家づくりを始める前に
土地探しで重要なポイントとは? 希望を叶えるための準備と注意点
この方にお話を聞きました
北野 浩平さん
ジョンソンホームズ 新築住宅事業「COZY」マネージャー
新築住宅事業「COZY(コーズィ)」の責任者。住宅営業のキャリアを通じて、これまでに多くの住宅を手がけた実績を持つ。その後、フランチャイズ事業のリーダーとして、マーケティング戦略や組織作り、人材育成などのトータルサポートを実践。幅広い知識と明るい人柄で、多くの顧客から信頼を寄せられている。
自身も二世帯住宅を建てた経験を基に、土地選びの重要ポイントや最新のトレンドをわかりやすく解説。
この記事でわかること
土地探しを始める前に必要な準備を
土地探しを始める際に、やみくもに土地の情報を集めても、情報が多くどれが良いのか迷ってしまうこともあります。
自分なりの軸をもって土地探しをするために、準備しておくと良いことについて解説します。
理想の暮らしから土地を考える
いきなりですが、質問です。
土地探しをスムーズに進めるために大切なことって、何だと思いますか?
僕は、「何のために家を建てたいのか?」という家づくりの目的を明確にすることだと考えています。
マイホームがほしいと思う背景には、例えば「子どもをのびのび育てたい」「庭でBBQを楽しみたい」「通勤に便利なところに住みたい」など、叶えたい暮らしがあるはず。
こうした目的が、土地と建物を決める上で一番重要な判断基準になるからです。
家がほしいと思ったらまず最初にやってほしいのは、「理想の暮らしを叶える家や環境」を具体的にイメージすること。
家づくりで何を重視するのか、家族で一度書き出してみてください。
庭は広めに確保したいとか、通勤よりも子どもの教育環境が大事だよねとか、いろいろ出てくると思います。
理想的な家の形が見えてくれば、その家を建てることができる土地の条件も整理できるようになります。
予算を把握しておこう
もちろん、予算あっての家づくり。
土地と建物、諸経費を含めた予算を決めて、どれくらい住宅ローンが借りられるのかを確認しておくことが肝心です。
その上で建物を重視するのか、土地を重視するのかによって、予算配分はおのずと決まってきます。
土地・建物・資金のバランスがとれる落としどころを見つけていきましょう。
住宅を建てる際に必要な費用の内訳や予算の目安については「住宅購入時の資金計画で押さえておくべき5つのこと」もあわせてご覧ください。
スムーズな土地探しのポイント
あなたが良いと思った土地は、他の人にとっても魅力的。
好条件の土地は、あっという間に売れていきます。
時間との勝負なので、希望のエリアで良い土地が見つかれば、その日のうちに「この土地にする!」と決断できる状態にしておかなければいけません。
そのために必要なポイントは3つあります。
条件に優先順位をつける
新たな住まいに何を求めるのか、土地のこだわり条件に優先順位をつけておきます。
子どもの住環境、駅近などの利便性、価格、日当たりなど、希望はたくさんあると思いますが、すべてが叶う土地はなかなかありません。
上位3つくらいが叶えられれば良しと考え、100点満点ではなく70点の土地を探すことが大切です。
希望エリアの相場を知る
住みたいエリアを絞ったら、相場を把握しましょう。
不動産ポータルサイトで検索すれば、だいたいの相場は理解できるはずです。
土地の良し悪しを見極める
不動産ポータルサイトなどで土地情報を見ていると、「このエリアで60坪600万円!? 安い!」と、すごく良さそうな土地を見つけることもあるでしょう。
でも、ちょっと待ってください。
安い土地には、必ず安いなりの理由があるんです。
一見コスパが良さそうな土地でも、使いにくい形のせいで家の大きさや暮らしに制約が出たり、後からかなり費用がかかる土地だった!なんてことも。
そこを見極めるために、「土地の情報の見方」を知っておくことをおすすめします。
「希望エリアの相場」と「土地の見方」が分かると、「この条件でこの価格はなかなか良い!」などと判断できるようになってきますよ。
土地の情報でチェックすべきポイントは?
土地探しの時、エリア、価格、面積ばかり見ていませんか?
それだと、「掘り出しものが見つかった!」と思い込み、厄介な土地を購入してしまう可能性も…。
ここでは、土地の良し悪しを見極めるためのチェックポイントについてご紹介します。
盲点になりやすい「土地の見方」についてお話しましょう。
地形(じがた)に注意
土地の中には、使いにくい形もあります。
その代表例が、細い通路の奥に土地が開けている「旗竿地(はたざおち)」。
建築資材を運び入れにくいだけでなく、車の出し入れや冬の除雪にも苦労するかもしれません。
旗竿地以外にも、土地の形状が細長すぎてうまく駐車場を取れない…といった土地も。
安いからと安易に飛びつかず、デメリットも理解しておく必要があります。
高低差は建築費用がかさむ
道路よりも高くなっていたり、高低差があったりする土地も、相場より価格が安い傾向にあります。
車止めをどうやって作ろう?とか、コンクリートの階段や壁を作るのに500万円かかる…なんて問題も出てきます。
たとえ600万円の土地を見つけても、結局1,000万超えという話になってしまうんですね。
建築費用が高くなるリスクがあることは覚えておきましょう。
「南向き」にこだわるのはもったいない!
