任意売却でリースバックは利用できる?メリットデメリットも解説

任意売却でリースバックは利用できる?メリットデメリットも解説

住宅ローンが支払えず任意売却をする際「売却後もこの家に住み続けたい」と思う人も多いのではないでしょうか。

実は、リースバックを利用できれば任意売却後も賃貸で住み続けられる可能性があります。ただし、すべての人が利用できるサービスではないので注意が必要です。

そこで本記事では、任意売却とリースバックの違い、任意売却でリースバックが利用できないケース、利用するメリット・デメリットについて解説します。任意売却後も今の家に住み続けたいと考えている人はぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • 任意売却とリースバックの違い
  • 任意売却でリースバックを利用できるか
  • 任意売却でリースバックを利用するメリット・デメリット
  • 任意売却でリースバックを利用する方法

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任意売却とリースバックの違いとは

任意売却やリースバックは、人生に何度も利用するサービスではないためよく知らないという人も多くいるのではないでしょうか。ここでは任意売却とリースバックについて理解を深めていきましょう。

任意売却とリースバックは比較するものではない

任意売却とリースバックは、比較してどちらか一方を選択するものではありません。任意売却は住宅ローンを滞納し競売にかけられそうになった際の選択で、リースバックは不動産の売却をしたあとも住み続けるための選択となります。

任意売却が決まった延長に、リースバックという選択を取れる可能性があるという認識が正しい形といえます。

任意売却・リースバックの概要を解説

任意売却とリースバックの違いは比較できないことがわかったところで、それぞれの詳しい概要を見ていきましょう。

任意売却とは

任意売却とは、住宅ローンの借入金が返済できなくなった際、債権者である金融機関の同意を得て担保不動産を売却する方法です。

債権者が強制的に住宅ローンを回収する競売と違い、任意売却は売却価格や売却日時などある程度、債務者の意思で売却を進めることができます。

また、売却価格が相場より3~5割安くなる競売に比べ、任意売却は市場価格に近い価格で売却できるため残債を大幅に減らすことも可能です。

リースバックとは

リースバックとは、家を売却したあとも不動産会社や投資家などの買い主と賃貸契約を結び家賃を支払って住み続けるサービスのことです。リースバックを利用すれば家を売却したあとも、住み慣れた場所で生活を続けることができます。

また自宅だけでなく、事務所や店舗、工場でも利用できるサービスです。

ただし、メリットばかりではない点に注意が必要です。家を売却したあとも家賃を払うことで住み続けられるリースバックですが、周辺相場より家賃が高くなる可能性や契約によっては買い戻しができないケースもあります。

契約する際に条件のすり合わせをおこなうため、将来の計画を立てたうえで慎重に利用する必要があります。リースバックの基礎知識や業者に関しては以下の記事でも解説しているので参考にしてください。

関連記事:【2024年】大手人気リースバック業者のおすすめランキング8社を比較!利用のコツや会社の選び方を解説|宅建士監修

関連記事:リースバックとリバースモーゲージの違いは?メリット・デメリットや特徴を比較

任意売却でリースバックを利用できる?

住宅ローンが返済できなくなり任意売却を選択した際、売却後も家賃を支払って住み続けるリースバックのサービスは利用できるのでしょうか。

実は任意売却した際、誰もがリースバックを利用できるわけではありません。一定の条件があり、それらを満たせない場合はリースバックは利用できない可能性が高くなります。

任意売却時にリースバックを利用できるかは不動産会社によっても異なるため、複数社を比較することが大切です。また、任意売却とリースバックを併用するには専門の知識を有するため、実績がある不動産会社に相談しましょう。

リースバックが利用できないケースについても以下で説明します。

リースバックが利用できないケース

任意売却する際にリースバックが利用できない可能性が高いケースを紹介します。

  • ケース1:投資価値がないと判断される
  • ケース2:継続的に家賃を支払える見込みがない
  • ケース3:任意売却自体ができない

1つずつ見ていきましょう。

ケース1:投資価値がないと判断される

リースバックは慈善事業ではないため、不動産会社や投資家などの買手が「利益を得られない」「投資する価値がない」と判断した場合は、利用できません。

任意売却によるリースバックは特に複雑な不動産取引になるため、それを理解してくれる買い手の存在が重要になります。

ケース2:継続的に家賃を支払える見込みがない

リースバックは売却後に賃貸契約になるため、毎月家賃の支払いが発生します。家賃は、不動産会社や投資家など買い手の利益になるため、継続的に家賃収入を得られる見込みがないと判断されるとリースバックは利用できません。

また、現状の住宅ローンよりも家賃の支払いのほうが負担が大きくなる場合も利用は難しいでしょう。

ケース3:任意売却自体ができない

リースバックを利用するには、そもそも任意売却自体の利用ができるか判断しておく必要があります。任意売却するには、債権者である金融機関の同意が必要です。以下のようなケースでは、任意売却の同意が得られにくくなる可能性があります。

