不動産クラウドファンディングで元本割れリスクは?5つの対策と信頼できる事業者も紹介

不動産クラウドファンディングで元本割れリスク

少額から投資ができることで人気の不動産クラウドファンディングですが、ファンド終了後に償還金や配当金が出資金を下回ってしまう元本割れのリスクもあります。元本割れはなぜ起こるのか、損失が発生するリスクを最小限に抑える方法はないのか気になっている投資家の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、不動産クラウドファンディングで元本割れが起きる原因と対策について解説しています。過去に元本割れを起こしていない信頼できる不動産クラウドファンディングも紹介しているので、不動産クラウドファンディングで失敗したくない方は参考にしてください。

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不動産クラウドファンディングの元本割れとは?

不動産クラウドファンディグのリスクである元本割れとは、ファンドの運用期間終了後に受け取れる償還金と配当金の合計金額が投資した金額よりも少ないことを指します。不動産クラウドファンディングは少額投資が可能なため、比較的手堅い資産運用ができるといわれていますが、投資である以上元本割れのリスクはゼロではありません。

インターネットを通じて複数の投資家から集めた出資金で不動産の購入や運用をおこない、賃料収入や不動産の売却益で得た利益を償還・分配するのが不動産クラウドファンディングの仕組みです。現物不動産と比較すると運用に手間はかかりませんが、出資分が回収できなければ投資家の資産が減少することを頭に入れておく必要があります。

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元本の保証は禁止されている

元本保証とは預けたお金が減らないまま戻ってくるのを確約することです。定期預金や普通預金、個人向け国債には金融機関や国による元本保証がありますが、不動産クラウドファンディングには基本的に元本保証は設けられていません。出資法により元本を保証して資金を集めることが禁止されているからです。出資法は投資家の不足の損害を予防するためや、誇大広告を防ぐ目的で制定されています。

元本や利益の保証をしなければ、不特定多数の人から資金を集めても出資法違反になることはありません。出資法で禁止されているのは、元本保証をした上での資金集めです。もし元本保証を謳っている不動産クラウドファンディングサービスがある場合は、詐欺や悪徳サービスの可能性が非常に高いため利用しないようにしてください。

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元本割れが起こる3つの原因

投資の中では安全性が高いと言われている不動産クラウドファンディングですが、元本割れはなぜ起こるのでしょうか。ここでは、元本割れが発生する原因を3つ紹介します。

  • 売却金額が購入金額を下回る
  • 想定していたインカムゲインが得られない
  • 運営事業者の経営状況が悪化した

元本割れが起こる理由を詳しくチェックしていきましょう。

原因①売却金額が購入金額を下回る

購入した不動産を高く売却することで運用益を得る戦略をキャピタルゲイン型と呼びますが、売却金額が購入金額を下回ってしまうと十分なキャピタルゲインが得られない状態になります。不動産価格が下落するのは、台風や洪水などの自然災害やリーマンショックなどの世界的な金融危機、法制度の改正など社会情勢による影響が原因です。

逆に不動産市場が活発になり不動産の需要が高まれば多くの利益が発生することもありますが、不動産価格の暴落により想定していた価格で売却できなかった場合は償還金が減って元本割れになるリスクが高まります。

原因②想定していたインカムゲインが得られない

家賃収入で運用益を得る戦略をインカムゲイン型と呼びますが、入居率が低かったり家賃の滞納が発生したりすると想定の運用利益が得られない状態に陥ります。インカムゲインが減る原因としてまず考えられるのが、不動産の需要過多です。競合となるマンションやアパートが入居希望者よりも多い場合入居率は上がりません。

また、競合と差別化するために家賃の値下げ競争が始まると周辺地域の家賃相場が下落します。家賃相場が下がれば家賃を値下げせざる得なくなるため、インカムゲインは目減りしていくことになるでしょう。インカムゲインが減れば分配金は期待できません。状況によっては償還金も減って元本割れを起こすことになります。

原因③運営事業者の経営状況が悪化した

不動産クラウドファンディングサービスを運営する事業者が経営不振に陥ったり、倒産してしまった場合は、残念ですが出資金が戻ってこない可能性が高いです。

不動産クラウドファンディングでは、投資家ではなく事業者が物件を購入して運用します。事業者側の責任で事業撤退となり元本割れが起きても資産家を救済できる制度はありません。不動産クラウドファンディングは、このような不測の事態に弱いといえるでしょう。

元本割れリスクを抑える5つの対策

不動産クラウドファンディングは、投資のため元本保証がありません。失敗するリスクをゼロにすることはできませんが、元本割れのリスクを抑えることはできます。不動産クラウドファンディングの元本割れに有効な対策は、次の5つです。

