一棟マンションの売却方法は?高く売るためのコツや売却の流れを解説

一棟マンションの売却方法は?高く売るためのコツや売却の流れを解説

一棟マンションの売却は、一般的なマンション売却と比べると特徴や規模が異なるため、「誰に売却を依頼すべきなのか」「どのように査定価格が決まるのか」と疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。

分譲マンションの売却とはターゲットが異なり、売却価格も大きな金額となるため、慎重に進めなければ損してしまう可能性もあります。

そこで本記事では、一棟マンションの売却について、売却方法や高く売るコツ、最適な時期を紹介します。確定申告までの流れや注意点も紹介するので、利益を最大にしてスムーズに引き渡しができるよう、ぜひ参考にしてください。

この記事のインタビュー協力者

男性 名前 Fさん
物件種別 一棟マンション
物件エリア 大阪
査定時期 2018年

※J-Nav不動産メディアでは、ユーザーの生の声をお届けするために、商品・サービスの利用者に直接取材を行っています。

編集部:小原

本記事では、マンション売却の実態を知るために、売却経験のある方にインタビューを実施しました。

インタビュー内容はこちら

一棟マンションの売却する2つの方法

一棟マンションの売却方法は、次の2種類があります。

  • 不動産仲介会社に依頼
  • 買取業者に依頼

依頼方法によって購入者が異なるため、特徴や仕組みを1つずつ見ていきましょう。

不動産仲介会社に依頼

不動産仲介会社に依頼した場合、自身の希望に沿った買い主である投資家を探してくれます。引き渡しまでの各種手続きもサポートがあるのも特徴の1つです。

買い主を探す方法としては、不動産仲介会社がかかえる顧客への案内や不動産ポータルサイト、チラシへの広告があります。売却活動を始めてから引き渡しまで3~5ヵ月かかるのが一般的で、物件によっては1年以上かかるケースもあります。

一棟マンションの売却においては、買い手のターゲット層が減ることも考えられるため、早期売却を考えている人は注意しておきましょう。

一度不動産仲介社と媒介契約を結べば、不動産仲介会社からの報告を定期的に聞くだけでもよく、買い主が見つかるまで任せきりも可能です。買い主が異なるだけで、戸建てや分譲マンションを売却するケースと基本は変わりません。

※不動産会社からの報告義務がある媒介契約は、専任媒介契約と専属専任媒介契約の2つです

関連記事:【2024年】不動産仲介の売買実績ランキングTOP10!信頼できる大手不動産会社の特徴を徹底比較

買取業者に依頼

買取業者への依頼とは、一棟マンションの買い主が不動産会社となる売却方法です。不動産仲介会社への依頼とは異なり、売却までに買い主を探す工程がなくなり、交渉がスムーズにまとまれば、1週間程度での現金化も期待できます。

短期間での現金化や仲介手数料がかからないメリットがありますが、仲介を依頼するときと比べ価格が安くなる点は押さえておく必要があります。

買取業者が利益を確保するためには、売却価格より低い価格で買い取る必要性があるため、目安は不動産仲介会社の3~4割減と考えておくとよいでしょう。

売却を急いでいない場合は、仲介による売却をおこなったほうが利益は大きくなります。

関連記事:【2024年最新】不動産買取業者ランキングTOP10!特徴や選び方まで徹底解説

一棟マンションの価格を決めるもの

一棟マンションの売却価格は、次の要素で決まります。

  • 土地の価値
  • 建物の価値
  • 周辺の環境
  • 過去の取引事例
  • マンションの稼働率

土地の価値は基本的に面積が大きいほど高額で、地域によって単価はある程度定められています。建物自体の価値は、階数や部屋数、間取り、見た目、設備、管理状態などで評価されるのが一般的です。

周辺の環境は、主要交通機関へのアクセス、公共施設や商業施設が近く住環境や教育環境に優れているかが評価され、過去の取引事例も含めた査定がおこなわれます。

ここまで説明した内容は居住用の物件でも同様ですが、一棟マンションの売却では、稼働率も重要な要素です。

投資家は利益を求めて物件を探しているため、稼働率が低いマンションは赤字のリスクがあります。売り出す価格を下げても、維持費の負担があり買主は見つかりにくくなるでしょう。

一棟マンションをより高く売るためのコツ

一棟マンションをより高く売るコツは次の4つです。

  • 一棟マンションの相場を調べておく
  • 一棟マンションの売却が得意な不動産会社を探す
  • マンションの価値を高める
  • マンション売却に必要な情報を知っておく