  • 住宅ローンを組んでから日が浅い
  • 住宅ローンの残債が多い
  • 共同名義人・連帯保証人の同意が得られない
  • 税金や保険料を滞納している

また、任意売却の同意が得られたとしても売却価格の決定権は債権者である金融機関にあるため、債権者が許可した売却価格にリースバックの評価額に届かない場合は、サービスを利用できません

任意売却でリースバックを利用するメリット・デメリット

任意売却時に利用するリースバックにはメリット・デメリットがあります。特にデメリットはよく把握し、その点を考慮して利用するか検討するのがおすすめです。

任意売却でリースバックを利用するメリット

任意売却時にリースバックを利用するメリットは次の3点です。

  • メリット①売却後も家に住める
  • メリット②売却したことを周囲に知られない
  • メリット③資金に目途が立てば買い戻せる

詳しく見ていきましょう。

メリット①売却後も家に住める

任意売却する際にリースバックを利用する最大のメリットは、売却後も今の家に住み続けられることです。

通常、任意売却後は引越し先を探したり、引越し作業をする手間がありますがリースバックならその手間を省けます。

リースバックには業者によってさまざまなプランが用意されており、一建設のリースバックプラスでは、長期的に住み続けたい人向けのプランや、一定期間後に買い戻しの予定がある人向けのプランなどがあります。

業者によって異なるため、自身のライフプランの予定を立てたうえで契約を結ぶとよいでしょう。

メリット②売却したことを周囲に知られない

通常、家が競売にかけられると自宅の情報が裁判所の競売情報のサイトで公開されるため、周囲に住宅ローンが滞って支払えない状況ということが知られてしまう可能性があります。

任意売却なら通常の売却と同様におこなわれるため、住宅ローンが滞って売却したことまで知られることはありません。

また、リースバックを利用すれば買い主が不動産会社のため、家の販売情報自体がインターネット上に公開されないメリットもあります

メリット③資金に目途が立てば買い戻せる

通常、任意売却した家は他人の手に渡るため買い戻しは難しくなります。しかし、リースバックなら基本的に家を買い戻すことを想定したサービスのため、資金の目途が立てば買い戻せる可能性が高いです。

ただし、買い戻し期間が定められている場合も多く、過ぎてしまうと買い戻す権利を失ってしまったり、家賃を滞納して契約が解除されてしまったりするケースもあるので注意が必要です。

任意売却でリースバックを利用するデメリット

任意売却でリースバックを利用すると、売却後に家に住み続けられたり、売却したことが周囲に知られたりしません。しかし、メリットだけでなく以下のようなデメリットもあります。

  • デメリット①家賃を毎月支払う必要がある
  • デメリット②賃貸契約によっては住み続けられない
  • デメリット③売却価格より買い戻し価格は高くなる

1つずつ解説していきます。

デメリット①家賃を毎月支払う必要がある

リースバックは賃貸契約を結んで居住するため、毎月家賃が発生します。家賃は売却する家の所在によって差はありますが、売却価格の8~13%程度が目安で周辺の家賃相場よりも高くなる傾向にあります。

例えば売却価格が1,500万円の場合、年間家賃総額は120万円~195万円となり、月々10万円~16万円程度の家賃がかかります。

デメリット②賃貸契約によっては住み続けられない

任意売却後にリースバックを利用すると引越しをせず済み続けられるのが大きなメリットになりますが、結んだ賃借契約によってはいつまでも住み続けられない可能性があります。

リースバックの賃貸借契約には、普通借家契約と定期借家契約の2種類があります。普通借家契約は、契約者が希望すれば契約が更新できますが、定期借家契約は自動的な更新がなく契約を続ける場合は再契約が必要です。

再契約するには、不動産会社や投資家の同意が必要になり、同意を得られない場合、売却から数年で退去しなくてはいけないケースも出てきます。

長期的に家に住み続けたいと考える人は、普通借家契約を結べるリースバック業者を選ぶのがおすすめです。おすすめのリースバック業者については、こちらの記事で紹介しているので、参考にしてください。

関連記事:【2024年】大手人気リースバック業者のおすすめランキング8社を比較!利用のコツや会社の選び方を解説|宅建士監修

デメリット③売却価格より買い戻し価格は高くなる

リースバックでは家の買い戻しができるメリットがありますが、買い戻し価格は売却価格よりも高くなってしまいます。

契約プランによっては、年々買い戻し金額が安くなるものもありますが、基本的に売却価格の110%~130%となる場合が多いです。なお、買い戻し価格も契約時に定めておくことができるので、契約時は買い戻し条件をしっかりと確認しておくことが大切です。

 