  • 信頼できる運営事業者を選ぶ
  • 優先劣後出資制度があるファンドに投資する
  • マスターリース契約のファンドに投資する
  • 分散投資をする
  • 利回りの高さだけで投資先を決めない

5つの対策をそれぞれ詳しくチェックしていきましょう。

対策①信頼できる運営事業者を選ぶ

経営悪化や倒産リスクを回避するために、信頼できる運営元かどうかを確認する必要があります。これまでに償還金・配当金の遅延や、元本割れを起こしていないかを運用実績を見てチェックしましょう。また、物件情報がきちんと開示されているか、不動産特定共同事業の許可番号の記載があるか、過去に行政処分歴がないかも確認してください。

不動産クラウドファンディング事業を開始するためには、定められた5つの条件をすべて満たすことと、取引事業者として国土交通大臣等または都道府県知事の許可を得る必要があります。投資家を守るために、金融商品取引法と不動産特定共同事業法基準を満たしていないと事業ができません。なお、小規模不動産特定共同事業者の場合は許可制ではなく登録制です。

不動産クラウドファンディング協会に加入しているサービス

一般社団法人不動産クラウドファンディング協会は、不動産クラウドファンディング業界の信頼性・透明性・認知度の向上を目的とした活動をおこなっています。加盟企業は各ファンドの詳細情報やマーケットレポート・ホワイトペーパーを定期的に公開しているため、信頼性が高いと言えるでしょう。2024年4月時点で加盟しているサービスは、次のとおりです。

一般社団法人不動産クラウドファンディング協会では、投資勧誘はおこなっていません。サイト上で開示されているファンドの詳細については、それぞれのサービスに問い合わせてください。

対策②優先劣後出資制度があるファンドに投資する

元本割れのリスクに備えるために、優先劣後出資方式を採用しているファンドを選択しましょう。

優先劣後方式とは?

優先劣後方式は投資家が優先出資者、事業者が劣後出資者となり、損失が発生した場合に劣後出資者が先に一定の割合を超えるまで下落額を負担する仕組みのことです。優先出資者の元本や分配金の安全性を高めることができます。

劣後出資の比率は事業者によって異なるため、出資比率を確認することも大切です。劣後出資者の比率が高ければ高いほど、優先出資者の安全性は高くなります。

対策③マスターリース契約のファンドに投資する

安定した分配金を得たいなら不動産をマスターリース契約で運用しているファンドに投資しましょう。

マスターリース契約とは?

マスターリース契約は不動産のオーナーが賃借人に対し不動産一棟を貸し出す契約のことです。毎月一定の賃料が入ってくるため、マスターリース契約では空室リスクがなくなります。インカムゲインが保証されることにより、元本割れのリスクを低減することが可能です。

ただし、マスターリース契約にはデメリットもあります。マスターリース契約をしている賃借人の経営が悪化すると、決められた賃料が払えなくなる可能性が高いです。不動産収益の変動リスクには効果が期待できますが、リスクを完全に排除できるわけではないことを理解しておきましょう。

対策④分散投資をする

運営会社の倒産による元本割れのリスクを防ぐためには、複数の運営会社のプロジェクトに参加して分散投資をすることがおすすめです。1つのファンドに資金を集中させてしまうと、失敗した際の損失が大きくなります。分散投資は損失分を他の投資でカバーできることが魅力です。

さらにリスクを低減させたいなら、運用期間を重ねないことが大切です。同時期に複数のファンドに投資した場合、金融危機が起きるとすべてのファンドに影響が出てしまいます。異なる運用期間を選択すれば、元本割れのリスクがさらに分散できるでしょう。

また、自然災害による不動産価値の下落リスクを避けるために異なるエリアにある不動産のファンドを選択しましょう。同じエリアだとすべての不動産に影響が及んでしまうからです。分散投資をおこなう際は、対象不動産のエリアにも注目してください。

対策⑤利回りの高さだけで投資先を決めない

不動産クラウドファンディングでは、利回りが3〜5%のファンドを扱っています。ファンドを選ぶ際には利回りの高い物件に目がいきやすいですが、不動産の種類や立地、運用条件も重要な判断基準です。

物件情報についてはファンドの詳細で確認できます。人気の高いエリアであれば、安定した収益が期待できるでしょう。マンションやアパートは入居率が高ければ需要が期待できます。商業施設や宿泊施設は利回りが高く設定されていることが多いですが、観光客の需要によって左右されるため安全性は高くありません。

