リースバックとリバースモーゲージの違いは?メリット・デメリットや特徴を比較

リースバックとリバースモーゲージの違いは?メリット・デメリットや特徴を比較

自宅などの不動産を活用して資金調達をしようと調べていると、リースバックやリバースモーゲージというサービスが目に入ると思います。サービス名が似た雰囲気のため「似たようなサービスなのでは?」「どう違うの?」と思う人も多いのではないでしょうか。

実はこの2つのサービスは仕組みがまったく異なり、リースバックは自宅を売却して、リバースモーゲージは自宅を担保に融資して資金を調達する方法です。

本記事では、このリースバックとリバースモーゲージの概要や違いついて詳しく解説します。それぞれのメリット・デメリットも紹介するので、どちらが自分に向いたサービスなのか悩んでいる人もぜひ参考にしてください。

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リースバックとリバースモーゲージの概要

リースバックとリバースモーゲージはどちらも自宅を活用して資金を調達する方法になりますが、仕組みがまったく異なります。そこで、まずは2つのサービスの概要について解説します。

リースバックとは

リースバックとは、自宅を売却して資金を調達し、売却後も家賃を支払うことで住み続けられるサービスです。

自宅を売却するため、まとまった資金を一度に手に入れられる方法になります。また、売却は仲介売却ではなく業者の買い取りのため、短期間で現金を調達することが可能です。

さらに、物件を売却して入手する資金のため使途に制限なく生活費のほか事業資金や子供の学費、住宅ローン返済、高齢者住宅へ入居金など自由に使うことができます。

おすすめのリースバック業者を知りたい人はこちらの記事でも解説しています。リースバック業者の比較ポイントも解説しているのでぜひ参考にしてください。

関連記事:【2024年】大手人気リースバック業者のおすすめランキング8社を比較!利用のコツや会社の選び方を解説|宅建士監修

リバースモーゲージとは

リバースモーゲージとは、自宅に住みながら自宅を担保にして資金を借り入れて調達するシニア向けのサービスです。

元本の支払いは契約者が亡くなられた際、または契約終了時に自宅の売却などで一括返済するため、毎月の支払は利息だけになります。

借り入れた資金の受け取り方法はサービスによって異なり、主に次の方法があります。

  • 一括まとめて受け取る
  • 毎年一定の金額を受け取る
  • 随時決められた範囲の額を受け取る

資金は金融機関からの借り入れのため、使い道は生活資金や自宅のリフォームなど制限が設定されている場合が多いです。

リースバックとリバースモーゲージの違いとは?特徴を徹底比較

リースバックもリバースモーゲージも自宅に住み続けながら、資金を調達できる方法になりますが、資金調達の方法が大きく異なり、リースバックは自宅を売却して、リバースモーゲージは自宅を担保に借り入れして資金を調達します。

ここでは、2つの違いを詳しく比較してみましょう。

リースバック リバースモーゲージ
仕組み 物件を売却後、そのまま賃借する 住み続けながら物件を担保に融資を受ける
借入の有無 なし あり
所有権の移転 する しない
資金使途 自由 制限される可能性あり
対象物件 戸建て・マンション・事務所・店舗・工場など 戸建て(金融機関による)
利用条件 ・年齢:制限なし
・収入:制限なし
・保証人:不要
・相続人の同意:不要
・住宅ローン:抵当権が設定されていても利用可能
・年齢:制限あり(金融機関による)
・収入:制限あり(金融機関による)
・保証人:必要
・相続人の同意:必要
・住宅ローン:抵当権が設定されていると利用不可

※抵当権:住宅ローンなどを借りた人が返済不可となった際に、融資元である金融機関が不動産を差し押さえることのできる権利

まず1つ目は、所有権移転の有無です。リースバックは物件を売却するため所有権が買い主へ移行しますが、リバースモーゲージは自宅を担保にして資金を調達するため所有権は変わりません。ただし、契約者が亡くなったり契約が終了して融資が一括返済される際に物件を売却すると所有権は買い主へ移行します。

2つ目は、調達した資金の使途です。リバースモーゲージは資金が売却代金のため自由に使うことができます。リバースモーゲージは融資のため、金融機関によっては生活費など用途に制限がかけられている場合があります。

3つ目は、対象物件です。リースバックは戸建て・マンションなどの自宅以外に、事務所や店舗、工場も対象で幅が広いです。一方、リバースモーゲージはサービスにより異なりますが多くの場合、戸建ての物件のみが対象になります。

リースバックのメリット・デメリット

リースバックとリバースモーゲージの概要と違いが把握できたところで、それぞれのメリット・デメリットを確認していきましょう。

まずはリースバックのメリット・デメリットを解説します。

リースバックのメリット

次の3つがリースバックのメリットです。

  • メリット①利用条件が厳しすぎない
  • メリット②家を短期間で現金にかえられる
  • メリット③買い戻せる可能性がある

詳しく解説していきます。

メリット①利用条件が厳しすぎない

リースバックは、住まいの戸建てやマンションだけでなく、法人が所有する事務所や店舗、工場、駐車場、一棟ビルなど幅広い不動産でサービスの利用が可能です。

また、売却後に家賃を支払って住み続けるということ以外、一般的な売却と変わらないためサービス利用に年齢制限がありません。住宅ローンの残債があっても、売却代金などで返済できれば問題なく利用できます。