これらが有効な理由や、実践方法について詳しく解説していきます。

一棟マンションの相場を調べておく

相場を調べておくと、安い価格での売却を防ぎ、高すぎる価格で買い主がいつまでも見つからないといった問題を解消できます。不動産仲介会社1社の査定を鵜呑みにせず、複数業者での比較検討や自身での調査も重要です。

過去の取引実績を調べるならば、土地総合情報システムで不動産取引価格情報検索をするのがおすすめです。国土交通省が運営するサイトで、2005年から直近までの取引実績を無料で検索できます。売却したい一棟マンションがある地域を選択し、RCやSRCといった構造でソートするとデータが見つかりやすいでしょう。

また最新の相場を調べたい人は、複数の不動産仲介会社に査定依頼を出すのがおすすめです。1社では判断できなくとも、複数社の平均をとれば相場を把握できます。以下は一棟マンションに対応する不動産一括査定サイトになりますので、利用することで手軽に複数会社から査定価格を受け取れます。

一棟マンションの売却が得意な不動産会社を探す

仲介でも買取でも、不動産会社にはそれぞれ得意があります。一棟マンションの売却が得意なところであれば、蓄積されたノウハウや抱える顧客で、より高い売却を期待できるでしょう。

一棟マンションの売却が得意かどうかは、不動産会社の公式サイトをチェックしてください。自社の特徴としてアピールされ、実績があるなら信頼できます。

効率的に不動産会社を探したい人は、上記で紹介した不動産一括査定サイトも活用しましょう。サイトが独自の基準で不動産会社を厳選しており、査定依頼を進めると最適なところをリストアップしてくれます。

マンションの価値を高める

土地の価値や周辺の環境は自身で変えられませんが、次の2つの方法でマンション自体の価値を高めることが可能です。

  • 空室を埋める
  • マンションの外観をきれいにする

実行に費用がかかることも考えられますが、トータルでプラスになりやすいです。

空室を埋める

空室を埋め稼働率が高いマンションほど、投資家にとっては利益が見込める魅力的な物件です。近隣で似た条件の一棟マンションが売り出されていても、空室が埋まったマンションのほうが早く買い手がつきます。

売却までの短期間で入居者を見つけて空室を埋めたい場合は、賃料を一定期間無料にするフリーレント制度の導入や、管理会社への報酬アップを検討するとよいでしょう。通常の募集よりな費用がかかると考えられますが、空室は埋まりやすくなります。

マンションの外観をきれいにする

外観や共有部分の修繕・補修をおこなうことで、売却価格の向上が期待できます。外観に汚れや劣化が目立つと、相場にあった価格での売却が難しくなり、値引きが必要となってきます。

住民が丁寧に利用してくれていても、経年劣化は避けられません。定期的な修繕・補修に加え、売却前に点検して目立つところはきれいにしておきましょう。

マンション売却に必要な情報を知っておく

マンション売却の知識を身につけておくと、不動産会社のアドバイスに従って問題ないか、売却額を伸ばすためにできることはないか判断ができます。一棟マンションに特化した不動産会社でも、必ずしも最適な売却を実行できるとは限りません。

不動産会社が自社の利益を優先、選択肢を見落としてしまうケースも考えられるため、事前に知識を身に着けておくことで、損を回避できる確率が高まります。

調べた情報で気になったことは不動産会社に積極的に相談して、よい影響を与えることには積極的に取り組むとよいでしょう。

関連記事:マンション売却について相談したい!悩み別に8つの相談先を紹介

関連記事:マンション売却で失敗をしない!8つの事例と対策を徹底解説

一棟マンション売却に最適な時期

売却をおこなうタイミングによって、値段がつきやすい、つきにくいケースが存在します。一棟マンションの売却では、以下の4つタイミングが最適といえます。

  • マンションの価格が上昇傾向にあるとき
  • 築20年以内
  • 減価償却期間が終わったとき
  • 周辺環境の変化

それぞれについて解説するので、売り時のタイミングを見極める材料にしてください。

マンションの価格が上昇傾向にあるとき

一棟マンションに限らず、価格が上昇傾向であれば売り時です。国土交通省が定期的に公表している、不動産価格指数で価格推移を見ると、現在がどのような傾向なのかわかります。

2022年9月時点では、価格の高騰が続いており、下半期も大きな傾向の変化はないと考えられています。住宅ローンの低金利政策終了や新型コロナウイルスのような突発的な事態が起こらない限りは、突然暴落する可能性は低いでしょう。

