかの2025.07.25
やさしい暮らしを届ける、新しいチャレンジ

元ジョンソンホームズスタッフの加藤さんが自宅兼店舗として開業したのは、犬と一緒に過ごせるナチュラルカフェと保護猫シェルター「beercat & harbdog」。
ここでは、犬連れの方も、動物と暮らしていない方も、ゆったりとくつろげるやさしい空間が広がっています。
猫との出会いが変えた暮らし———独立を決めるまで

きっかけは、コロナ禍が始まった頃に出会った、1匹の野良猫でした。
もともとはずっと犬派で、猫と暮らすことなんて考えたこともなかったんですけど、
たまたま実家の近くで保護された猫を一時的に預かることになって。
そしたら、その子がすぐ膝に乗ってきてスリスリしてくれて、「猫って、こんなに懐くの!? カワイイ!」って一気に心を奪われました。
それが、初めての飼い猫になりました。
そこから自然と、2匹目・3匹目と保護するようになって、
2匹目を迎えたあたりで、それまで住んでいた賃貸ではもう手狭になってきて、思い切ってペット可のマンションを買うことにしたんです。
2LDKの部屋で、ひとり暮らしにはちょっと広めだったこともあって、
3匹目を保護したときに、捕獲器の使い方を教えてもらったのがきっかけで「ツキネコカフェ」さんとつながりました。
そこから預かりボランティアとして、本格的に保護猫の受け入れを始めるようになったんです。
暮らしが少しずつ猫中心に変わっていって、気づけば、いちばん多いときで10匹のお世話をしていました。
そのうちに、正社員として働いていた仕事との両立がどんどん難しくなってきて、
「仕事にも猫にも、どっちにもちゃんと向き合えてないかも…」というジレンマを感じるようになって。
数年前に会社を辞めて、「どうせなら、猫のための暮らしにしよう」と思って決断しました。
それから、マンションを出て戸建てに引っ越して、
自宅でできる仕事としてカフェを開業することにしたんです。

保護猫の活動では、人にまだ慣れていない大人の猫の預かりをメインで行っています。
ごはんを食べたり、トイレをしたり——そういう日常のことを、猫が安心してできる環境を整えて、
人との距離を少しずつ縮めていくことを目指しています。
人馴れが進んできた子は、「ツキネコカフェ」さんに戻したり、
信頼できる知人を通じて、新しい家族のもとへ譲渡したりしています。
やさしさをカタチにした空間とメニュー
お店のコンセプトは、「動物と人が共に、自然体で過ごせる場所」。
保護猫たちの暮らしと、お客さまがくつろげるやさしい空間。そのどちらも大事にしたいなと思っていて、自宅とドッグカフェと保護猫シェルターを全部ひとつにした、今のかたちになりました。
お店の名前の「beercat(ビアキャット)」は、家にいる猫たちの名前が「ギネス」みたいなビールの名前ばかりだったことがきっかけで、自然とそう呼ぶようになったんです。
一方で「harbdog(ハーブドッグ)」は、うちの料理が蒸し料理中心で、ハーブやスパイスをよく使うこと、
それと同時に、犬連れの方にも気軽に来てもらいたいなっていう想いを込めて名づけました。


うちの看板メニューは、犬と一緒に楽しめる「せいろ料理」です。
野菜をたっぷり使ったせいろ蒸しや、ふかふかの蒸しパンなど、シンプルだけど体にやさしいものを用意しています。
ハーブやスパイスの香りをほんのり効かせながら、素材そのものの味を大切にしていて、
「食べてホッとするようなごはん」を意識してつくっています。
動物性の食材を使わないメニューもご用意しているので、ヴィーガンの方でも安心して召し上がっていただけます。
人気No1メニューのせいろ定食
蒸し野菜がたっぷり入って、肉・魚・あげ豆腐からメインを選べます
3種類選べる自家製たれが楽しい
ヴィーガンスパイスカレー
スパイスと豆がふんだんに入ってボリューム満点
黒糖蒸しパン 季節のジャム添え
甘さ控えめ・米粉の蒸しパン。わんちゃんもOK
蒸しパンに夢中。一緒に食べられるのが楽しい
空間づくりにも、インテリアや住宅を扱ってきた経験を活かして

うちは「ドッグカフェです」とはあえて言ってなくて、どちらかというと友達の家に遊びに来たような感覚で、気軽に過ごしてもらえる空間にしたいなと思ってつくっています。
店内は、ちょっとトーンを落としたライトグレーの塗り壁に、フレンチアンティークの家具を合わせていて、全体的に落ち着いた雰囲気にしています。
この塗り壁は、自分で塗ったんです。仕上がりがきっちりしすぎないぶん、やわらかい空気感が出せたかなと思っていて、気に入ってます。
前にインテリアや住宅の仕事をしていた経験もあって、そのときの知識や感覚が、自然とお店づくりのあちこちに活きてる気がします。
照明や家具は「The JOHNSON STORE Nango Base」で揃えていて、ドライフラワーのスワッグは「The JOHNSON STORE」で買ったもの。
どれもこの空間の雰囲気づくりにすごく合っていて、選んでよかったなと思っています。
床には滑りにくくて掃除がしやすいフロアタイルを使っていて、玄関には犬用の足拭きペーパーも置いています。
それから、来てくれるワンちゃんの中には、ほかの犬がちょっと苦手な子もいるので、
そういうときは席の距離をとるなど、できるだけストレスなく過ごせるようにしています。
人も犬も、お互いに気兼ねなく過ごせる場所であってほしいなと思っています。
自分らしく暮らすこと

カフェの立ち上げには、物件探しや店舗併用住宅の知識、インテリアの感覚、SNSでの情報発信など、ジョンソンホームズで培ってきた経験が、随所で生きていると感じました。
営業職として多くの人と関わってきたこともあってか、取材中も加藤さんはとても自然体で、お客さまと気さくに言葉を交わしていました。
その距離の近さこそが、「ここにまた来たい」と思わせる、場のあたたかさにつながっているように思います。
「beercat & harbdog」は、犬や猫が好きな人はもちろん、そうでない人も、気負わず訪れることができる場所です。
体にやさしいごはんと、動物たちの気配と、そして静かに整えられた空間が、ここにはあります。
『ここに来たら、ちょっと心があたたかくなる』。
そんな場所を、加藤さんは、動物たちと一緒に、今日も変わらず育て続けています。
- 記事を書いた人
- なかの ジョンソンホームズ マーケティング本部
自然に囲まれた田舎で暮らしています。
休日は屋上で猫とのんびり、家から一歩も出ずに過ごすのが最高。