日当たりの良さを求めて、「南向きの土地だけ」にこだわる方もいるのですが、それはちょっともったいないなと思います。
確かに南向きの土地は、南側が道路に面しているので日差しがたっぷり入ります。
でも大事なのは、向きというより土地の南北の長さ。
奥行きがある土地なら、北向きでも日当たりを確保できるんです。
それは、上の図のような南北に長い北向きの土地の場合。
駐車場のスペースは1台分が幅2.5~3m、奥行き5~6mなので、幅9mの土地なら2~3台置けます。
道路側に駐車場、その後ろに家を建てた上で、土地の南側に3〜4m以上のスペースが取れれば、隣地との距離ができるので日当たりも比較的取りやすいんです。
北向きの土地なので通常は南向きよりも査定が安いのに、日当たりも叶うなら魅力的ですよね。
土地探しの選択肢が広がりますので、ぜひ覚えておいてください。
用途地域もチェックしよう
用途地域とは、簡単にいうと「街づくりのために都市計画法で設けられた13種類のエリア分け」。
用途ごとにどんな建物を建てることができるかが決められています。
その中でも特に閑静な住環境なのが、第一種低層住宅専用地域と第二種低層住宅専用地域です。
場所は郊外になりますが、名前の通り建てられる高さなどに制限があり、静かで落ち着いた暮らしができます。
子どもをのびのび遊ばせたいという方や、庭でBBQを楽しみたいご家庭におすすめ。
用途地域によって建てられる家のサイズや周辺環境は異なるので、住み心地の予測に役立ちます。
土地探しがうまくいかない! その原因と対策は?
ずっと探しているけれど、土地が決まらない…。
そんな状況に陥ってしまったらどうすれば良いでしょう?
原因を探れば、解決の糸口が見えてくるかもしれません。
土地探しで行き詰まった時 見直しリスト
①建物やローンについて後回しにしていませんか?
ひたすらネットで土地を探し続けて1年経過…なんて方、案外少なくないと思います。
どんな家を建てるかや住宅ローンがいくら借りられるかを棚上げしたまま、「良い土地を見つけないと」に囚われてしまうと、時間だけが過ぎていきます。
これはすごくもったいない!
理想は、建物、土地、支払いについて、それぞれ60点くらいの知識で良いので、学びながら条件に合う土地を探していくこと。
とはいえ、すべて自分で調べるのは大変ですよね。
資金は銀行、土地や建物は不動産会社やハウスメーカーと、プロに相談しながら進めていくと、土地探しもスムーズになるはずです。
②夫婦間で「理想の暮らし」のすり合わせが不十分では?
家族だからといって、こだわりや条件の優先順位が同じとは限りません。
すり合わせがしっかりできていないと、いざ土地を決める段階になって、「こんな高い土地じゃなくて良い」「通勤に便利なエリアの方が良かった」などと、意見がぶつかってしまうことも。
家づくりの目的を叶えるために一番大事なことは何なのか、今一度共通項を見直すようにしましょう。
③相場とかけ離れた予算で土地を探してない?
例えば、相場が2,000万円のエリアなのに、1,200万円の予算で探し続けているケース、実はとても多いんです。
残念ながら、相場に合わない予算では、どんなに探しても土地は見つからないでしょう。
そうすると、疲弊してしまうんですよね。
理想の暮らしが叶うエリアは必ずしも一つとは限らないです。
違うエリアに目を向けたことで、むしろ思い描いていた暮らしが手に入った!なんてこともかなりあります。
特定のエリアに固執しすぎず、予算に合う相場のエリアに選択肢を広げて探してみることをおすすめします。
困った時は、ハウスメーカーに相談するのが近道かな、と僕は思います。
ハウスメーカーの営業スタッフは、さまざまなエリアのいいところ、逆に気を付けるべきことなど、スタッフ同士で常に情報交換をしています。また、住宅オーナー様と交流する機会がかなり多いので、「このエリアのこんなところがよかった!」なんてお話もよく聞きます。
自分達だけで探すとどうしても知っているエリアだけで探してしまいますが、相談することで新たな発見があるかもしれませんよ!
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【まとめ】土地探しのポイントを押さえて理想のマイホームを建てよう
土地探しを始める前に、理想の暮らしや予算を考えておきましょう。
どんな暮らしをしたいのか、家づくりの目的を明確にするところがスタートラインです。
スムーズに土地探しをするには、希望の条件に優先順位をつけ、希望のエリアの相場を知り、土地の良し悪しを見極めることが大切です。
地形や土地の高低差、向き、用途地域などもチェックし、こだわるべき点はこだわるけれど必要以上にこだわりすぎないよう、上手に土地探しを行いましょう。
土地探しが難航する場合には、建物や住宅ローンについても学びながら進め、夫婦で理想の暮らしについてすり合わせましょう。
相場に合った予算で土地を探すこともポイントです。
初めての家づくりはわからないことだらけですし、仕事と両立しながら進めるのも大変ですよね。
そんな時こそ、僕らのようなハウスメーカーをどんどん活用してください。
土地探しはもちろん、家づくり全般をしっかりサポートします!
この記事を書いた人
白崎 貴子
ジョンソンホームズ マーケティング室
衣食住を自分好みにアレンジするのが好きです。
特にお家で好きなラジオをかけながらゆっくりご飯を作ったり、お花や緑が目線に入ったりすると心が落ち着きます。