しかし、マンション売却の専門家でも正確な予想は困難です。売却を検討した時点で上昇傾向ならば、そのときに売却するのも1つの手です。限界まで待っていると、予想外の事態でタイミングを逃す可能性が高まります。

マンション価格の今後について詳しく知りたい人は、次の記事もおすすめです。

関連記事:【2024年最新】マンション価格は今後どうなる?地域別の価格や下落のタイミングを予測

関連記事:【2024年】マンション価格の推移を徹底解説!新築・中古別に動向を予想

築20年以内

マンション価格は、基本的に築年数が経つごとに下がります。築20年以内は毎年の減少幅が大きいため、できるだけ築浅なうちに売却するほうが高額になりやすいです。また、築20年を超えると、設備の修繕が必要になるケースも多いため、出費の少ない築浅の物件が好まれる傾向にあります。

ただし、マンションの所有期間が5年以内の売却では、譲渡所得税が高くなるため注意が必要です。5年を超える所有期間と比べ、支払う税金が2倍近く高くなるため、6年目に入ってから売るほうがお得といえます。

日本でマンションが誕生してから2022年時点で、約70年経っています。売却に出される物件の中には築50年以上のものも存在します。建物の経年劣化や設備を考えると、売買が成約する可能性はあっても、高望みは難しいでしょう。

減価償却期間が終わったとき

節税の効果が切れる「減価償却期間の終了」と合わせて売却を検討するのも1つの手です。

マンションは減価償却資産であり、時間が経過するごとに消耗が起きるため、耐用年数が定められています。この耐用年数をすぎるまでの期間、購入費用を毎年少しずつ経費として処理できることが認められています。

耐用年数(減価償却期間)は、鉄筋コンクリート造の住宅用マンションで47年、給排水や電気の設備で15年など、細かく決められているため、この年数と合わせて売却を検討するのもよいでしょう。

ただし、通常の経年劣化による価値の低下もあるため、減価償却期間が終了するまで所有すればよいというわけではありません。節税効果と早期売却のどちらがお得になるのか計算したうえでの売却が重要になります。

周辺環境の変化

周辺環境の変化は、土地の価値や物件のニーズに大きな影響及ぼします。現時点で周辺の再開発が予定されている、移住者が増えそうという情報がある場合は、売却は先延ばしにしたほうが高価格での売却が可能となるでしょう。

逆に、過疎化が進んでいる、商業施設や企業のオフィスが撤退・移転予定だと、価格の減少が予想されます。長期的なスパンの価格変動となりますが、売却時期の見極めには重要な判断材料です。

一棟マンション売却の流れ

説明 まとめ

実際に不動産仲介会社で一棟マンションを売却する流れは、次の5ステップです。

  1. 売却前の下準備をする
  2. マンションの査定依頼をする
  3. マンションの売却活動
  4. 売買契約締結と引き渡し
  5. 確定申告

ここまでに紹介してきた高く売るコツも含めて、各ステップでやるべきことを詳しく解説します。

関連記事:不動産売却の流れとは?必要書類や契約方法など7つのステップで解説

関連記事:マンション売却の流れをわかりやすく解説!売れない場合の対策や注意点も紹介

1:売却前の下準備をする

融資の返済が残っている人は、残債の確認が必要です。返済中は自由に売却できないため、売却価格で完済できるかの判断する必要があります。仮に売却価格で残債が返済できない場合は、預貯金の取り崩しも視野にいれなければなりません。

この段階でマンション売却に関する情報も収集しましょう。売るのに最適な時期か、土地総合情報システムから相場はいくらかなど、できる限りの準備をします。

また今後の査定や各種の契約のため、次の書類も準備しておくのがおすすめです。

  • 購入したときの売買契約書・重要事項説明書
  • 登記簿謄本(登記識別情報)
  • マンションの間取りもわかる図面
  • 融資の残高証明書
  • 管理報告書・管理委託契約書
  • 賃貸契約書
  • マンションの管理規約
  • 固定資産税や都市計画税の通知書
  • 住民票
  • 印鑑証明書

住民票や印鑑証明書以外は、基本的に手元にあります。紛失していると再発行の手間があるため、早めにそろえておきましょう。初めての査定依頼の時点ではそろっていなくでも問題ありませんが、売却の手続きを進めるうえで必要となります。