さらに、不動産を売却した得た資金は用途に制限がなく、生活費はもちろん住宅ローンの返済、老後の資金、事業の資金、など自由に活用できるのも魅力です。

ただし、賃貸契約が結べる程度の収入があることは条件に入ってくるので注意しましょう。

メリット②家を短期間で現金にかえられる

リースバックは、契約を結んでから2週間~1ヶ月程度で自宅を売却でき現金にかえることができます

一般的な不動産売却は、不動産会社が仲介に入り買い手を見つける必要があるため3~6ヶ月程度の期間がかかり、必要なときに現金をなかなか入手できません。

しかし、リースバックは、不動産会社が買い主となるため販売活動期間が短縮されスピーディーに自宅を売却できます。

メリット③買い戻せる可能性がある

リースバックは、買い戻し制度があり契約条件によっては物件を買い戻せる可能性があります。

そのため、一時的な問題によりリースバックで資金を調達し、問題解決後に経済的に余裕ができたら買い戻すことが可能です。買い戻しする際の価格は、基本的に売却した価格の110%~130%程度になります。

買い戻しの価格やタイミングなどの条件は、契約書に明記できるため買い戻しを検討している場合はしっかり記載しておくことが大切です。

リースバックのデメリット

リースバックは、利用条件が比較的優しく、短期間でまとまった現金を手に入れるメリットがある一方、次のようなデメリットもあります。

  • デメリット①家賃が発生する
  • デメリット②一般的な売却より価格が安くなる可能性がある
  • デメリット③ローン残債が多いと受け取れる資金が少ない

デメリットも把握しておけば、その点を考慮してサービスを利用できるため、あわせて確認しておきましょう。

デメリット①家賃が発生する

リースバックは、物件売却後は住宅ローンや固定資産税などの固定費がかからなくなりますが、住み続けるためには家賃を支払う必要があります。

リースバックで設定される家賃は、売却価格によって決まります。売却価格が高ければ家賃も高く、安ければ家賃は安く設定される仕組みです。そのため周辺の家賃相場よりも高くなる場合もあります

家賃は業者と事前交渉も可能なため、無理のない額に設定されているか必ず確認しましょう。

デメリット②一般的な売却より価格が安くなる可能性がある

リースバックを利用して売却すると、一般的な仲介売却よりも売却価格が20%~40%程度安くなる傾向にあります

リースバックなどの業者に物件を買い取ってもらう場合、業者が家賃収入を得るための投資用不動産としての利回りを重視するため、仲介での売却と比べると価格が安くなってしまいます。

ただし、買取価格は交渉ができます。複数の業者に査定を依頼し比較しながら交渉してみると価格が上がる可能性もあるでしょう。

デメリット③ローン残債が多いと受け取れる資金が少ない

リースバックは、住宅ローン残債がある物件でも利用ができますが、ローン残債が多い場合、返済に資金が回るので受け取れる金額が少なくなります。

また、住宅ローンの残債が多すぎて売却価格で完済できない場合、抵当権を外すことができないため、リースバックは利用できません

ただし、残債の不足金額を貯金等の他の方法で補填できればリースバックは利用できます。

リバースモーゲージのメリット・デメリット

リースバックに続いて、リバースモーゲージのメリット・デメリットも解説します。それぞれのメリット・デメリットを確認することで自分に合ったサービスがどちらかわかりやすくなります。

リバースモーゲージのメリット

リバースモーゲージのメリットは次の3つです。

  • メリット①自宅を手放さず融資を受けられる
  • メリット②高齢でも借り入れできる
  • メリット③月々の支払は利息分のみ

詳しく見ていきましょう。

メリット①自宅を手放さず融資を受けられる

リバースモーゲージは、自宅を手放さず融資を受けられるサービスです。また、売却ではなく借り入れのため所有権を移転させる必要がありません。

所有権の移転は、契約者が亡くなったあと、または契約終了後に売却する際におこなわれるので、それまでは自分名義の家に住み続けることができます。

リースバックの場合は反対に所有権が第三者に移るため、所有者のルールにしたがう必要が生じます。自由にリフォームなどをしたい人にとっては所有権が移らない点はメリットとなるでしょう。

メリット②高齢でも借り入れできる

一般的に収入のない高齢者は、金融機関から融資を受けるのは難しくなります。しかし、リバースモーゲージはシニア向けのサービスのため高齢であっても借り入れが可能です。

◯歳以上と、利用するための年齢制限を設けているサービスも多く、50歳以上・60歳以上といった年齢が多くなっています。自宅を担保にしているため信頼度が高くなっており、年金収入のみであっても借りられる可能性が大きいといえるでしょう。