任意売却でリースバック利用が向ている人とは

任意売却した際、リースバックの利用が向いている人は次のとおりです。

  • 今の家に思い入れがあり住み続けたい人
  • 子供がいて居住地を変えたくない人
  • 家を売却したことを周囲に知られたくない人
  • 将来的に家を買い戻したい人

家庭に子供がいて引越しをすると学区が変わるため、卒業までは居住地を変えたくないという人にリースバックが向いています。賃貸契約になるため卒業までの期間など必要な期間だけ、今の家に住み続けることが可能です。

また、リースバックを利用しても周囲には持ち家から賃貸になったことはわからないため、住宅ローンが支払えず家を売却したことを近所の人など周辺の人に知られたくない人にもおすすめです。

リースバックを契約する際に買い戻し特約を結んでいれば、将来的に家を買い戻せる可能性もあります。ただし、任意売却すると信用情報がブラックリストに入り一般的に5年間住宅ローンを組めなくなるためすぐに買い戻すのは難しい点には注意しましょう。

任意売却でリースバックを利用するには

実際に手続きを進めるとなると、具体的に何から始めるべきかわからない人もいるでしょう。そこで、ここからは任意売却でリースバックを利用する手順について解説します。

①資金計画を見直しリースバックが利用できるか確認する

リースバックは、前提として家賃の支払い能力がないと利用ができません。また、任意売却をしても残債が残る場合は、返済を続ける必要があり、家賃に加え住宅ローンの残債返済も資金計画に含めて考える必要があります。

月々の収入や生活費なども加味しながら、無理のない資金計画を練ることが大切です。また、将来的に家の買い戻しも検討している場合は、その点も十分に試算しておく必要があります。

家の価格や返済計画など自身で計算するには難しい点も多いため、詳しいことは1人で迷わず不動産会社やファイナンシャルプランナーなどに相談するとよいでしょう。

任意売却とリースバックが併用可能な不動産会社を探す

任意売却とリースバックを併用を成功させるには、債権者の金融機関との交渉など専門の知識が必要になります。そのため、任意売却とリースバックの両方の実績のある不動産会社を探すことが大切です。

不動産会社のホームページなどで得意分野を確認して相談先を決めるとよいでしょう。無料で相談に応じている場合も多いので、気負いせず、まずは気になること聞いてみるのがおすすめです。

一括査定を利用できる家まもルーノであれば、コンシェルジュが対応してくれるため、より楽に依頼先を探せるでしょう。

任意売却やリースバックに関するよくある質問

最後に任意売却やリースバックに関してよくある疑問をQ&A形式で紹介します。

リースバック後に家賃が支払えなくなるとどうなる?

通常の賃貸住宅と同様、リースバックも家賃の滞納が続くと契約を解除され退去を求められます。ただし、事故などやむを得ず支払えない場合もあるため、すぐに退去になることはありません

滞納期間は「〇ヶ月以上滞納したら契約解除」という法の定めはありませんが、約3ヶ月滞納すると契約解除、約6ヶ月で強制退去の可能性が高くなってきます

家賃の支払い滞納から退去までの流れは次のとおりです。

  1. 本人へ督促が届く
  2. 保証人に督促が届く
  3. 契約解除の通知がくる
  4. 退去を求められる

本人への督促は約1ヶ月の滞納で連絡がきます。連絡方法は電話・メール・来訪などさまざまな方法が用いられます。

家賃が支払えない場合、公的機関の救済措置が受けられる可能性があるので、早めに援助を検討するとよいでしょう。

任意売却後は住宅ローンが組めないって本当?

任意売却後は信用情報のキズがつき、一般的にいうブラックリスト入りしてしまうため、通常5年間は住宅ローンが組めなくなります

なお、信用情報にキズが付くのは任意売却をしたからではなく、住宅ローンを滞納したことが原因です。一般的に3回以上滞納すると信用情報機関へ登録されるといわれています。

信用情報にキズかついたあとは、住宅ローンに加え他の融資やクレジットカードの発行も審査が通らなくなるので注意してください。

任意売却後に住宅ローン残債がある場合は?

任意売却をしても必ずしも住宅ローンの返済なくなるわけではありません。住宅ローンを完済できなかった場合は、売却後も残債の返済が必要です。

残債の返済は債権者の金融機関と協議・交渉し、毎月返済可能な範囲の額に再設定してもうことができます

まとめ

任意売却する際、リースバックを利用できれば、家賃を支払いながら今の家に住み続けることが可能です。また、資金に余裕ができた時には買い戻しをすることもできます。

ただしすべての人が任意売却時にリースバックが利用できるわけではありません。家自体に投資価値があることや家賃が現在の返済額よりも高くならないこと、利用者の家賃支払い能力があることが条件になります。

まずは、この記事で任意売却でリースバックの概要やメリット・デメリットを把握し、自分に向いた方法なのか確認してみてください。そして、任意売却とリースバックの併用に実績のある不動産会社に相談をしてみましょう。

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