段階ごとに不動産会社からの案内があると考えられるため、心配な点は担当者に直接相談するのがおすすめです。

売却に必要な書類についてはこちらの記事でも解説しています。

関連記事:不動産売却の必要書類は?タイミングごとに揃えるべき書類や取得方法を解説

2:マンションの査定依頼をする

下準備が完了したら、マンションの査定依頼をしましょう。依頼したい不動産会社がある場合は直接依頼、これからの検討となる人は不動産一括査定サイトを使うのがおすすめです。

すべての会社に訪問査定を依頼すると対応に追われることが考えられるため、まずは簡易的な机上査定を依頼し、気になった不動産会社で、物件の目視確認もする訪問査定を依頼するとよいでしょう。

結果やサービス内容、担当との相性などから、総合的に売却を依頼する不動産仲介会社を決めます。査定額の高さだけで選んでしまうと、買い手がなかなか見つからず、最終的に値引きとなる可能性もあるため、あくまでも総合的な判断をすることが大切です。

3:マンションの売却活動

不動産仲介会社に売却活動を開始してもらうため、媒介契約を結びます。媒介契約は3種類あるため、担当と相談してどれが自分の売却方法にあっているかを決めてください。

売却活動を始める際は、以下のような内容を決めて開始します。

  • 売り出し価格はいくらにするか
  • 値引きにはいくらまで許容するか
  • いつまで売却したいか
  • どこまで広告を出すか

基本は担当のアドバイスにしたがって決め、事前に調べた情報で気になることがある人は、相談して対策を考えましょう。

売却したい一棟マンションが遠方であれば、内覧の対応も任せておくのも1つの手です。自身の都合があわずに内覧が実施できないと、損失機会となります。

4:売買契約締結と引き渡し

買い主が見つかり、売却価格や引き渡しの条件で合意できたら、売買契約を結びます。契約書にサインをすると、自己都合で簡単にキャンセルはできず、違約金が発生するケースもあります。気になったことは細部まで条件を詰めて契約書を締結してください。

契約を結んだ段階で手付金を受け取り、残りは引き渡し当日にすべての決済を完了させます。当日には登記の変更や融資の完済をおこない、物件の所有権が相手へと移ります。

5:確定申告

一棟マンションの引き渡しが完了したら、翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告をする必要があります。

引き渡しまでの賃貸収入や売却の利益には税金がかかります。前年までの確定申告で提出していた書類に、売却で使った書類も加え、正確な計算が必要です。

国税庁のホームページ内の確定申告書等作成コーナーを使うと、計算ミスを極力減らして簡単におこなうことができます。

仮に確定申告を忘れてしまった場合、追加で延滞税や無申告加算税を請求されます。出ていた利益を減らさないためにも、期限内に提出しましょう。

一棟マンションの売却で注意したいポイント

一棟マンションの売却をスムーズに進めるために注意しておきたいポイントが4つあります。知っていれば対処は簡単なため、すべて確認しておきましょう。

売却するには費用がかかる

一棟マンションの売却には費用がかかり、売却額はそのまま手元に残りません。そのため、売却価格と残債が同じ程度になっていると、実際には返済しきれない可能性があります。

また、最終的に残ったお金をすぐに使い切ってしまうと、翌年分の納税が苦しくなるかもしれません。売却して新しい物件に投資する場合でも、お金の余裕は確保しておきましょう。

売却で発生する必要は「一棟マンションの売却で発生する費用と税金」で紹介しています。

売却理由を明確にする

利益を追求する投資家にとって、一棟マンションの売却理由は、購入の判断材料になります。明確にしていないと、問題があるマンションなのではと考え、購入を見送る可能性が高まります。

とはいえ、赤字が出ていて売却したい場合は、そのまま伝えるのは得策とはいえないでしょう。資産の整理や入れ替え、賃貸経営に自身は不向きだったなど、投資家目線で納得やすい理由を用意するのが無難です。

ネガティブな理由で売却する人は、不動産会社の担当者と相談して伝え方を決めておくのがおすすめです。

一棟マンションは区分マンションよりも売りづらい

一棟マンションは区分マンションよりはるかに高額で、一般の人で購入することは極稀です。ターゲットは投資家絞られるため、売却するまでに一般的な売却に比べ時間がかかる傾向にあります。

実績のある不動産仲介会社を利用しても、短期間で購入希望者が現れ交渉がまとまると保証はないため、どうしても仲介で売却できない一棟マンションは買取業者を利用しましょう。