メリット③月々の支払は利息分のみ

リバースモーゲージは、月々の返済は利息分のみです。元本は契約者が亡くなられたあと、または契約終了後に担保にしていた家を売却して支払われます。

月々の支払いが利息分だけのため、毎月のお金の確保がしやすくなります。手元に現金を残しつつ、生活に余裕を持たせたい人に向いているサービスといえるでしょう。

リバースモーゲージのデメリット

月々の支払いが利息分のみと安い反面、次のようなデメリットもあります。

  • デメリット①利用条件が厳しい
  • デメリット②長生きした場合にリスクがある
  • デメリット③不動産価格下落や金利上昇のリスクがある

知らないと後悔するリスクもあるのでしっかりと把握しておきましょう。

デメリット①利用条件が厳しい

リバースモーゲージは、利用条件が厳しくサービスを利用できない可能性もあります。

対象物件は基本的に戸建てのみに設定されている場合が多いです。分譲マンションや事務所、店舗は利用できません。

また、対象物件の所在が一都三県や首都圏に限定されている、担保評価額が〇千万円以上、など縛りが設定されている場合が多く、利用できる物件が限られます。

さらに、子供や孫と同居している場合は利用できない場合が多いです。リバースモーゲージは、契約終了時点で家を売却することが前提になっているので、子供や孫と同居しているとスムーズに売却を進めることが難しくなるためです。

加えて、子供や孫などの相続人の同意が必要になるため、本人たちの決定だけでサービスを利用できないデメリットもあります。他にも、融資で得た資金は生活費やリフォーム費用など使途に制限がかけらている場合もある点や保証人が必要になる点などにも注意が必要です。

デメリット②長生きした場合に発生するリスクがある

リバースモーゲージは、契約者が長生きすることで発生するリスクがいくつか存在します。

まず、長生きし融資限度額に達してしまうとそれ以上の借り入れができなくなり、資金調達が難しくなってしまいます。

加えて、契約期間が設定されているタイプの場合、想定よりも長生きをすると生きている間に元金の一括返済が必要になり、自宅を失うリスクもあります。

また、自宅を売却しても借入額に届かない場合は借金だけ残る可能性も出てきます。契約内容によっては、契約者が亡くなったあとも相続人が支払わなければいけない可能性があるため注意が必要です。

デメリット③不動産価値下落や金利上昇のリスクがある

リバースモーゲージでの融資額は、担保である不動産の評価額に応じて決定します。評価額は定期的に見直しがおこなわれるため、価値が大幅に下落すると融資限度額が下げられる可能性があります。

見直し後の評価額が契約に定めた借入限度額を上回ると、超過額を返済しなければいけなくなるため、融資限度額ぎりぎりまで借り入れる際は気をつけなければなりません。

また、リバースモーゲージの多くは変動金利に設定されており、金利引き上げのリスクもあります。金利が引き上げられると、月々の支払額が増加します。

リースバックとリバースモーゲージどちらがいい?

それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、それぞれのサービスの利用に向いている人を解説します。

リースバックの利用が向いている人

リースバックは次のような人の利用に向いています。

  • 事業や投資に資金を活用したい人
  • 将来的に転居を予定している人
  • 不動産の相続問題を避けたい人

リースバックは資金の使途が自由なため、生活費やリフォーム費用以外にも、新しい事業の資金や投資活動への資金にしたい人に向いています。

将来的に転居を予定している人にもおすすめです。たとえば、高齢者住宅へ転居余地の人も、まとまった資金が入るため入所一時金や生前整理などに費用を使うことができます。

また、物件は家賃を支払えば今のまま住み続けられるため、転居先を探したり、転居するタイミングを調整したりすることも可能です。

不動産の相続問題を避けたい人も利用が向いています。多くの場合、不動産は均等に分割するのが難しいため相続人がもめることも少なくありません。その際、リースバックを利用すれば、住まいを変えることなく不動産を現金化できるため、相続での問題要素を減らしておくことができます。

関連記事:【2024年】大手人気リースバック業者のおすすめランキング8社を比較!利用のコツや会社の選び方を解説|宅建士監修

リバースモーゲージの利用が向いている人

リバースモーゲージは次のような人の利用が向いています。

  • 自分名義の家に住み続けたい人
  • 家をリフォームして住み続けたい人
  • 将来的に家が空き家になる人

リバースモーゲージは、最後まで今の家に住み続けたい人におすすめのサービスです。最終的に元本返済時に家を売却するまで、自分名義の家に住み続けることができます。

また、資金をまとまった額で受け取ればリフォームして住み続けることも可能です。

ただし、サービスを利用する際は相続人の同意が必要になるため、相続人それぞれに住む家があり同意を得られる状況の人が向いています

まとめ

リースバックとリバースモーゲージはどちらも、自宅などの不動産を活用して資金を調達したうえで住み続けられる方法です。ただし、調達方法に違いがあり、リースバックは自宅を売却して、リバースモーゲージは自宅を担保に借入して資金を調達します。

どちらの方法がよいというわけではなく、自分や家族、不動産などの状況や今後どのようにしていきたいかにより向いているサービスが異なります。

そのため、利用を検討する際は「資金を何に使いたいのか」「将来的に家に住み続けるのか」などを中心に検討するとよいでしょう。また利用する際は、それぞれのメリットだけでなくデメリットも把握して、自分に合ったサービスを選んでください。

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