高利回りの案件はハイリスクの可能性も高いです。利回りの高さだけで投資先を選択してしまうと、想定していたインカムゲインやキャピタルゲインが得られなくなり、元本割れが起こる可能性が高いです。投資先は物件情報を総合的に判断してから決めましょう。

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過去に元本割れなし!信頼できる不動産クラファン2選

不動産クラウドファンディングを選ぶ際には、元本割れを防ぐために信頼できるかどうかを確認することが大切です。最後にサービスの提供開始から現在まで元本割れを起こしていないCOZUCHI(コヅチ)・TECROWD(テクラウド)の2つのサービスを紹介します。

COZUCHI(コヅチ)

COZUCHIがおすすめな人
  • 投資戦略の幅を広げたい人
  • 運用期間をコントロールしたい人
  • 実績のあるサービスを利用したい人

COZUHIは、短期型であれば一口1万円、中長期型であれば一口10万円から投資を始めることができる不動産クラウドファンディングサービスです。自分の目的やスタイルに合わせてファンドが選べるため、併用することで元本割れのリスクを最小限に抑えることができます。また、手数料はかかりますが換金制度を設けているため、途中で資金が必要になった場合でも臨機応変な対応が可能です。

サービス提供開始以来総ファンド数94件、累計調達額約635億円、累計応募額1,500億円越えの実績がありますが、2024年3月時点で一度も元本毀損は起こしていません。正常償還率100%を維持しています。不動産のプロが今まで培ってきたノウハウを活かしているため、物件選定力は高いです。

COZUCHIはインターネットから投資家登録が可能なため、最短15分で投資を開始できます。マイページから24時間365日いつでも取引可能です。今なら2024年4月30日までの期間中初めて登録する人限定で、Amazonギフトカードが最大50,500円プレゼントされるキャンペーンも実施しています。お得なキャンペーンなので、早めに登録しましょう。

サービス名 COZUCHI
想定年利回り 4〜10%
最低出資金額 短期運用型:1万円〜
中・長期運用型:10万円〜
出資方式 優先劣後方式
運用期間 短期:3ヶ月〜5年未満
長期:5〜10年
買取申込・中途売却 あり(手数料が必要)
会員登録 無料
運営会社 LAETOLI株式会社

関連記事:COZUCHI(コヅチ)の口コミ・評判は?実績やデメリットを解説【担当者インタビューあり】

TECROWD(テクラウド)

TECROWDがおすすめな人
  • 高利回りな案件に投資したい人
  • リスクを最小限に抑えたい人
  • 海外不動産投資に興味がある人

TECROWDは、想定年利8〜10%の高利回り案件を扱う不動産クラウドファンディングサービスです。モンゴルをはじめとする中央アジアの海外不動産に一口10万円から出資できます。毎月最新のファンド情報を得ることが可能な会員登録はもちろん無料です。ファンドは原則先着順で申し込みを受け付けていますが、会員限定で先行抽選も実施しています。

元本割れのリスクをケアするため、事業者が列後出資者になる優先劣後方式を採用しています。賃借人とマスターリース契約を締結しているため、空室リスクも低いです。ファンド運営に関わるすべての金銭授受を円建てでおこなっているため、為替変動のリスクにも対応できます。あらゆるリスクを想定しているため、対策は万全と言えるでしょう。

TECROWDはサービス開始から一度も元本割れを起こしていません。過去ファンドにおける配当金の遅延や元本償還遅延もないです。1年5ヶ月で会員数6,500人、資金調達合計額40億円突破の実績もあります。現地に精通している自社グループが一気通貫事業を展開しているため、配当実績は7〜11%と高いです。

サービス名 TECROWD
想定年利回り 9.8%
最低出資金額 10万円〜
出資方式 優先劣後方式
運用期間 12〜60ヶ月
買取申込・中古売却 なし
会員登録 無料
運営会社 TECRA株式会社

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まとめ

今回は不動産クラウドファンディングの元本割れリスクについて詳しく解説してきました。不動産クラウドファンディングは多くの資金がない人でも少額から気軽に挑戦できますが、元本割れのリスクを避けることはできません。運用期間終了後の運用成績が悪い場合は、償還金や分配金が支払われないこともあります。

元本割れのリスクをゼロにすることは不可能ですが、案件選びや事業者選びをしっかりおこなうことでリスクを最小限に抑えることは可能です。特に信頼できる事業者を見つけることが重要となります。今回紹介した信頼できる不動産クラウドファンディングを参考にして、安心して投資ができる事業者を見つけてください。

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