相場より安くなっても、売れずに価値が下がり続けるより利益は確保しやすいです。

不動産会社との駆け引きに注意する

不動産会社は自社の利益を確保する必要があるため、さまざまな駆け引きがおこなわれることがあります。

顧客獲得のための高額な査定額提示、不動産会社に都合のよい媒介契約の催促などです。流されていると損をしやすく、交渉が長引くと希望の時期までに売却ができない可能性が高まります。

あまりにも自身の希望を無視される場合は、別の不動産会社での売却を依頼するのもよいでしょう。媒介契約を結んでいても、基本的に売買が成約するまで費用は発生せず、契約期間は3ヶ月程度で終了することが多いです。

選び直しや依頼の手続きを再度おこなっても、変更前より希望にあう売却ができたほうがよいでしょう。

一棟マンションの売却で発生する費用と税金

一棟マンションの売却で、最終的に手元に残るお金を計算するため、発生費用や税金について紹介します。実際の金額は売却価格や手続きの方法で変わるため、目安程度にしてください。

必要な費用の種類

一棟マンションの売却に必要な費用は、次の5種類です。金額の目安も記載しています。

仲介手数料 売却価格✕3%+6万円+消費税
融資の繰り上げ返済手数料 融資実行金額の数%
登記変更を専門家にした報酬 数万円
補修費用 数十万~数百万円
測量費用 数万~数十万円

不動産仲介会社を利用するときは、仲介手数料が高額になりやすく、1億円で売却できると336万6,000円になります。買取業者であれば、仲介手数料は不要となるため、売却価格が安くなるものの、費用の節約はできます。

登記変更は、専門家に依頼しなくても可能なため、余裕がある人のみでよいでしょう。測量は新しいマンションだと不要なケースがあるため、不動仲介産会社の担当に相談してから、専門家に依頼するのが大切です。

課される税金の種類

一棟マンションの売却で課せられる税金と金額の目安は、以下の表のとおりです。

印紙税 数万円
登録免許税 数千円
譲渡所得税 所有期間が5年以内:39.63%
所有期間が5年超え:20.315%

印紙税は、契約書に印紙を貼り付け納税します。売却価格によって高額になり、1億円で6万円分を購入となります。登録免許税は融資を完済するときの抵当権抹消で必要となります。

また、譲渡所得税は、マンションの所有期間で税率が変わる確定申告で必要になる税金です。所有期間が5年を超えている場合は20.315%となり、5年以下では約2倍の39.63%となります。

利益を計算する場合は、上記で紹介した費用などを売却価格から引いて求められます。物件によって費用や税金が異なるため、不安な人は不動産会社に相談してみるとよいでしょう。

【体験者インタビュー】一棟マンション売却経験がある方に実態を聞いてみた

J-Nav不動産メディア_インタビュー画像_Fさん

購入されたときの金額をお聞きすることは可能でしょうか?

  • Fさん
    4000万円で購入し、18年間所有していました。
  • J-Nav不動産メディア編集部
    どういう条件になったら売りたいかなども考えられていたのでしょうか?
  • Fさん
    当時売りたいとは考えていませんでした。
  • J-Nav不動産メディア編集部
    一棟マンションを売却する上で、仲介と買い取りのどちらの方法を選ばれましたか?
  • Fさん
    仲介の方が価格が高いので仲介を選びました。
  • J-Nav不動産メディア編集部
    売却する上で、どのような点が特に評価されるなど感じられたポイントはありますでしょうか?
  • Fさん
    法務局で登記がされているかなどが評価されるポイントの1つに感じました。
  • J-Nav不動産メディア編集部
    今後一棟マンションの売却を考えている方がいたら、どのようなアドバイスができますでしょうか?
  • Fさん
    関西の場合は水道メーターが1本しかないため支払い方法をどうするかが考えどころです。
  • まとめ

    一棟マンションの売却金額は大きいため、戸建てや分譲マンションと比べ、買い主のターゲットが限られます。そのため、売却活動期間の長期化や、売り方による売却金額の差が発生しやすいと考えられます。

    できるだけ損をせずに売却をおこなうためにも、本記事で紹介してきたコツや最適な時期を参考に売却を進めてみてください。引き渡しの翌年には、確定申告もあるため忘れてはいけません。

    また、手元に残る金額を把握するためにも、売却にかかる費用や税金の把握も必要です。マンション売却は数少ないイベントとなるため、事前知識を身につけて慎重に進めることが大切となります。

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