恩師の教えを未来へ。札幌市立大学「那須聖展 – 知の庭 」から学ぶ、人とのつながりと家づくり
取り組み
なかの2026.09.15

札幌市立大学で多くの学生に愛され、建築・まちづくりの分野で多大な功績を残された建築家で研究者の那須聖(なす さとし)さん。
54歳という若さで急逝された那須先生を偲び、2026年8月29日から9月5日にかけて、札幌市立大学 芸術の森キャンパスにて展覧会「那須聖展 – 知の庭 」が開催されました。
この展覧会には、ジョンソンホームズの社員である上田さんや北山さん(札幌市立大学OB)をはじめとする卒業生数名が企画・運営に携わりました。
今回の記事では、この展覧会に込められた想いなどを上田さんに取材しました。
卒業生と在校生が力を合わせた「世代を超えた協働」

今回の札幌巡回展は、昨秋に東京(東京科学大学/旧・東京工業大学)で開催された追悼展に続くものです。札幌で10年間にわたり教鞭を執られた那須先生の功績を称えようと、卒業生たちが中心となって企画がスタート。
準備にあたっては、オンライン会議を幾度も重ねながら、指導教員や在校生らも参加したプロジェクトへと発展。
コロナ禍で希薄になりがちだった先輩・後輩の「縦の繋がり」が、この展覧会の準備を通じて再び温かく結びつき、次世代へ教えを継承する貴重なきっかけとなりました。
学生は「ガーデナー」。那須先生が遺した自由と寛容の思想

会場となった札幌市立大学 芸術の森キャンパスでは、那須先生の研究室があったA棟の広いアトリウムをメイン会場として、札幌での活動、その後の東京での活動、多岐にわたる研究内容を、庭園のように自由に見て歩く構成となっていました。
那須先生は生前、研究室や学びの場についてこのような言葉を遺されています。
「大学の研究室は知の庭であり、学生はそのガーデナーです。庭には毎年、新しい種子がまかれ、知の生態系が更新されます。(中略)建築もそのように寛容でありたいと思っています。」
学生一人ひとりが持つ「好き」という種を自由に育て、多様な花を咲かせることを何より尊重していた那須先生。
今回の展覧会は、全国・多様な分野で個性を開花させた卒業生たちの姿を可視化する場となり、まさに先生の教育理念が「知の庭」として結実した瞬間でした。

一週間という短い期間でしたが多くの方が来場され、建築関係者や学生、地域の方々からも「1週間ではもったいない」と多くの人の心に温かな余韻を残しました。
全長約100mのスカイウェイに広がる「知の庭」のつながり

またメイン会場へとつながる導入の展示として、芸術の森の山を貫通する特徴的なアプローチである全長約100mの「スカイウェイ」を使い、空間全体をダイナミックに活用した展示が行われました。
ここでは「つながる展」と題し、那須先生にゆかりある卒業生や教職員がいまどのような仕事や活動をしているかが生き生きと展示されていました。
ジョンソンホームズの社員である上田さんも出展者のひとり。先生の建築思想を立体的に伝える模型や実物再現を手がける一方、「つながる展」では専門的な知識をわかりやすく翻訳して暮らす人に届けるという現在の家づくりの仕事に、恩師の教えがどう息づいているかを発信しました。
人と人との繋がりが、住まいと暮らしを豊かにする

ジョンソンホームズが提案するのは、単に「家という箱」を建てることではありません。そこに住むご家族が、周囲の人や地域、過去から未来へと続く温かい縁の中で、自分らしく豊かな人生を育んでいくことです。
那須先生がつないでくださった縁が、こうして卒業生たちを動かし、世代を超えた取り組みへと結実している——それ自体が、「受け継いだ想いや居場所のあり方を、次の世代や社会へと繋いでいく」という、暮らしの本質的な豊かさをそのまま体現しています。

那須先生が蒔いた種は、いまや卒業生たちの手によって様々な暮らしの現場で花開いています。私たちジョンソンホームズもまた、住まいづくりを通して、皆さまの人生に素敵な花が咲くお手伝いをしていきたいと考えています。
写真提供:クドウテツト
- 記事を書いた人
- なかの ジョンソンホームズ マーケティング本部
自然に囲まれた田舎で暮らしています。
休日は屋上で猫とのんびり、家から一歩も出ずに過ごすのが最高。
